ZENITH のWebサイトは今時珍しい古めかしいオールフラッシュのものであるのが残念ですが、 この自動巻きで動作する昔ながらの高級腕時計ブランドのサイトに要請されるイメージを満たすには 今の処これ以外の方法が考えられなかったのでしょう。 同ブランドに似つかわしいWebサイトを構築するのは現状のWeb技術にはなかなかの難題です。
ZENITH(ゼニス)は 1865 年にジョルジュ・ファーブル=ジャコに依り創業されたとあり、 2012年の今を去ること147年、一世紀半もの歴史を有すことになります。 これだけの年月を生きながら得る組織自体が世には珍しい中、 時計業界ではありふれたことなのでしょうか、 現在もなお創立者が最初に工房を築いた場所に位置していることが誇らしげに語られます。
その歴史を公式サイトから拾い上げてみましょう。
マニュファクチュールとはWikipedia:マニュファクチュール に依れば時計業界でムーブメント(時計の機械)から自社一貫製造するメーカーを指す業界用語だそうです。 逆にムーブメント・メーカーからムーブメントを購入して時計を製造するエタブリスールと言います。 マニュファクチュールであることは高度で幅広い技術を持っている証明とされ、 以下が名前を挙げられています。
1984年の シャルル・ベルモの勇気ある行動 とは Wikipedia:ゼニス(時計) に依れば1970年に時計業界を襲ったクォーツショックで経営危機に陥ったゼニスが米国企業に買収された際、 機械式時計の製造を停止し図面や金型の破棄が命じられたものを 当時の技術者シャルル・ベルモ(Charles Vermot)氏が命に背いて 図面や金型を靴箱にしまった上、工場の屋根裏に隠蔽した事実を指すのでしょう。 そのお陰で1978年にスイス資本に復帰したその後の1984年のエル・プリメロ再生産に繋がった訳ですね。
シャルル・ベルモ氏の一件には時計業界に於けるクォーツ時計の登場の衝撃が 機械式時計の終焉を告げたと思われた時代の世相を感じさせます。 誰が当時、今のように機械式の自動巻時計が珍重されると思ったでしょう。 今やゼニスの公式サイトでは誇らしげに ゼニスの時計を一つ作るのに9ヶ月かかります。 と語られます。
9ヶ月の間には80もの職種に携わる技術者があらん限りの知恵と才能を製品に注ぎ込みます。 それは科学、工学から芸術迄、実に多岐に渡る技術の結晶です。 こうした限りない拘りが所有者の充足感を溢れんばかりに満たすのでしょう。
ゼニスではYouTubeに独自チャンネル
ZENITH WATCHES
を持って動画を積極的にアップしているようです。
ファンには嬉しい配慮ですね。
その内の一つZENITH Manufacture Movieをこの下にシェアしておきます。
[追記(2015年4月20日)]
追記(2013年5月9日)
Zenithの日本語表記、発音について かつてゼニス(Zenith)はゼニットと呼ばれていた を配信しました。 また冒頭Webサイト手法の件に関しても現在は改善されています。
追記(2015年4月20日)
動画がチャンネルから外されていましたので El Primero Tourbillon に変更しました。
使用写真- FELIX BAUMGARTNER AND ZENITH WATCHES HIGH ALTITUDE BALLOON JUMP ADVERT AT ZURICH KLOTEN AIRPORT SWITZERLAND JAN 2014( photo credit: calflier001 via Flickr cc)