相次ぐ天文ショーも今世紀最後となる金星日面通過が大トリとして
今日本日2012年6月6日に日本全国に向けて繰り広げられます。
詳細をかたむき通信2012年5月21日の記事
金星の太陽面(日面)通過は6月6日~世紀の天体ショー、アンコール
に伝えた遂に当日がやって参りました。
これに先立って繰り広げられた天文ショーは以下でした。
これだけ天文現象の打ち続くのも珍しい機会ですから簡単な比較をして見ました。
先ずはそのメカニズムから、
光の元から先まで左から順番に並べて見ます。
- 金環日食
太陽→月→地球
- 部分月食
太陽→地球→月
- 金星日面通過
太陽→金星→地球
光の源が太陽なのはいつも一緒です。
観測者たる人が居る地球はいつも含まれます。
そしてメカニズム的には今回の金星日面通過は金環日食と同じです。
地球から見る太陽との間に他の星が介入することで太陽が掛けたように見える構造となっているのですね。
従って今回の観察に当たっては金環日食で活躍した日食グラスがまた役に立つ理屈です。
次にその天文現象のレア度が分かる頻度と観測地域を見てみます。
頻度と観測地域を一緒にしたのはこの二者は密接な関係があるからです。
- 金環日食
日食は最低でも年に2回、最多で5回生じる年があります。
例えば21世紀の100年間では合計224回起こりその内訳は以下列挙する処の如くなっています。
- 皆既日食68回
- 金環日食72回
- 金環皆既食7回
- 部分日食77回
かなり頻繁に起こる現象の印象がありますね。
但しこれは地球全体から観測出来ることを考えているからです。
日食は月の影が地球表面を横切る帯状の限られた地域でしか見ることが出来ませんから
頻繁に起こるとは言っても日食を見られる地域は限られている訳です。
5月21日の日食の例を取っても日食自体は日本全国的に観測出来たが
金環日食となると九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方に限られていました。
地球上の1定点で例えば皆既日食が観測可能となるのは300~400年に1回と言われているそうです。
5月21日の金環日食は関西で見られるものとしては282年振りでした。
- 部分月食
月食は起こらない年と起こる年があり、
大凡起こる年では1年間に2回起こるのですが時には3回起こる年もあるそうです。
6月4日の月食は今年ただ1回起こる現象でした。
来年は起こらず次は2014年4月15日の部分日食になります。
しかし同年2014年には2回月食があって2回目の10月8日は皆既月食が見られるそうです。
矢張りポイントは観測地域で月食は月が見える処ならば地球上のどこでも同じく観測出来ます。
従って現象自体は日食より少なくても観測は数年に一度は必ず出来ることになります。
-
- 金星日面通過
これはもう実に稀な現象です。
レア度は最も高くなります。
一生に一度見られれば良い方ですね。
この稀な自然現象は8年をおいて2回対になって起きた後には121年と半年、105年と半年の長い空白期間のある周期を持つそうです。
少しづつ周期のズレはあるもののほぼ6月と12月に限って見られる現象なのですね。
その為か古代文明でも珍重されマヤの予言と関係しているのではないかとも言われています。
実は僅か8年前の2004年6月8日に日本では130年振り、世界的にも122年振りにこの現象が発生したのですが、
残念ながら観測日和とは行きませんでした。
そして本日はそのちょうど8年後に当たる2012年6月6日に機会はやって来ました。
そして次回は105年後の2117年12月11日までこの自然現象は待たねばならないと言うのですから一生に一度のチャンスになる道理です。
最後に現象の起きている継続時間を比較してみましょう。
- 金環日食
観測地域に拠って異なりますが、1分から長くても5分ほどでした。
寝坊したらお仕舞いです。
- 部分月食
月食は最大では6時間ほども継続します。
皆既月食に限っても1時間から1時間半は継続されます。
6月4日の部分月食も2時間ほど継続時間があり、
始まりから最大の欠けまでに1時間ほど掛かりました。
- 金星日面通過
現象が起こる自体は珍しいこの金星の太陽面通過ですが、
太陽面を少し掠めるだけのこともあれば長々と面上にあることもありそうです。
本日の日面通過は日本全国で午前7時頃から午後1時半頃まで続く、ロングランの天文ショーとなります。
こうして比較して見るとそれぞれに特徴が浮かび上がって面白いものだと思いました。
さて本日今世紀最後の稀有な天文ショー、
一生に一度のチャンスはあと数時間で始まります。
それでは存分にお楽しみ下さい。