アストンマーティン・ラピードSデビュー~敢えて時代の趨勢に逆らうラグジュアリースーパーカー

Astonアストン Martinマーティン と言えばイギリスの自動車メーカーであり 007の華麗なる主人公ジェームスボンドの駆る ボンドカー[※1] を思い浮かべる向きも多いでしょう。 矢張りイギリス情報局秘密情報部、旧称 MI6 のお膝元、英国製の自動車が採用されるボンドカーにも アストンマーティンは別格のようです。

Aston Martin Rapide Front photo credit by MikeTroy Photography
Aston Martin Rapide Front photo credit by MikeTroy Photography

その華麗な系図を引くアストンマーティンに Rapideラピード が登場したのは2010年と、つい最近のこと、 同社生産モデルとしては初の4ドアスポーツカーとしてお目見えしたのでした。 2006年にコンセプトモデルを発表しながらも現実に市販車が登場するのに4年の歳月を要したのは デザインに妥協を許さなかったためでありどの角度から眺めてもエレガントなスタイルに仕上がったと アストンマーティン側は自負し、その拘りはインテリアに迄及んでいます。 そのキーコンセプト[※2] には以下が挙げられてもいました。

  • 世界でもっともエレガントな4ドアスポーツカー
  • 4人の大人が優雅にゆったりと座れるコクピット
  • ドライバーと車に一体感を持たせること
  • 十分なスペースがあり機能的で、使い勝手のよいモデルであること

このキーコンセプトから産み出された4名を包み込む空間は優雅でありながら しかしその搾り出すパワーはV型12気筒5935ccのエンジンから477馬力を発生し 時速100kmに達っするに僅か5.3秒、 最高速度は303km/hと300超えの些か凶暴さをも感じさせる2面性を有しています。

しかし今、時代は確実にエコ志向、 ターボは今や省エネカーの重要技術として復活し[K1] ダウンサイジングが潮流ともなり[K2] 欧州ではディーゼル、日本を中心にハイブリッド[K3] が鎬を削っています。 新しく登場する自動車群はハイテクを用いた高効率の機構を携えており なかなかに大排気量車が脚光を浴びるのは難しくもあります。

そのような状況下にアストンマーティンから投入されたRapideの新型モデルが Rapide S でした。 この新型車は勿論効率化が図られ燃費も向上するものの エンジン排気量は其の儘に形式は勿論V型12気筒、 最高出力は81psアップの558馬力を搾り出す大排気量高出力エンジンです。 最高速度の比較は余り意味もないでしょうが306km/hと3km毎時向上してはいます。 Autoblog日本版[追]アストンマーチン aston-martin rapide には去年の初夏開発時から昨日オーダー受付開始の報[※3] を受けた2013年1月29日迄、 以下の3記事を配信していて詳細を知れます。

  • 【スパイショット】「ラピード」をよりパワフルにした「ラピードS」をキャッチ!(2011年5月30日)
  • 【ビデオ】「ラピード」より81psパワーアップしたアストンマーチン「ラピードS」(2013年1月25日)
  • 進化したアストンマーティンの4ドア・モデル「ラピードS」発表!(2013年1月29日)

AstonMartinチャンネルの配信する Rapide SのYouTube動画を以下にシェアしましょう。

Aston Martin - Rapide S - The Power of Luxury

新型のRapide Sを一見すれば矢張りそのフロントマスクが大きく変化しているのに気が付きます。 縦に2分割されていたグリルが繋がり全面に大きな開口部を構えているのが印象的です。 Aston Martin Blogの記事 (アトランティックカーズのアストンマーティンブログのドメインが停止されていた為、日本に於ける扱いの内容はないものの、 本家 Aston Martin BlogRapide S 米国ニューヨークでのデビュー記事にリンクを貼り換えました。)[※4] 末尾に心配されているように 日本に於けるナンバープレートの扱いが気になる処です。 それでもキーコンセプトも其の儘にアストンマーティンらしさを失わず Rapide登場時に拘り抜かれたデザインの仕上がりを受け継いだスタイルは見るものを唸らせるでしょう。 当然ながら今回もその辺りは充分に考え抜かれて送り出されたデザインであるのでしょう。 エクステリアに同じくインテリアにもそれは同じことが言えるようです。

敢えて時代に逆行したものでもないでしょうし、 アストンマーティンらしさを主張するにはこの方向性が最適であるのは確かです。 今、ハイブリッド車を卒なく熟し器用にダウンサイジングに走るのは同社のファンの期待を裏切るものでしょう。 然らばスーパースポーツラグジュアリーサルーンとして4座席を確保しながら 無骨一徹に強力な心臓部として大排気量エンジンを搭載するのも一興でしょうし、 既存のファンは勿論新たに惹かれるファンも少なくはないでしょう。

追記(2020年2月12日)

Autoblog日本版(@autoblogjapan)のTwitterアカウントが 2018年12月25日午後5:48に呟いたつぶやきは 「【告知】Autoblog 日本版 更新終了のお知らせ」 と言うものでした。 此のTweetには多くのリツイートやいいね、終了を惜しむ声のリプなどが呟かれています。 Autoblog日本版は同日、当該ブログに更新終了の記事を配信しましたが、 今ではドメイン jp.autoblog.com が停止されており、英語版のドメイン www.autoblog.com にリダイレクト処理されるように設定されていますので当該記事(アドレス:jp.autoblog.com/2018/12/25/autoblog/)も閲覧が不能となっています。 現在、 Autoblog日本版 は、 HUFFPOST に依り運営されている様ですが、最も古い記事でも2013年12月3日付けですので、 残念ながら本記事で紹介した配信記事は見付けられず、リンクを削除しました。

使用写真
  1. Aston Martin Rapide Front( photo credit: MikeTroy Photography via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. ターボが意外な復活~省エネ仕様ダウンサイジングに活用(2012年8月5日)
  2. 日産ノート発表、ハイブリッド車の支配する市場にディーゼル車に続きダウンサイジングで挑む(2012年7月17日)
  3. トヨタがBMWとの提携でHV勢として対ディーゼルに有効な一石(2012年7月30日)
参考URL(※)
  1. ボンドカー (Wikipedia)
  2. アストンマーティン、4ドアスポーツカー「ラピード」上陸(Car Watch:2010年2月5日)
  3. 新型『アストンマーティンRapide S』がデビュー2月からオーダー受付開始予定!(マイナビニュース:2013年1月29日:2020年2月12日現在記事削除確認)
  4. New 2014 Aston Martin Rapide S to Make North American Debut in New York(Aston Martin Blog:2013年3月25日)
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