ダンボール販売、栃木、群馬、埼玉3県での価格カルテルの疑いで公取委がメーカー立入検査

ダンボールと言えば生活に身近な素材、 商品が入って届けば身の回り用品を整理したり時には引越しなどにも何かと便利で欠かせません。 かたむき通信には2012年3月22日の記事 ダンボール家具が人気を集める~鍵は強化ダンボール で今や家具にまで使用されていて吃驚しました。

さてそのダンボールを供給する側については ダンボール業界なるものが存ずるのは知りませんでした。 そしてこれは製紙業界に属する業界なのだそうです。

ダンボール供給側、即ち製紙業界もなかなか難しい状況にあるのは2009年4月6日の朝日新聞の記事 製紙業界、破談続き シェア重視の再編、行き詰まり を見れば間違いないようです。 其処にはインターネットの普及などで将来の紙離れを予感した業界内での 何とかあの手この手で生き残りが図られている様子が覗えます。

ただ生き残り策も行き過ぎる、或いは方向を見失うと困ったことになるようです。 先日2012年6月5日に各メディアから一斉に報じられたのが 本記事タイトルにもした ダンボール販売、栃木、群馬、埼玉3県の価格カルテルの疑いで公取委がメーカー立入検査 と言う事態の発生でした。 代表的な時事.comの記事 段ボールでカルテルの疑い=メーカーなど立ち入り-公取委 (2019年4月18日現在記事削除確認)を以下に引用します。

 段ボールをめぐり価格カルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は5日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、業界大手のトーモク(東京都千代田区、東証1部上場)、レンゴー(大阪市、同)などメーカーと、業界団体「東日本段ボール工業組合」(東京都中央区)など、関係先計四十数カ所を立ち入り検査した。
 関係者によると、各社は段ボールの原材料となる古紙の価格高騰を背景に、栃木、群馬、埼玉3県内の販売価格について、事前の話し合いで値上げ幅や時期を決めていた疑いが持たれている。

カルテル とは製品の供給側が限られる時、 供給側全てが結託して製品供給について恣意的に価格、生産量、販路を決めてしまうことです。 そこには利用者側の利便とは関係なく供給側の理屈のみ活きるため世界的に禁止されています。 日本でこれを取り扱う法律は 独占禁止法 であることから運用機関の 公正取引委員会、略称 公取委 がメーカーに立ち入り検査をする事態となったのですね。

立ち入り検査先は記事に名前が記されるだけでも、以下列挙する処の三箇所、またそれ等を含めて関係先計四十数カ所に上ります。

記事に依ってはダイナパックや王子チヨダコンテナー、日本トーカンパッケージに 王子製紙、大王製紙のグループ企業なども挙げられています。

少し見ただけでもこのように多岐に渡る企業名団体名が挙がるダンボール業界は 素人目には曖昧模糊としたものに映らざるを得ません。 e-Patent Map.netで業界データを見ようにも パルプ・紙関連統計 (2019年4月18日現在記事削除確認)に、業界動向サーチ.comで業界動向を見ようにも 製紙業界 の中に埋もれてしまいます。

ダンボール業界が製紙業界の一部に過ぎないかと言えばフィデリ業種ナビの 段ボール製造業 を見れば立ち入り検査を受けた業界団体とは別に、 以下列挙する処などもあってまたまた混乱を誘われてしまいます。

これにはダンボールの販売の段ボール屋さんの用意してくれているページ 段ボール業界のお話 を見れば何となく納得出来ます。 実に複雑で入り組んでいる業界だったのですね。

毎日新聞の配信記事 <段ボール>価格カルテル疑いでメーカーなど立ち入り検査 (2019年4月18日現在記事削除確認)から以下に引用します。

段ボール業界を巡っては、 1959年から約30年間、業界団体が自ら値上げの目安となる「標準価格」を決めてメーカーに示すなど業界ぐるみでカルテルを繰り返し、 公取委から約20回にわたって勧告や課徴金納付命令を受けている。

上記、引用する処から常習性があるのは確かで こうなると最早内部では問題感が薄れているようにも感じられます。

若しかしたら門外漢には些か全体像の把握し難い構造である業界が このような問題を内包したままの状態を維持せしめているのかも知れません。 本記事などのような僅かな一石でも一助となり、 一般に周知されて監視の目が行き届き、良い方向に導かれることを望みます。

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