フォーブスにより 2012年版長者番付が発表されました。
フォーブスはアメリカの経済誌で 様々なランキングを編纂して話題を呼びます。 その代表的なものが毎年3月に発表される世界長者番付及び富豪で 1995年にマイクロソフトのビルゲイツ氏にトップを奪われる迄は 日本人がトップを占めていたこともあってか 未だに日本版も出してくれています。以下に両ランキングのベスト10だけ引用してみますが、 此れを見るとどうやら番付に載るには事業を興し成功することが必須ですね。 なお左側長者番付の順位の次に記した数字は世界に於ける順位を示しています。
2012年日本長者番付 (フォーブス誌篇)
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2012年日本の富豪ベスト10 (フォーブス誌篇)
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ところでこの長者番付と富豪番付の違いは何処にあるのでしょうか? 飽く迄もこの番付は両者ともフォーブスと言う米国の 一商業誌の独自の視点から算出したものですから フォーブスがその基準を公開しない限り、明確なところは分かりません。 しかしどうもそれは年収と資産の違いであるのかも知れません。
日本でも以前は公式機関の配信データに基づく長者番付が発表されていました。 高額納税者公示制度に依り公示された高額納税者の名簿を一般的に 長者番付として用いていたのです。 高額納税者公示制度に2006年に個人情報保護に鑑みて廃止されたため、 実は様々なテレビ番組や週刊誌等で発表されている長者番付は それぞれの推定値を基にすることになりました。 プロ野球選手が契約更改時に 推定年俸 を報道されるのと一緒ですね。 高額納税者公示制度は前年度の所得税額を基にしていたことで 従って長者番付は元々年収額をランキングしたものとも言えるでしょう。 一年間に誰が一番稼いだか?ということですね。
長者番付に対する日本の富豪は これはどうやら現保有資産を推定したもののようです。 この目で見ると上の長者番付と富豪ベスト10の差異も 何となく得心が行くような気がします。
すると似た者同士に思えた両者が例えばバランスシートで考えれば 一方の長者番付は収益、即ち貸方の右側、 またもう一方の富豪は資産、即ち借方の左側と 真反対にカテゴライズされることになるから面白いものです。
さてでは、そのフォーブス誌はどのようにこれを推定しているのでしょう? それこそプロ野球選手の推定年棒が参考になるかも知れません。 Web R25の2010年11月18日の記事 プロ野球選手の「推定年俸」、誰がどう“推定”している?(2019年1月10日現在記事削除確認) では某大手スポーツ紙の記者の言として 矢張り球団からは公式発表は無いため各々独自の 推定 としています。
恐らくこの記者氏が言われるように恐ろしく地道な作業なのでしょう。 大抵データを扱う仕事は地味な作業の積み重ねですから。 プロ野球の年棒推定方法としては 選手の成績・経験、球団の成績・財政状況を基準にアタリをつけ、 記者会見で本人に取材するとのことです。 そしてそのズレは長年の経験と慣例による相場から 5%ほどに収まるだろうことにも言及されています。
この記者さんが言うところの長年の経験は フォーブス誌は豊かであることは間違いありません。 また慣例に依る相場も知り尽くしていることでしょう。 経営事業の状態であったり株価相場であったりは 元々経済誌フォーブスの得意とする処です。 従って配信されるデータが信頼され話題となるのだと思います。
追記(2013年3月7日)
フォーブス誌が世界長者番付2013年版を発表したのを受け ランボルギーニ・ヴェネーノの発表とフォーブス長者番付2013 を配信しました。