金星の太陽面(日面)通過は6月6日~世紀の天体ショー、アンコール

世紀の天体ショーと謂われ、 かたむき通信にも2012年5月19日に 5月21日国を挙げての大イベント金環日食~国立天文台HPが分かり易く説明 としてお伝えした 金環日食 は、今日2012年5月21日朝に無事繰り広げられ 多くの人々に感動を運んでくれました。 ネット上にもブログやTwitter、SNSまで、 一般の方から専門家、有名人など織り交ぜ、揺り動かされた心を伝えています。

世紀の天体ショーは実はこれに留まりません。 天体ショーのアンコールの如き自然現象は 何と今年2012年のそれも6月6日と言いますからもう一月もないことになります。 それは 金星の太陽面通過 です。

金星の太陽面通過は日面通過とも言い、 日食と同様に太陽と地球の間を金星が横切ることで太陽が欠けたように見える自然現象です。 いえ欠けると言うよりも穴が開いたと表現した方が良いでしょうか?

例に拠って 国立天文台ホームページ に用意される 金星の太陽面通過 に様々なことが丁寧に解説されています。 このサイトに依れば実は僅か8年前の2004年6月8日に日本では130年振り、 世界的にも122年振りにこの現象が発生したのですが、 残念ながら観測日和とはいかなかったようです。 そして今回8年後の2012年6月6日に何と未だ始まったばかりの21世紀にも関わらず今世紀最後の 金星の太陽面通過 となると言うのです。 しかもです、次回は105年後の2117年12月11日まで、 この自然現象は待たねばならないと言うのですから一生に一度のチャンスになる道理です。

金星の日面通過は実に稀な自然現象で 8年をおいて2回対になって起きた後には121年と半年、105年と半年の長い空白期間があるとのことで、 少しづつ周期のズレはあるものの6月と12月に限って見られる現象だそうです。 その現象の稀さからマヤ文明やその他古代アメリカ文明に於いて言及がなされたそうで マヤの予言などもこの金星の日面通過と関係しているのかも知れません。

恐らくそれら古くの時代から観測され予測もされたのでしょうが、 近代史上初めてこの現象を予測したのが有名なドイツの天文学者 ヨハネス・ケプラー (1571~1630年)で1631年12月7日の現象発生を予測しましたが、 残念ながらこの前年に彼は自ら予測し的中させた減少を観察することなく亡くなってしまいました。 偉大な天文学者の名が挙がったようにこの現象注目の最初は 太陽系の大きさを測定可能性からでした。 勿論今でも宇宙の探索に役立つ情報を得られることは変わりないようです。

金星の日面通過では日食と異なり惑星間の位置関係により 観察される太陽と金星の大きさが極端に異なります。 上に日食では欠けるとした表現があまり相応しくないとしたのもそれに因ります。 さながら月面に浮かぶETのようで、ともすれば見逃してしまうような大きさの違いがありますから 5分程で終了した短期決戦の金環日食とは違って日本全国で6時間半もに渡って観測が可能だとのことです。 チャンスが大いに拡がりますね。 凡そ日本全国で6月6日の午前7時頃から午後1時半頃まで現象は続く、 ロングランの天文ショーアンコールとなります。

日食でもそうでしたが気を付けなければならない観測方法に於いてはこれも国立天文台サイトに 観察方法 が用意されています。 矢張り筆頭は日食メガネになるのですね。

壮大な天体ショーといえどたった5分でお役御免となるかと思われた 金環日食観測の為の 日食眼鏡 がまた役立ってくれそうです。 大事に仕舞っておいて6月6日を楽しみに待ちましょう。

追記(2012年6月6日)

金星の日面通過当日に当たって先日来打ち続いた天文現象との比較記事を配信しました。 今世紀最後金星日面通過は本日6月6日~金環日食、部分月食と比較してみた

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