電子ノートWG-N10発表~矢張りシャープは駄目かも知れない

IGZO技術を用いれば若しやこの苦しい状況も乗り切れるのではないか[K1] と希望を持ちながら記事を幾つかかたむき通信にもものした シャープ株式会社 ですが、どうにもいけません。 申し訳ない書き様になりますが、若しかしたらシャープはもう駄目かも知れません。 それと言うのも一昨日2012年12月18日に発表された新製品が 箸にも棒にも掛からないような製品に見えるからです。 その製品は 電子ノートWG-N10 (2019年4月29日現在記事削除確認)です。

Sharp

何故このような自傷行為にも見える製品の出荷が経営陣から了承されたのか分かりませんが 来年早々2013年1月18日の発売がアナウンスされ、 その価格はオープンプライスとされている中に予測される店頭価格は 1万5,000円程とされています。 其の形はまるで iPad mini のようですが、 性能は勿論比較する次元にはありません。 なんとなれば割り切ったと言えば聞こえは良いのですが 出来るのはお粗末な液晶へ描かれた描画データを保存するのみのWG-N10の機能と並べれば iPad miniは万能に見えるほどの性能差があるからです。

未だiPad miniとは価格差がありますから良しとするにせよ、 同価格帯にはアマゾンが満を持し放った端末で今人気となっている Kindel Fire HD 16GB と直接競合するものです。 更にKindleファミリーには低価格帯のラインナップ[K2] が揃えられてもいます。 もう少し頑張ればメモリの増えた32GBモデルもありますし、 この価格帯にはGoogle社の Nexus 7 も控えている[K3[ のでした。 このレベルの端末はiPad miniの座を狙わんとする万能端末でもあります。

価格帯を落としてみれば電子書籍の単能機が勢揃いし、 上に記したKindleファミリーを始め、 問題発生やその対応への批判はあったものの確実に多くの人の手へ渡った楽天社の kobo Touch[K4] がありました。 他にも国内外取り混ぜ電子書籍端末は百花繚乱です。

さてそのWG-N10の主機能であるメモ機能に於いて見回してみれば 割り切りと言えばこれ程割り切った商品もないと言うコンセプトが屡々話題を呼ぶ キングジム(KINGJIM)マメモ が有ります。 テプラ は印字できるテープ、 ポメラ は携帯ワープロ、 と共に単機能に絞り好評を博しているのと同じく電子手書きメモに機能を絞った マメモは画面タッチで直ぐに使えるような、これもキングジムらしい工夫で人気です。 これは2010年8月6日に発売されており物欲番長の スタパ斎藤 さんなど発売前、8月3日のスタパビジョンの第53回に キングジム「マメモ TM1」 として取り上げていますね。 みのり先生がお絵描きするお手軽さも印象的です。

勿論画面サイズは小さなものですがこれも割り切り、そしてお値段は この時表示されたメーカー希望価格で6,279円、 しかしスタパさんも時折キングジム製品の恒例としての値下げもあって 2012年12月20日の今日現在ではアマゾンでは新品を2,800円で扱っている処も見えます。 シャープがWG-N10に託した拘りは未だに強いニーズを持つ 紙ノートの代替品であると言うのは分からないでもありませんが、 キングジムの製品ほどの割り切りは其処には感じられない中途半端なものです。

液晶のシャープと言うその電子ノートならば主要な部分となる液晶は しかし縦横が800ドット×600ドットと凡そ気の利いたスマートフォン並みの解像度に留まります。 その液晶の大きさは6インチでバックライトのないモノクロ16階調反射型液晶では お世辞にも高品質とは言い兼ね、こんな処だけは割り切ったか、と感じざるを得ません。

そして最も面白からぬのはその入力方式にてこの液晶パネルは 感圧式 であると言います。 タッチパネルについてはかたむき通信にも実に興味ある処で調べた旨、記事にしました[K5] が数ある方式にも感圧方式はコストも精度も低い銀行のATMなどに使われる方式です。 従って細かい作業に向くものではありませんし筆圧検地も難しいですから これも割り切ったと言えば聞こえは良いですが 到底グラッフィッカー御用達のツールとは成り得ないものです。 因ってペンの太さも太、中、細の3サイズにマーカーを加えただけのものとなります。 先ずは絵描きからは見向きもされない使用と謂って差し支えありません。

望むらくはもう少し、其れこそNexus 7やKindle Fire HD 32GB程度に値が上がっても良いですから、 かたむき通信に折に触れ取り上げる Galaxy Note[K6] の如くワコム社の得意とする 電磁誘導方式[K5] を採用し、しかし余計な機能を付けず、モノクロながらももう少し程度の良い液晶の 製品としたならそれこそ拘りの割り切り商品となって 或る程度の支持は受けたのだろうと思うのです。

今の処、ネットを見回せばシャープ社の2012年12月18日付けのリリース[※1] に添うだけの提灯記事しか見られないようですが 孰れ製品処かシャープ社への失望の声が溢れるのではないかと思われてなりません。 何とか周りの見えるようになって欲しいシャープ社ではありますが、 正直こうなってしまったら見込みの有るIGZO技術を切り離して別組織とし、 シャープ自体は一度リセットした方が良いのではないかとさえ思えて来ました。

追記(2012年12月27日)

シャープ社への特に電子ノートを描画ガジェットへと進化させるべく IGZO液晶搭載の期待を込めて シャープ虎の子技術IGZOとは何か?復習してみる を配信しました。

追記(2019年4月28日)

シャープ社の第5世代IGZO技術開発の公表を受け、本ブログ2012年12月27日の記事 シャープ虎の子技術IGZOとは何か?復習してみる に、シャープ社の復活、技術の概要、既発売の適用製品、有機ELディスプレイへの応用、などを追記しました。

使用写真
  1. Sharp( photo credit: Matt Watts via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. AQUOS PHONE ZETA SH-02E~シャープ株価低迷を跳ね返す起爆剤(2012年10月11日)
  2. Kindle漸く日本上陸し新発表のiPad miniと価格帯を補完し合う(2012年10月25日)
  3. GoogleがNexus 7を意欲的な価格設定で投入しタブレット市場は愈々激戦区に(2012年6月28日)
  4. 楽天koboを成功と見做せる2つの理由(2012年8月8日)
  5. タッチパネルに於ける静電容量方式と電磁誘導方式の違い~ワコムCintiqとGalaxy Note(SC-05D)(2012年7月15日)
  6. 日本デビュー間近 GALAXY Note II SC-02E~進化したエスペン(2012年10月9日)
参考URL(※)
  1. 電子ノート<WG-N10>を発売(シャープ:ニュースリリース:2012年12月18日)
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