腕時計ファンに取っては当たり前のことでしょうけれども なかなか門外漢には分かり難い言葉の一つに キャリバー がありました。
かたむき通信2012年3月21日の記事 高級腕時計ゼニスのムーブメント~エルプリメロの危機と復活 にも記したように時計業界にはムーブメント(時計の機械)から自社一貫製造するメーカーを指す業界用語として マニュファクチュール があり、高度で幅広い技術を持っている証明とされ、 その中には21日の記事メインで取り上げた ゼニス も然りながら我が日本の代表たる セイコー もリストアップされています。
このようにムーブメントの製造は誇るべき技術であり、 その製造メーカーが自らのムーブメントを管理するために付与した形式番号のことを キャリバー と言います。
おそらく時計ファンの方だと思われますが セイコームーブメント一覧表 を調べ上げてネット上に提供してくれているページがありました。 実に多くのムーブメントがセイコーにはあり、 それぞれにキャリバーが記載されています。 最左列及びその右の系統/機種番がキャリバーに相当します。
セイコーは世界に冠たる時計メーカーですので多くのムーブメントを擁して 多くのシリーズを市場に投入しているのですが シリーズ名からして機械式ムーブメントに拘ったシリーズがあります。 それが メカニカル(2018年11月26日現在コンセプトサイトは閉鎖されています) で、キャッチコピーは SEIKOの技術と伝統が息づくメカニカルウォッチ と表現され、説明の 日本における機械式時計の全盛期である1950年~1970年に培ったSEIKOの技やデザイン、 素材を最先端の技法で現代によみがえらせたのが2006年に誕生した、このメカニカルシリーズ には世界の時計業界と伍して戦うSEIKOの自負が覗えるようです。
一事はクォーツショックに依って行き処を失った機械式ムーブメントも SEIKOの中ではこうして見事に蘇り一般の人々の手に渡っているのです。 そしてこのメカニカルシリーズのムーブメントが上に紹介した一覧表を見れば、 以下列挙する処であることが分かります。
中にもキャリバー 6R15 が機械式ムーブメントの愛好者から評価が高いようです。
マイスター公認高級時計師(CMW)がいる高度な技術のお店 と惹句が記されるサイトは イソザキ時計宝石店 さんではメカニカルシリーズの一つ SARB の解説中にこれこそ6R15ムーブメント採用モデルとして セイコーメカニカルブランド展開の魁となる成功を築いたモデルで 入手し易い価格ながら満足度も高いのが特徴であるとされています。
6R15の解説としては更に超高弾性ゼンマイの採用で持続時間50時間以上を実現、 また龍頭を引くと秒針が止まるハック機能があり、時刻合わせに便利で 且つ手巻き機構も付いているともされています。 即ちキャリバー6R15はマイスター公認高級時計師のお墨付きとも言える訳ですね。
更にはネット上には時計技術が専門ではないようですが、 その機構迄に迫り情報を公開してくれているサイトもあります。 ファイブ実験室 の中にも特に
の3編はキャリバー6R15について取り上げ、 サイト副題に 怪しい改造講座 とも謳うくらいですから分解写真を含めかなり詳細に渡った解説がなされています。 SEIKOファンにも機械式ムーブメントファンにも堪らないページではないでしょうか?
SEIKOの今回紹介したキャリバー6R15を含む腕時計をコレクションして楽しんでいる様子が紹介されたブログもありました。 Gontaのブログ さんの2009年1月11日の記事 セイコーsarb033とscvs003 では所有の喜びが伝わって来るようです。
スイス製や日本製でもグランドセイコーブランドなどは なかなか入手し辛い高値で例え入手したとしても数が限られるでしょう。 キャリバー6R15はそんな中でコストパフォーマンスの高い ファンには嬉しい機械式ムーブメントと言えるでしょう。
追記(2012年8月25日)
セイコー社が世界に先駆けたクォーツ腕時計に関して 世界初クウォーツムーブメント35SQ~世界にショックを与え日本を一躍腕時計界の中心に至らしめたセイコーアストロン を配信しました。
追記(2012年10月29日)
メカニカルGMTの10周年モデル発売について グランドセイコーに4本目の針を携えてメカニカルGMT10周年 を配信しました。
追記(2012年11月8日)
セイコー社の独自企画であるGS規格について グランドセイコー規格~世界に冠たる腕時計クォリティ認定 を配信しました。