遊牧民の原意から外出先にモバイル環境を持参してデジタルワークする意で
此のWiMAX規格を用いた UQ WiMAX サービスの、開始当初こそ普及に苦戦したものの、 その性能の高さから口コミで評判が広がり遂に300万契約突破となりました。 UQコミュニケーションズが2012年7月17日付けのプレスリリース[※1] に配信するものです。
WiMAXの性能の高さは Acenumber Technical Issues ブログに以下列挙する処の如く、 2012年7月現在、カテゴリーを3つ (2013年12月25日に新機種発売に伴い WM3800R カテゴリーが追加され、4カテゴリーとなっています。) 設けるなどもして伝えている処です。
また「らばQ」では昨日2012年7月17日に配信した記事[※2] に、その性能の高さからモバイル環境だけでなく 自宅でも充分使えるものであることをレポートしています。
モバイル環境では携帯キャリアのスピードを前提に意識しますから 多少接続速度が遅くとも人は我慢出来るものですが、 一度家庭に戻れば有線による高速接続に馴れており 遅いインターネット環境には耐えられません。 これを満足させ得る性能がWiMAXに於いて提供されていることを示す記事です。
WiMAX契約数については商用サービスの開始が2009年7月、 累計100万契約突破が2011年6月ですから1年11ヶ月、 累計200万契約が2012年2月ですから8ヶ月、 そして今回2012年7月に累計300万契約に掛かった時間が5ヶ月と、 100万契約毎の達成スピードが加速度的に伸びているのが分かります。
WiMAXは性能の高い接続環境を提供しますがその弱点が接続地域の狭さでした。 それも今は2012年6月時点で全国人口カバー率90%をクリアし、 これは携帯キャリアと比較すればまだまだとはいうものの、 WiMAXルータ端末の性能向上でこの弱点を補って来てもいます。 これについては Acenumber Technical Issues ブログの2012年1月25日の記事 人気のWiMAXモバイルルータNEC Aterm後継機種WM3600R登場 の中に項目立てる 出力の比較 で新機種が前機種の2倍のパワーアップを図られている事実からも明確です。
このように弱点を補いつつ成長を続けるWiMAXが モバイルだけで無く家庭内でも有線に置き換えられるとなれば 今年2012年以内に何処まで契約数を伸ばすのか実に楽しみになって来ました。
追記(2019年7月19日)
格安スマホをキーワードに盛り上がりを見せたMVNO市場には、 スマホ市場に新興勢力が群雄割拠するのを放っておく手は無しと、 ドコモこそ独占禁止法などで連携の思わしくない OCNモバイル には忸怩たる思いのあるだろうものの、 ソフトバンクは2014年6月1日に ワイモバイル で、 auは2015年12月18日に UQモバイル でと大手3キャリアがそれぞれの回線にそれぞれのサブブランドで参入を果たし気勢を上げました。 此のUQモバイルを運営するのがauのグループ企業のUQコミュニケーションズ社であり、 即ち、本記事配信時に展開していたUQ WiMAX事業に加え、UQモバイル事業を運営する事情となったのでした。 両サービスを並列して運営すれば連携サービスの展開も可能となって +WiMAX などのサービスも提供されるようになりました。 また2013年10月31日からは同社では次世代WiMAX規格を提供する WiMAX2+ サービスも開始[※3] しています。
此の様にWiMAXサービスを取り巻く環境が大きく変化しつつ、 UQ WiMAXユーザー数は2014年3月期第2四半期迄伸び、 次期2014年3月期第3四半期には減少に転じた[※4] ものの其れも提供サービスの変化に因る一時的な現象で、 此の時点でも400万を優に超える契約数にて本記事配信時から100万契約以上増加しており、 以降もUQコミュニケーションズ社のユーザー数は伸びて行けば、 2016年7月20日にはUQ WiMAX累計契約数は2,000万件を突破[※5] しました。 但し、UQコミュニケーションズ社は、2013年10月に電気通信事業者協会(TCA)の契約実績発表から離脱し、 またWiMAX2+の契約数実績については非公開の方針を取った為、 純粋な初代WiMAX規格の利用者数は測り兼ねる状況となって行きます。
斯く事情を以て純粋なWiMAXの契約者数は知り兼ねる処となり、 規格も新規WiMAX2+に順次置き換えられて、初期規格の無印WiMAX利用者は逓減しているであろう中、 遂に2018年9月3日付けのKDDIの正式なプレスリリース[※6] で2020年3月31日にWiMAXサービスを終了する予告の告知がなされました。 各社が競い合う中にも現在MVNO市場全体に頭打ち感の出る中、 UQモバイルの勢いは止まらない様子が今年2019年6月13日に新しくUQコミュニケーションズの社長に就任した 菅隆志 氏のインタビュー記事[※7] に見て取れますが、其の主力はUQモバイルサービスであるのが垣間見えます。 また同記事には新社長の今後の舵取りの方針も見て取れる中に、 確りとモバイルルーターに加えホームルーターとしての役割を増したWiMAXが語られ、セット割引などでUQモバイルを補完して相乗効果を齎している状況も見て取れます。 但し、現在の端末の主力は勿論、新規格を採用した WiMAX2+であるのは間違いありません。 無線を以てネット回線のラストワンマイルに多大な貢献を果たし、 UQコミュニケーションズ快進撃の下支えをして漸く、 初代WiMAX規格も来年2020年に其の役目を終えます。
参考URL(※)- UQ WiMAXサービス 300万契約突破について―お客様によりご満足いただけるモバイル・インターネットを目指して―(UQコミュニケーションズ:2012年7月17日)
- WiMAXは本当に家でも使える性能なのか…ハードな使い方で検証してみました(らばQ:2012年7月17日)
- 超速モバイルネット「WiMAX 2+」の提供開始および取扱MVNOについて(UQコミュニケーションズ:2013年10月30日)
- UQ WiMAX契約者数、2014年度第3四半期実績で減少へ(ITmedia Mobile:2014年1月31日)
- UQ WiMAXサービスの累計契約数が2,000万件を突破(UQコミュニケーションズ:2016年7月20日)
- UQ WiMAXサービスの提供終了に伴う、関連サービス終了のお知らせ(KDDI株式会社:2018年9月3日)
- 勢いを加速させるUQ mobile、分離プランの影響は? 菅隆志新社長に聞く(ITmedia Mobile:2019年7月17日)