アキュラホームが国土交通省より建築基準法違反指摘され383件調査中

好事魔多し、 株式会社アキュラホーム は1978年10月創業と建築業界では歴史は浅いながらも自ら2012年5月24日に配信したニュースリリースで アキュラホーム2011年度業績の概況について 売上高18期連続増収、過去最高益を更新! とその好調振りを喧伝したその半月後、6月5日には 当社が建築した準耐火建築物における不適合に関するご報告 と自社製品の欠陥を認めねばならない事態を招いてしまいました。

アキュラホーム社は1978年10月埼玉県にて創業以来、 1986年10月には坪単価21万円の注文住宅を発売するなど 低価格を売りに業績を伸ばして来ました。 5月24日リリースにもある通りこの業界の構造不況と言われる最中にあっても 同社サイト 会社概要 に誇らしげにグラフが掲げられる如く1994年から右肩上がりの売上推移を見せています。

また同社サイトを見ると公報にも長けており、 テレビ新聞など報道から と題されたページを一瞥しても企業活動が紹介された各種メディアのその数は200以上と ここにリストを挙げるのは難しいほどです。

TBS系の がっちりマンデー は企業情報番組としてファンも多い人気番組で、その2009年10月25日の出演に於いては 株cafe♪♪♪最高の人生を見つける場所ブログさんは同日に がっちりマンデー・・・住宅メーカー「アキュラホーム」宮沢俊哉社長 という好意的な記事を寄せています。

そのためか建築業界関係のサイトでも好意的に受け取られているようで 5月24日のリリースは翌日SUUMOジャーナルに 【NEWS】アキュラホーム『~売上高18期連続増収、過去最高益を更新~アキュラホーム2011年度業績の概況』発表 (2019年3月24日現在記事削除確認) として取り上げられていますし、 注文住宅・ハウスメーカー口コミ&評判まとめサイトでは アキュラホームの評判 として良くもないが悪くもない飛び抜けた部分のない標準的なメーカーだか 低コストと商品の分かり易さでこれからの伸びが期待出来るとしています。

しかしながら急転直下昨日2012年6月5日に同社が配信を余儀なくされたニュースリリースの影には 国土交通省からの問題の指摘が有ったのでした。 この国土交通省のプレスリリースが同日6月5日、同省サイト内に (株)アキュラホームが施工した木造住宅(準耐火建築物)における国土交通大臣認定等の不適合施工と対応について として配信されるもので短いので全文を以下に引用します。

 (株)アキュラホームが施工した名古屋市内の木造住宅(準耐火建築物)において、 国土交通大臣認定等の仕様と異なる仕様で施工され、建築基準法違反であることが判明しました。 また、同様の疑いのある383件について、関係特定行政庁で調査をしています。
 国土交通省は、これらの案件について、 特定行政庁で違反が確認されれば、早急に是正措置を講じるように指示しています。

また当事案の詳細も添付資料として以下列挙する処が 資料としてPDFファイルで配信されています。

国土交通省配信の資料別紙を見れば 国土交通大臣認定等の仕様と異なる仕様の具体的な内容 と題される問題施行の具体的な例が挙げられており その一部である 間仕切壁の準耐火構造大臣認定関係 の表部分を以下に引用して見ましょう。

大臣認定仕様不適合施工
1石膏ボードを長さ 40 ㎜以上のスクリューねじで留める。石膏ボードを長さ 28 ㎜のスクリューねじで留めていた。
2下地組で胴縁を施工。下地組で胴縁を施工。
3石膏ボード周辺部は、スクリューねじで留めること。石膏ボードが上端部まで施工されておらず、スクリューねじで留めていなかった。
4石膏ボードは「目すきのないように張る」。石膏ボードの隙間を空けて施工。

これは問題の一例に過ぎませんが 素人目に見ても深刻な事態であることが覗えます。 これを見た施主さん達はどう思うでしょうか?

まだ国土交通省の言う関係特定行政庁での調査結果は出ていませんが 調査案件は383件にも上っており、その都道府県別内訳は 東京都(226)、神奈川県(42)、大阪府(42)、埼玉県(23)、兵庫県(23)、 愛知県(10)、広島県(3)、千葉県(2)、調査中(12)と、 実に広域に跨っているのが同省より公表されています。

惜しむらくはこれがアキュラホーム社自らが発信したものでなく 所轄官庁からのお達しで余儀なくされて初めて公表されたものであったということでしょう。

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