ことの発端はまた虚構新聞でした。 また、と言うのも立上げから日の浅いかたむき通信にも2012年3月17日に 人気お笑いコンビナインティナインも騙された虚構新聞 にその虚構報道に釣り上げられた様子をお伝えしたばかりだからです。
当該記事では 虚構新聞 についての概略を説明すると共に 人気お笑いコンビのナイナイがまんまと引っ掛かってしまった顛末をお伝えしました。 その報道とは 和式便器の生産終了 318年の歴史に幕(これは嘘ニュースです) (括弧内は文字色による隠し字)と言う捏造情報(2019年2月25日現在記事削除確認)で まったくナイナイにピッタリなネタであることに上手く出来過ぎの感もありますが、 ナイナイがこの情報を受け取ったのはラジオリスナーからの投稿で 信じてしまうのも無理からぬところがありました。 しかし公共の電波で嘘情報を恰も真実であるが如きに拡散したとして謝罪して 一件落着した、いう状況でした。
因みにインターネット上のホームページやブログ、ニュースなどで、 嘘、若しくは誇大な表現を以て閲覧者を引き寄せ アクセスアップを図ることを 釣る と称します。 2チャンネル辺りでの発祥のようで 閲覧者を魚に例えて多く引き寄せれば大漁と相成りますから 些か趣味の悪い感じもしますが、 中には釣り記事と承知で敢えて自ら釣られてブログ記事にし、 以てアクセスアップする猛者も存在しますから 馴れない方にはなかなかインターネットは 魑魅魍魎の跋扈する世界に受け取られかねないでしょうね。
さて今回また虚構新聞の大漁として話題になった記事が 橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化(これは嘘ニュースです) です。 一瞥してまさか?とは思うのですが 有り得ない事ではない、と再度思わしめるのが 虚構新聞主筆の 滋賀県在住の塾講師のUKさん の筆力を以てこそなし得る業と言うものでしょう。
そして盛大に釣り上げられた証拠の魚拓がネット上にはまた存在するんです。 因みに此処で 魚拓 と言うのは何も釣りに合わせたのではなく、 うつろい易いインターネット上の情報を別ページにコピーして保存しておくものを指し、 最近では togetter や NAVER などがまとめサイトとして有名ですが魚拓を提供することでも機能しています。
そして今回の一件も確りまとめられ釣果が魚拓として残っているのですが、 その一つが2012年05月14日の 虚構新聞の偽記事「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」にだまされて怒ってる人たち と題されたまとめになります。 矢張りこの一件はブログにされる迄もなく、 お手軽に意見表明できるtwitterが使われているようで、 まとめ記事のソースは全てtwitterのものとなっています。
まとめ主の yousukezan さんは 偽記事にたくさんの人が釣り上げられています。情報の出所を確認したいものですね。 とコメントをしていますね。
虚構新聞に掛かればその迫真のネタ力を以て偶に 瓢箪から駒で、記事が本当に化けてしまうことが有り、 主筆UKさんが 虚構が事実になってしまったのは遺憾である などとコメントするくらいであることはナイナイの記事にも記しました。 100%嘘であると言えなくなってしまうのが歯痒いようですね。 ナイナイの件でもそうでしたが 釣られた方には或る種、同情を禁じ得ないのは そんな事情が有るからです。
インターネット上の情報は玉石混交であり、 混沌とした中から真実の情報を選り分けることこそ、 これからの情報化社会に必須のスキルとは屡言われる処です。 情報の真偽を見分けられない方を最近では情報弱者を略し 情弱 と揶揄する向きもありますが、 虚構新聞の様な破壊力のある嘘ニュースが定期的な配信されると 一概に騙される方が悪いとは言い切れない感も有ります。 …正直騙されない自信がない(笑)。
今回の件がこれだけ広く流布したのは 恐らくネタの中心となる橋本徹現大阪市長の注目度が高いことがあるでしょう。 頃日は橋本市長の手法を強引が過ぎる独裁だとしてファシズムを捩った ハシズム と称し批判する面々も居る反対には、 橋本市長を擁護する面々、擁護はしないにしろ批判側と意見を異にする面々が存在し、 今回の小中学生Twitter強制案件はその対立構造に上手く嵌るネタだったとも言えるでしょう。
ただ、これに騙されたことを契機にハシズム批判派の方々に拠る 虚構新聞批判の狼煙が上げられることだけは避けられるべく願いたく思います。 虚構新聞は時には面白く時には破壊力を持つ特異なインターネット上のコンテンツだと思います。 時には情報化社会に於ける情報の質と取扱いのリトマス試験紙となるべき機能さえ有すように思います。 これを失うよりは包含出来る社会の方が偏に望ましいと思うからです。