総務省が去年2011年度の電気通信事故発生状況の取りまとめ公表

電気、水道、ガス、ITなどとインフラの一部となった 情報通信に於ける事故は注目すべき処となって来ています。 本日2012年8月31日、総務省から去年度2011年4月1日から2012年3月31日に於ける 電気通信事故の発生状況が取りまとめられ公表[※1] され、同時にデータも報道発表資料として添付公表[※2] されました。

このデータは電気通信事業法の規定に基づいた一定規模以上の電気通信事故について 電気通信事業者からの得られた報告をまとめたものとされています。

公表データでは報告された四半期ごとの報告を要する事故でも 詳細な様式による報告は全体で127社8,773件、 その中にも重大とされる事故は8社17件とされており 一昨年度に比較して僅かばかりながらも減少していますが、 簡易な様式による報告のものは増加しており、 全体としては横這いと考えて良いのかも知れません。

中にも特徴的なのは 主にスマートフォンの利用者のみに影響があった重大な事故が初めて発生した とあることでしょう。 去年2011年がスマートフォン元年と呼ばれる[※3] のを逆説的に証明するものとなっています。

その件数は4件となっており、以下表にまとめます。


事業者名発生日時継続
時間
影響数主な障害内容発生
要因
KDDI(株)H23.4.30 6:368h21m約91万携帯電話(スマートフォン)のパケット
通信サービスが利用しづらい
設備
要因
(株)NTT
ドコモ
H23.8.16 11:297h約110万携帯電話(スマートフォン)のパケット
通信サービスが利用しづらい
設備
要因
(株)NTT
ドコモ
H24.1.1 21:303h15m約261万携帯電話(スマートフォン)のメール
サービスが利用しづらい(一部ユーザ
では、不達メールの不到達が発生)
設備
要因
KDDI(株)H24.2.9 16:112h34m最大
約130万
携帯電話(スマートフォン)等のパケット
通信サービスが利用しづらい
設備
要因

3大キャリアにもドコモとauで2件づつ分け合っており、 iPhoneを擁してスマートフォン分野では草分けとなったキャリアである ソフトバンクが重大事故を発生させていないのは一日の長があるから故でしょうか。 どの事例もが100万人に影響を及ぼすと考えられるのも スマートフォンの普及を物語っているでしょう。 2社は不慣れを理由とした事故の再発は厳に戒められるのが望まれます。

また注目すべきなのは事業者名に NHN Japan が挙がっている処ではないでしょうか。 その事故詳細は以下となっています。

  • 事業者名:NHNJapan
  • 発生日時:平成23年12月18日 18時54分
  • 継続時間:27時間41分
  • 影響利用者数:約133万
  • 影響地域全国事業者への問い合わせ件数:約25,000件(4月2日時点)
  • 障害内容NHNJapanが提供するコミュニケーションツール(LINE)において、音声通話、クローズドチャットが利用できない状況が発生。

近年進境著しいSNSの一つが同社の提供する LINE[※4] であり、影響度の大きさからその普及度合いが推し量られるものとなっています。 LINEに於いては青少年問題[K1] から個人情報を含むセキュリティ問題など、 様々な問題の提起される新サービスでもあり、 このデータは提供事業者にその責任を自覚して貰うべく提示され得るものと言えそうです。

ますます電気通信の重みが社会に増し、その機構も複雑化する中、 事故の発生は否応無く増加を示さざるを得ないのかも知れませんが、 その重要性を鑑みたとき、事故の発生は有って良いものではなく、 せめて今年度に見られるように増加を招く事態の無いように 関係者には更なる奮起が期待される処です。

かたむき通信参照記事(K)
  1. オンセイやバイバー、ワウトークなど花盛りの無料通話アプリも使用は注意が必要、例えばナンパLINE(2012年5月28日)
参考URL(※)
  1. 電気通信サービスの事故発生状況(平成23年度)(総務省:2012年8月31日)
  2. 電気通信サービスの事故発生状況(平成23年度)報道発表資料(総務省:2012年8月31日:PDFファイル)
  3. スマートフォンとは(スマフォ?スマホ?)(Acenumber Technical Issues:2011年6月8日)
  4. 位置情報サービス例~VISAとShopkick、ネイバーLINEとSB提携(Acenumber Technical Issues:2011年11月22日)
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