ランボルギーニ・ウラカン(HURACÁN)デビューと1,000万台クラブ生き残りの真偽

2014年も明けた元旦早々にイタリアの FIAT (フィアット)社が現在58.5%を保有するアメリカ Chrysler (クライスラー)社の残りの株式41.5%を買い取り完全子会社化、経営統合することを発表しました。 〔※1〕 此の統合案は去年春から取りざたされていたもの 〔※2〕 ですが今漸く其の決定が公開され20日には買収が完了するものとされます。

省エネ化や電動化、または自動運転 〔K1・2〕 などの新技術を取り込まねばならない自動車業界にあっては生き残りの指標とも言われる 世界販売1,000万台 を見込め、現在4強として其の規模を達成し所謂 1,000万台クラブ のメンバーとも目される、 日本トヨタ自動車、米国ゼネラルモーターズ、独逸フォルクスワーゲン、ルノー・日産連合、 に後れを取ってはならじとばかりに今回 本田技研工業株式会社 を抜いて業界第7位に躍り出たフィアット社の念願の事案だったのだとも言われています。

1987年から1993年に掛け今回子会社足るクライスラー社の嘗て傘下にあったのがイタリアの ランボルギーニ (Lamborghini)社でした。 同社は去年2013年12月20日に新型車 ランボルギーニ・ウラカンHURACÁNLP610-4 を発表 〔※3〕 しました。

図写真1.The Virtual Aventador and Huracan configurator

ウラカン(HURACÁN)とは台風の意にて未だ自動車名としては一般的になく 例えばYouTubeで検索すれば台風の映像がヒットする様な塩梅です。 実はランボルギーニファンにはお馴染み、例に依って闘牛の名前でもあり、 スペインのコンテ・デ・ラ・パティーリャ種の並外れた勇ましさと強い攻撃力で知られた実在の闘牛なのだそうで、 闘牛士にウラカンの名を刻まれたのは1879年8月のアリカンテに於き 不屈の精神で好戦的かつ無敵の闘い振りを披露したからであると言います。

此のウラカンはかたむき通信にも伝えた ガヤルドGallardo〔K3〕 の後継モデルであり、其の際モデル名が カブレラ と特定されデビューは2013年内とされる噂も紹介しましたが、 此方もランボルギーニの例に依って裏切られたようです。 ともあれば従って新生ウラカンは ベビーブルベビーランボ の正統を継ぐものでもあり、ランボルギーニ社のアイコンとも経済的屋台骨を支える柱とも目されるのは必然です。 従って2014年1月3日現在、ランボルギーニ社の期待を一身に背負うべく 同社公式サイト Automobili Lamborghini S.p.A. はウラカン一色ともなっているのが下のトップページのスクリーンショットからも垣間見られるでしょう。

図写真3.Automobili Lamborghini S.p.A.(スクリーンショット)

またウラカンにはランボルギーニ社のサブドメインを用いて公式のサイト Discover the New Lamborghini Huracán も用意され、ふんだんな動画があしらわれる豪華な拵えとなっています。

図写真2.Discover the New Lamborghini Huracán(スクリーンショット)

ディザー広告めいてはいますが THE NEW LAMBORGHINI HURACÁN WISHES YOU A HAPPY 2014. と画面にメッセージの映し出される Discover the New Lamborghini Huracán - video や、4本の物語映画風の episode-1episode-2episode-3episode-4 などもあり、否が応でも期待を盛り上げられもします。

右の GENROQ(ゲンロク)2014年2月号 では第一章を 2014年の主役たち とし其の一つに 新たなるV10ランボルギーニ・ウラカンLP610-4 を挙げ 待ち望まれた新生。 と題して38頁から6頁が割かれ 山崎元裕 氏の手になる現地取材のレポートが掲載されています。

ランボルギーニブランパンスーパートロフェオのワールドファイナル 〔※4〕 の翌日と言いますから2013年11月24日のことでしょう、 正式発表に先立つこと凡そ1箇月と時期的にかなり早いもので流石に専門誌GENROQの面目躍如足りて、 ボローニャ空港に降り立った氏は其処から程近い場所にて正式な発表迄は一切漏らさない旨の重々しいドキュメントへの署名を以て 始めて新生ウラカンへのアプローチが許された、とします。 此のボローニャでのウラカンとのファーストコンタクトには ガヤルドも用意されていたと言い、比較も含めた内容となっているのはファンには嬉しいレポートとなるでしょう。

唯或る程度は記されるものの未だ此処にもスペックの詳細に及ぶものは不明なもので 従ってベビーブルファンは勿論ランボルギーニファンは ランボルギーニ社から発表されている今年2014年3月6日から16日に掛けてジュネーブで催される第84回モーターショー( 84th International Motor Show, Palexpo, 6th to 16th March 2014. World premieres in car industry, international car exposition )での此れからの同社の屋台骨を支えるであろうウラカンの正式公開、ワールドプレミアが楽しみとなる筈ですが、 レポートの最後にはジュネーブショー迄に2014年1月から世界60都市に於いて130回以上のプレビューイベントが催され、 VIPカスタマーには順次披露され、その後ジュネーブショーでオフィシャルデビューするともされていますから、 若し読者貴辺がランボルギーニ社からVIP顧客として扱われているならば 一般よりは少し早く其の雄姿にお目に掛かれるもする筈です。

ランボルギーニ社にVIP足らぬ際には 其れでも少しでもニューベビーブルの様子を垣間見たい向きには有り難いことに 写真も未だ出回るに至らぬ中にも徐々に増えては来つつあり、 上記したように公式サイトにも様子の窺われる動画の見られると共に、 またYouTubeに共有される動画なども見られるようになって来ました。 下に今ならではとも言える内容の前モデルであるガヤルドとの比較なども交える動画を2つ程貼り置きましょう。

Overview of the NEW LAMBORGHINI Huracán LP 610-4! The end of the Gallardo!(Carlyle's Picks)
Lamborghini Huracán Preview and Lamborghini Gallardo Send Off . . .(MotoManTV)

斯くも10年振りの主力のモデルチェンジに盛り上がるランボルギーニ社を含めた 輸入車登録台数の推移 をJAIAから提供されるデータ 〔※5〕 から同社と輸入台数の似通ったメーカー及び2000年から此方のものを抜粋し、 表と折れ線グラフにしてみたものが以下になります。

 Aston
Martin
Bent
ley
BMW
Alpina
FerrariLambor
ghini
LanciaLotusMase
rati
Rolls
Royce
合 計
2000年17651786217113327717742275,452
2001年29851854609312725519939275,279
2002年3761196410666327218327277,065
2003年5572151418775429213411278,804
2004年6923114647117611738131146272,880
2005年11035512339115017941140250268,112
2006年22953712538017416344938054262,274
2007年2684235541215111542746357265,086
2008年2012921914501426534858033219,231
2009年110180129548886024733121178,527
2010年121136202493606831228774225,083
2011年140126141386999627124980275,644
2012年16621615251717712626231190315,993

JAIAサイトの当該ページ 〔※5〕 にも 車名別の推移年別(暦年)は1966年以降の各車名(ブランド)別の輸入車新規登録台数 データを元に作成したもので、抜粋したメーカーの台数は左Y軸に、 合わせて右Y軸には輸入車登録合計台数を配してあります。

輸入車全体、其処では多くの台数を売るメルセデスであり、BMWであり、フォルクスワーゲンであり、ルノーであり、 其れこそ今回経営統合のなるフィアット、クライスラーも共に、 勿論ランボルギーニの現在の親会社であるアウディ社も含まれる、 其の全体では好不況の波を激しく受ける様子が見られるものと考えれば、 ランボルギーニ社と同程度の台数を本邦に供給する此のレンジでは強い相関関係は伺えないようです。

データを多く当たった訳ではありませんので確言は出来ませんが、 此のレンジでは例えば合計台数が2008年から2009年に掛けてのリーマンショックの強い影響を被ったのに比して 恐らくは好不況よりは新型モデルの発表他、何某かのイベントが影響の大きいのかも知れません。 もう少しミクロで見ればランボルギーニ社は日本では台数的にフェラーリ、ロータス、マセラティなどの一群より一段下のレンジにあり、 其処にはアストンマーチン、BMWアルピナ、ランチア、ロールスロイスなどと競い合っているのも分かる なかなかに興味深いデータにて機会が有れば更に分析に供するのも一興でしょう。

供給台数的に考えれば尤もな話かも知れませんが 此のレンジに於いては同一資本の元に連綿と継続されているメーカーは無いのも共通しており 其々が大手メーカーの資本下を時代に応じて転々としながらも、 其のブランドをしぶとく維持している様子も窺えるのと対照的に 冒頭に記した様に嘗て其の傘下にランボルギーニ社を擁したクライスラー社が今回、 完全にフィアット傘下に組み込まれたのを見れば、 企業とは売り上げや市場、資本の多寡ではない気が強くして来るものです。 即ちビッグ3とも謳われたクライスラー社は其の全株式をフィアット社の保有する処となり栄枯盛衰の感を抱かせるのに比し 社格自体は小さくあるランボルギーニ社の如く様々なオーナー、親会社の元を転々としようとも力強く生き残る道もあるもので、 一度は連結資本下に有った両社の対照的なことの成り行きは実に床しきものです。

上に記した4グループの1,000万台クラブの言われる其れ以前は GM、フォード、トヨタ、ダイムラークライスラー、ルノー・日産、フォルクスワーゲン、の6グループが 400万台クラブ と呼び習わせれていました。 1,000万台クラブも400万台クラブも当該生産規模程度を有さねば厳しい競争を勝ち抜き生き残りの適わぬと言われた指標ですが、 其の実何の裏付けもなく胡散臭い自己啓発書辺り程にしか使い道の無いもので、 実際400万台クラブ当時の一角を成したクライスラー社の現状を鑑みれば一体怪しい言説であるのが窺え、 蓋し1,000万台クラブも400万台クラブと同様にIT用語で言う処の意味を成さない期間限定の八釜しい流行語を意味する バスワードBuzzWord) に過ぎないものとして宜しいものとすれば 1,000万台クラブ加入を望んだフィアット社には些か気が咎めもするのです。

使用図写真
  1. The Virtual Aventador and Huracan configurator(LamboCARS.com)
  2. Automobili Lamborghini S.p.A.(スクリーンショット:2014年1月3日)
  3. Discover the New Lamborghini Huracán(スクリーンショット:2014年1月3日)
かたむき通信参照記事(K)
  1. Google自動運転車が公道で自動走行テストする許可取得(2012年5月9日)
  2. 高速道路自動走行レーン計画~国土交通省がヒューマンエラー撲滅へ向け10年後のオートパイロットシステム実用化目指す(2012年6月23日)
  3. フランクフルトモーターショー2013にランボルギーニ・ガヤルド最終型お目見え予定(2013年9月1日)
参考URL(※)
  1. 伊フィアット、クライスラーを完全子会社化へ-未保有株取得(Bloomberg:2014年1月2日)
  2. 伊フィアット、米クライスラー完全子会社化へ近く資金確保へ=関係筋(Reuters:2013年4月24日)
  3. ランボルギーニ、ウラカンを発表・・・ガヤルドの後継モデル(F1-Gate.com:2013年12月20日)
  4. LAMBORGHINI SUPER TROFEO WORLD FINAL 2013 - イベント・レポート(AUTOCAR DIGITAL:2013年11月23日)
  5. 車名別輸入車新規登録台数の推移(暦年) 1966年~2012年JAIA 日本自動車輸入組合 » 輸入車登録台数の推移:2014年1月3日現在)
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