未曾有の大震災と福島原発問題を切っ掛けに 一般に於いてもエネルギーへの関心は高まる一方です。
従来の原子力及び化石エネルギー依存からの脱却の代替エネルギーとして、 そして自然エネルギーとしてその筆頭に挙げられるのが太陽光発電です。 今月2012年7月の1日より 再生エネルギーの固定価格買い取り制度 の開始されるにあたり参入企業が相次いだのはかたむき通信2012年6月30日の記事 ローソン、上組、GSユアサなど売電参入続々~7月1日再生エネルギーの固定価格買い取り制度開始 にも記しました。
環境を鑑みまたビジネスになると踏んだ上で企業が続々と太陽光発電に進出、 1MW以上の出力規模を持つ太陽光発電システムを持つ大規模太陽光発電所である メガソーラー の建設ラッシュの様相も呈しています。
太陽光発電に於いては自然エネルギーの常として環境に左右されるものですので、 その立地条件は重要なものとなります。 そこで熱い注目を注がれる土地が出て来る次第と相成ります。 その土地こそ神戸新聞ニュースが2012年7月1日に配信する記事 メガソーラー構想続々 好立地の淡路島に熱視線 (2019年6月18日現在記事削除確認)にある淡路島です。
淡路島は豊富な日照と広大な未利用地の存在と言う 全国有数の立地条件の良さから多くの企業がメガソーラーを建設する検討する処となり、 全ての構想を合算すればその発電容量は淡路島の全世帯の使用電力量を上回るかも知れない程であると言います。 地元ではこの 地域資源 の豊かさに気付き進出する企業に持って行かれるばかりでなく 恩恵を持続的に地元に還元しようとする試みも行われているそうです。
太陽光発電の好立地条件を地域資源と捉える発想は実に興味深いものですが、 こうしたメガソーラーの集中する好立地条件にあらぬ土地では では発電とは全く関わりないものとなるのでしょうか?
これに関して有用性の高い分散発電システムとも言うべき商品を三菱重工が開発しました。
コンテナ型のガスエンジン発電設備
プレスリリースに依ればその最大の特徴は 置くだけ工法 と表現されます。 在来の据え置き型発電設備の場合は現地設置作業に時間が掛かるのは当たり前で 据え付け開始から稼働までに1ヵ月程度の準備期間を織り込むのが一般的であった処に 三菱重工は24時間以内に稼働させられるこのメガニンジャを開発、送り込んだのでした。
メガニンジャはISO規格の40フィートコンテナ(長さ約12m)内に発電に必要な装置を搭載、 燃料ガス及び設置スペースに三菱重工から届けられる電気、燃料のコネクターを 事前に当地で用意しておけば容易に発電所の一丁上がりの コンテナ型ガスエンジン発電設備の由縁です。
三菱重工が市場として見込んでいるのは まだまだ送電網整備の遅れなどにより電力不足地域が存在する新興国であり、 またこの商品の特性を考えればそれこそ本記事冒頭の大震災の如き事態などの 非常・緊急対応用電源向け需要です。 成る程この市場の見込みを見れば分散型発電システムの需要は高かろうことに首肯せしめられます。
エネルギー及び発電システムについての集中と分散は そのまま活用される地域の特性を表しているとも言えそうです。