貴婦人ジェンティルドンナがオルフェーヴルをハナ差で抑え牝馬三冠馬としてジャパンC初制覇

中央競馬には俗に 牝馬三冠 と呼ばれる称号があります。 1986年に メジロラモーヌ が桜花賞、優駿牝馬、エリザベス女王杯全てに勝利を収めた際に マスコミが命名したものとされますが、 1996年にはエリザベス女王杯から秋華賞へとシフトしたため 現在、桜花賞、優駿牝馬、秋華賞を制した馬に与えられる称号となっています。

牝馬三冠馬は現在以下の4頭となっています。

  • 1986年:メジロラモーヌ
  • 2003年:スティルインラブ
  • 2010年:アパパネ
  • 2012年:ジェンティルドンナ
the 71th Japanese Oaks(tilt shift)

かたむき通信には今年2012年 ジェンティルドンナGentildonna) の勝利を桜花賞 〔K1〕 及び優駿牝馬 〔K2〕 について記しました。 その後彼女は2012年10月14日に第17回秋華賞を制して牝馬三冠の栄誉に浴していたのです。 そして2012年11月25日の本日満を持して第32回ジャパンカップに臨んだのでした。

ジャパンカップ が1981年に創設されたのは日本競馬界が世界を睨んでのことでした。 着実に力を付け始めた日本馬に世界の強豪馬との競り合いの場を与え、 匹敵すべき実力を養う環境を用意したのです。 勿論世界の競走馬と日本最強馬とのレースを欲する ファンの強い要望に応えたものでもありました。

従ってその優勝賞金は6500万円と天皇賞、有馬記念と同額と言う破格のものが用意されたのです。 2012年の今となってもなお賞金総額は4億7600万円、 1着は2億5000万円とそのレベルは維持されるものです。 また同時に外国馬の遠征費用をJRAが負担する配慮も見せることで 思惑通りの出走馬が枠を埋めました。 開催当初こそ世界と日本の差を見せ付けられたジャパンカップでしたが 近年は地元有利など様々な条件も相俟って日本馬が勝利を独占する処ともなっています。

この如きレースとなれば現在日本最強馬の呼び声も高い オルフェーヴルOrfevre) の出走は極く当然の如くなされるのでした。 オルフェーヴルはワールドサラブレッドランキングにも日本馬最上位の6位につけ 〔K3〕 第91回凱旋門賞こそゴール直前にフランス牝馬ソレミアに交され2着だった 〔K4〕 ものの、その前哨戦の第58回フォア賞にはフランスで堂々の勝利を飾ってもおり、 〔K5〕 勿論今レースのオッズは1番人気となっていました。 しかも流石 競馬のオリンピック とも言われるジャパンカップならでは、 凱旋門賞に土を付けられたソレミアが出走するとなっては リベンジにも燃えている処でしょう。

対するジェンティルドンナはワールドサラブレッドランキングに日本馬として2位、 世界17位にランクされる ルーラーシップ 〔K3〕 が2番人気であるのに次ぐ3番人気となっていました。

レースは天皇賞にオルフェーヴルを破った ビートブラック 〔K6〕 が逃げます。 しかし最後の直線、オルフェーヴルがそのリベンジとばかり 中段からスルスルと抜け出すとビートブラックに襲い掛からんとする正しくその時、 2位集団に付けていたジェンティルドンナもスパートを掛けたのです。 因ってこの2頭が競ってビートブラックを抜かんとする事態となり 結果揉み合うようにして併走する形となりました。 2頭はこのままゴール直前迄、息詰まる叩き合いのマッチレースを展開します。 その結果は写真判定、審議にも持ち込まれるほど微小なハナ差でした。

ジェンティルドンナの勝利でした。 ジェンティルドンナは3歳牝馬としても牝馬三冠馬としても ジャパンカップ初制覇の栄誉に輝いたのです。

審議にはジェンティルドンナの斜行に因るオルフェーヴルとの接触なども取り沙汰されましたが ジェンティルドンナの勝利は其の儘とされました。 これには両馬のオーナーが同一人物であることにも助けられた、と言う意見も聞かれます。 騎乗の岩田康誠騎手は2日間騎乗停止の裁定が下されたのは致し方ないかも知れませんが、 オルフェーヴルも決して直進したとは言い難いと言う意見も頻出してはいます。 岩田騎手は第17回NHKマイルカップ 〔K7〕 に斜行、走行妨害を犯しそれがシゲルスダチと後藤浩輝騎手のエピソード 〔K8〕 をも生み出し、また牝馬三冠へ直走るジェンティルドンナの オークス出走騎乗を川田将雅騎手に譲るべく裁定 〔K9〕 ともなってジャパンカップに繰り返しては勝利にも顔は曇らざるを得なかったようです。 しかし互いに退かない闘争心を剥き出しにした熱戦が展開されたのだけは確かでした。

それにしてもオルフェーヴルは凱旋門賞にもジャパンカップにも 此処一番にあと僅かの処で牝馬に敗れたのは何と言うか… けっこう尻に敷かれるタイプなのかも知れません。

使用写真
  1. the 71th Japanese Oaks(tilt shift)( photo credit: kanegen via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
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