野生のトキ芽出度く8羽皆巣立ち環境省がレッドリスト見直しへ

放鳥されたトキの間に雛が生まれたことを伝えたのが かたむき通信では2012年4月23日の記事 36年振り日本産野生トキ誕生を環境省小型カメラが確認、わく地元と関係者 にて、それより一月ほども経てば そろそろ雛も育って巣立ちを迎えようというものです。 孵化の確認は2012年4月22日、最初の雛がそろそろと巣から外界へと一歩踏み出したのは 2012年5月25日の確認でした。

47NEWSの2012年6月7日のニュースに ひな1羽が巣から落下か トキ、予定外で親離れ (2019年5月28日現在記事削除確認)と伝えられるように自力で巣に戻れず その安否の気遣われた1羽も立派に巣立ちが伝えられ、 既に孵化より2ヶ月を経れば3組の番いから生まれた 8羽の雛も全て巣立ちを迎えることとなり、6月21日には皆巣から飛び立った勘定だそうです。 実に芽出度い!

この報により環境庁ではレッドリストの見直しをする旨、 産経ニュースの2012年6月24日の記事 トキ「野生絶滅種」返上へ ひな巣立ち1カ月、環境省見直し検討 (2019年5月28日現在ドメイン停止確認)に伝えられます。

レッドリスト とは WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)レッドリストについてICNU(国際自然保護連合) の策定した絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト、とあります。 この評価基準に基いて日本の環境省も日本独自のレッドリストを作成しており、 これが今回見直される訳ですね。

そこで環境省のホームページ内に鳥類のレッドリストを探してみました。 該当する内、最も最新と思われるページが 平成18年(2006年)12月22日付けの報道資料 鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物のレッドリストの見直しについて です。 此処には 資料1 として レッドリスト   鳥類 なるPDFファイルへのリンクが貼られており、其処にカテゴライズされているのは以下になります。

  • 絶滅(EX)
  • 野生絶滅(EW)
  • 絶滅危惧IA類(CR)
  • 絶滅危惧IB類(EN)
  • 絶滅危惧II類(VU)
  • 準絶滅危惧(NT)
  • 情報不足(DD)
  • 絶滅のおそれのある地域個体群(LP)

此処に 野生絶滅 の中にカテゴライズされるのは現在トキのみですが、 野生の雛が8羽巣立ちした今、これを1段階下げた 絶滅危惧IA類 に直す措置を環境省は検討する訳です。 これと全く同じか如何か照合はしていませんが、 レッドリスト   鳥類 としてPDFではなく見易いHTMLページが用意されていましたので 参考の為にリンクを貼っておきます。

更にこのページからは 別紙   表1 としてカテゴライズの意味する処の表へリンクが貼られています。 また産経ニュース記事のレッドリストの用語解説が分かり易いので以下に引用します。

国内で絶滅の恐れがある3000種以上の動植物を分類したリスト。 すでに絶滅した「絶滅種」、野生で絶滅し、人の飼育下で生存している「野生絶滅種」、 絶滅の恐れが高い「絶滅危惧IA・B類」など8ランクに分類される。 鳥類では評価対象約700種のうち約13%の92種が絶滅の恐れがあるとされる。 野生絶滅種が野生復帰した例は珍しく、トキの分類が見直されれば、鳥類では初となる。

さて今回環境省のレッドリストを見ようとしたのですが、 有態に言えば環境省のホームページは出来が悪く、 全く欲しい情報にアクセス出来ません。 レッドリストはICNUに準拠しようと最終的には自ら策定しているのですから、 ホームページ上では然るべき動線が取られているべきです。 しかし実際は報道発表資料としてWeb領域内に散逸しているため 望む時系列などでアクセスしようとしても儘なりません。 環境省のホームページの環境は最悪と言って過言でないでしょう。 レッドリストに載せたいくらいです。 是非とも改善の望まれる処です。

これに替えてと言う訳ではありませんが、 Wikipediaには見事に情報が索引化されています。 レッドリスト >> 環境省レッドリスト 項目内の下方に位置する 各環境省レッドリストへのリンク がそれです。 研究の参考などには此方から参照し下調べの後、 検索で環境省内を探すのがお薦めです。

追記(2012年12月19日)

トキとの共生が図られる新潟県佐渡市の試みについて 復活トキを守る佐渡認証米 を配信しました。

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