今年2012年は天文イベントの当たり年なのだそうでかたむき通信にもこれ迄、 以下列挙する処など記事にして来ました。
- 5月21日国を挙げての大イベント金環日食~国立天文台HPが分かり易く説明(2012年5月19日)
- 金星の太陽面(日面)通過は6月6日~世紀の天体ショー、アンコール(2012年5月21日)
- 2012年6月4日部分月食~金環日食と金星日面通過の間の天体ショー(2012年6月4日)
- 今世紀最後金星日面通過は本日6月6日~金環日食、部分月食と比較してみた(2012年6月6日)
今回の天体ショーは 金星食 です。
食とは言っても今回は金星の日面通過のように金星は食う側ではなく食われる側です。 食う側は月で、金星の前を月が横切る格好になります。 日本神話宜しく作劇するならば 美しく輝くヴィーナスに嫉妬した月が少し地球人に意地悪をして隠してしまう、 と言った塩梅でしょうか。
この天体ショーは日本で全国的に見られますが、 そのため時間は一定していません。 目処は14日未明となっています。 時間も朝早くて偶然見られるような時間帯ではありませんから、 見る地域の食の開始時間と終了時間を予め調べて臨んだ方が好いですね。
天文イベントとなればかたむき通信の例に拠って頼るのは 国立天文台 ホームページです。 確り2012年8月14日の為に 金星食 が用意されています。 金星食が日本で観察されるのは2003年5月29日から9年振りとなるのですが、 同ページによれば、比較的条件の良い金星食は1989年12月2日から実に23年ぶりなのだそうです。 また次の比較的条件のよい金星食は2063年5月31日と何と半世紀も待たねば行けませんので 今回の金星食は見逃したくないですね。
先ずは目安となる地域に拠る発生時間の表を下に引用しましょう。
場所 | 潜入開始時刻 | 出現開始時刻 | 日の出時刻 |
---|---|---|---|
札幌 | 2時47分 | 3時50分 | 4時39分 |
東京 | 2時44分 | 3時29分 | 4時59分 |
福岡 | 2時41分 | 3時27分 | 5時40分 |
那覇 | 2時53分 | 3時00分 | 6時01分 |
何処も日の出前の未だ明け遣らぬ暗い時分になります。 夏のこの時期ですから早いこの時間は涼しくて気持ち好いかも知れません。 夏休み中ですから家族で一緒に早起きするのも好いでしょう。
潜入時から出現時の間は金星は天の岩戸宜しき月の向こう側に隠れてしまいますから この1時間弱は月に張り付いている必要もないでしょう。 金星が月の向こう側に隠れる際も現れる際も凡そ1分ほど時間を掛けるそうです。 詰まりこの2回が観察の機会とされます。 ところで沖縄の那覇では潜入から出現迄の時間が7分と短いの 金星が月を掠めるような感じであるからだそうで、 この周辺地域では総てを連続して見るのも好い感じです。
金環日食や金星の日面通過では観察メガネは必須でしたが、 今回の金星食に特別な道具は必要ないのは嬉しい限り。 周りの星空を脇役にしたヴィーナス主役の天体ショーを肉眼で楽しめる訳です。 ただ双眼鏡や望遠鏡が有ればなお楽しめるそうです。 また撮影も望遠レンズがあれば一層迫力のある写真が撮れるでしょう。 このイベント時及び後には金環日食や日面通過より 多くの皆さんが写した写真がTwitterやSNS、ブログで楽しめることでしょう。 特に食の終了時は正しく ヴィーナス誕生 の瞬間ですのでどんな名作が生まれるか今から楽しみです。
因みに今回の金星食は日面通過と対照的に隠す方が隠される方より、
即ち観測上手前の天体が奥の天体より遥かに大きく見える状態でこれを
- 掩蔽(Wikipedia)