アプリ開発者必見!総務省研究会提言スマートフォン・プライバシー・イニシアティブ

B-CAS問題 に於いては後手後手に回り些かオブザーバーの感もあり もう少し確りして欲しいと思う総務省ですが、 スマートフォンのプライバシー問題に関してはその取り組みにかなり力が入っているようです。

総務省サイト内には研究会の一つとして 利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会 が設えられており、其処には スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関するWG として2012年7月18日時点で8回のWGの開催報告の会議資料、議事要旨へのリンクが貼られ、 また4月10日迄の取りまとめが翌4月11日に 第13回:利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会「スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関するWG中間取りまとめ」の公表 として配信されています。

続く第14回は6月29日に配信された 利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会提言「スマートフォン プライバシー イニシアティブ -利用者情報の適正な取扱いとリテラシ向上による新時代イノベーション-」(案)に対する意見募集 で、これにはスマートフォンアプリ開発者には必見の内容が含まれています。

このような研究会が総務省に設立されるのも去年2011年を以てスマートフォン元年と謂わしめる如く 一般に広くスマートフォンが普及し、それは最早後戻りの効かない様相を呈する中、 ITに不慣れな人々も否応無くスマートフォンを利用せざるを得ない世の中となって、 プライバシー問題への関心が高まっているからだと言えます。

この問題を研究会で検討し取りまとめられたのが今回広く意見を募集する対象となるPDFファイル スマートフォン プライバシー イニシアティブ -利用者情報の適正な取扱いとリテラシー向上による新時代イノベーション-(案) となり、その 概要 もPDFファイルとして公開されています。

概要を見れば至極真っ当な事案が記されています。 先ずはスマートフォンには行動履歴や通信履歴等の様々な利用者情報が蓄積する旨言及されます。 この利用者情報にアプリケーションがアクセスし その情報を利用者に無断で外部へ送信している場合があり、 その利用目的等が不明瞭な場合が多々発生している、と言う訳です。 これなどは Acenumber Technical Issues ブログの2012年2月7日の記事 カレログ顛末記とMOTEXのAndroid管理ソフトLanScope An に記す処のネット上に大いに炎上した カレログ や、NAVERに 【個人情報流出】Google アプリ アンドロイドマーケット →出品者に個人情報ダダ漏れ とまとめられもするAndroidマーケットに於けるユーザー情報の取扱いについて、 などが思い出される処です。

さてこれらのアプリ側の動作が充分な説明もないままに実行されれば 利用者が不安を訴えるのも人情と言う物、 こと此処に至って総務省肝煎り研究会に 以下のようなスマートフォン・プライバシー・イニシアティブの提言、 取りまとめとなるのでした。

  • 利用者情報の適正な取り扱いとリテラシー向上による、スマートフォン市場の中長期的発展
  • 利用者が安全安心にサービスを活用出来る様に、下記の様なスマートフォン・プライバシーに関する包括的な対策を提案する
    1. アプリケーション提供者や情報収集モジュール提供者等を中心に、アプリケーション提供サイト運営事業者・OS提供事業者、移動体通信事業者等のスマートフォンの関係事業者に広く適用可能な「スマートフォン利用者情報取扱指針」を示す
    2. 第三者によるアプリ検証の仕組み等、指針の実効性を上げるための方策を提案
    3. 利用者リテラシー向上のための情報提供・周知啓発方策
    4. 国際連携の推進

かなり詳細に渡りスマートフォン・プライバシー・イニシアティブはまとめられていますので、 パブリックコメントを提示する、しないに関わらず、 スマートフォンアプリ作成、提供者には必見の内容となっています。

なおパブリックコメントの〆切りは 平成24年7月20日(金)午後5時必着、郵送の場合は同日付けの消印まで有効となっており、 提出された意見を踏まえ次回会合にて提言を取りまとめ、公表する予定とされています。 パブリックコメント提出の際は2012年6月29日配信の 報道資料(上記第14回と同ページ) を参照下さい。

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