LEGO腕時計の世界

クォーツショックの苦境から雄々しく立ち上がったスイスが再び存在感を示す腕時計界に於いては 機械式腕時計が再び只に時を告げるものに留まらぬものとなっています。 腕時計は所有者に時刻を知る利便を齎すだけでなく 所有する満足を与えるものへと展開した[K1] のでした。

しかし所有者への満足を与えるのは高級腕時計だけではありません。 端的にはクォーツショックからスイス腕時計界を蘇らせるに当たって牽引者となったのか Nicolas George Hayekニコラス.G.ハイエク 氏であり氏の率いる The Swatch Group Ltd.スウォッチ・グループ であって、この基盤を強力に支えたのが低廉な価格を実現した腕時計ブランド スウォッチ[K2] でしたし、その魅力と所有者へ与える満足度が高いのは 多くのコレクターがあれば明瞭でしょう。

My new watch & Clone Trooper photo credit by adactio
My new watch & Clone Trooper photo credit by adactio

これと同様の現象の、コレクター心を擽るとすれば スウォッチのそれを更に上回るかも知れないと思われる腕時計ブランドがありました。 LEGOレゴ 社の提供する腕時計が其れです。 LEGOはレゴ・ブロックでお馴染みの世界的な玩具会社の社名であり提供する玩具の名前でもあります。 1916年に木工家具工房として創業した同社は1934年に玩具会社に転進、社名を現在のものとし、 1947年から1953年に漸次開発されたレゴ・ブロックで世界中の人気を集めるに至ったのでした。 このLEGO社が同社らしい腕時計を世に送り出しているのです。

LEGOについては世界を席巻するその魅力の一端を垣間見せる状況をかたむき通信にも記事にしました[K3] し、その魅力から遂にはLEGO社で働くという子供の頃の夢を15年越しに実現したお話し[K4] なども共有しました。 凡そ人を魅了して已まないLEGO社から腕時計が発売されるとなれば 熱狂的ファンが生まれるのも無理からぬものでしょう。 値段も決して高いものではなく、勿論機械式高級腕時計とは比べるべくもなく、 それ一本を諦めればLEGO腕時計のコレクションは完成してしまうほどのものです。

LEGO腕時計の愛用者は時代ならではブログで情報発信もしており、 例えば レゴウォッチ・コレクション などはタイトルも宛ら 1996年に発売された初代モデル[※1] を始めとしたLEGO腕時計の初期のモデルが網羅されています。 ネットオークションなどで主に入手とのことですが、 電池を主題に扱った記事[※2] では腕時計ファンには気になるムーブメントについても触れられており、 アナログ、デジタル、多機能デジタルの3種類があって其々電池の異なるもので、 中にもアナログのムーブメントは日本製で今迄入手したものに動かなかったものはない、 とのことですから中々優れもののようです。

1996年発売で低廉な価格、要電池とあらば機械式のムーブメントはにあらぬのは無論、 漸次安価となったクォーツムーブメントが用いられている筈ですが、 アナログ表示方式の結構な優れものはどうやらシチズン時計の子会社 ミヨタ株式会社 製のものであるようで、幾つかのブログなどに報告[※3・4] されてもいます。 ミヨタムーブメントはかたむき通信にはガガミラノを扱った際[K5] にも触れましたがガガミラノほどの値段がする訳もないLEGOウォッチには充分なクォリティを持つとして良いものです。

電池交換の際には他の腕時計には望むべくもない程、 分解が簡単とされるのが又LEGOらしい処でしょう。 コレクターとなれば同じものを2本買いして一方は保管用、一方は実用に使い分ける向きも多い様です。 実用に供されたLEGO腕時計はそれこそブロック遊び間隔でケースからベルトから組み替えられ 気分に合わせた装いで所有者の腕に今日も揺れている筈ですし、 そのキッチュな存在感は或る意味洒落たファッションでもあるのではないでしょうか。 幾分年輩者の腕や、ビジネススーツに合わせるのは如何せん無理がありますが、 若者の腕に巻かれた際には高級腕時計のような嫌味は感じられる筈も有りません。

このように人気の高いLEGOウォッチを扱うショップもネット上には多くあるのが覗えますし、 又、当たり前のようにネットオークションにも新品は勿論、 定価にプレミアムの上乗せされた金額で取引されるものも屡見受けられます。 1996年からの発売ですので未だ20年も経ておらず、 コレクターとして参入するのも今なら遅くはない面もあるでしょう。 益々人気は高まるばかりのようです。

ブログなどでの情報交換も盛んに行われていもするようで、 学生時代に玩具屋にてLEGOウォッチに一目惚れしたと言うブログ記事[※5] のコメント欄では微笑ましいだけではなく豊富な情報が遣り取りされており、 記事内容を受けた電池交換の情報やムーブメントがミヨタ製などの情報が飛び交っており、 LEGO腕時計の情報を求めて此のコメント欄に辿り着く向きもあるのが見えます。

追記(2014年9月4日)

LEGO腕時計にも特にスターウォーズファンに向けられた腕時計に関する内容を含む スターウォーズファン御用達腕時計 を配信しました。

使用写真
  1. My new watch( photo credit: adactio via Flickr cc
  2. Clone Trooper( photo credit: adactio via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. 岡野式腕時計愛好の一つの形~パテックフィリップ・ノーチラス(2013年3月5日火)
  2. スイス時計救世主スウォッチグループの創設者ニコラス.G.ハイエク氏とは(2012年4月28日)
  3. LEGOが多様性を極める~エッシャーの相対性にお台場レゴランド・ディスカバリー・センター東京(2012年6月20日)
  4. LEGOは15年越しの夢まで拵える~STAR WARS動画やレバ刺し、アップルストアも(2012年7月9日)
  5. 腕時計界にガガミラノは定番と成るか一時の流行に終わるか(2012年11月10日)
参考URL(※)
  1. 1996年発売(初代)(レゴウォッチ・コレクション:2009年12月31日)
  2. レゴウォッチの電池について(レゴウォッチ・コレクション:2010年6月13日)
  3. LEGO時計サッカーをゲット(jimmy's LEGO WATCH:2011年7月16日)
  4. 時計の電池交換/LEGO WATCH(akiyose.com気さくな時計屋さん)
  5. 時の流れに身をまかせ(笑)(広く浅く、時々深く:2009年3月28日)
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