WWDC 2012で発表された最新ノートMACに搭載されるIvy Bridgeとは?

盛大に催されたアップル社主催の WWDC(Worldwide Developers Conference) は世界開発者会議と訳せる毎年1回開催の世界中の技術者に向けた最新技術説明会です。 今年2012年は日本時間で本日6月12日の未明に開かれました。

主な発表事項は以下にまとめられるでしょうか?

  • MacBook Pro
  • MacBook Air
  • Mountain Lion
  • iOS 6
盛り沢山な項目で基調講演の時間が少し短いのではないかと言う声も有ったようですね。 WWDC 2012の様子は以下リンク先が詳しくて分かり易く出来ています。

何と言っても多くの方の耳目を集めたのは Retinaディスプレイ搭載の MacBook Pro であったようです。 Retinaディスプレイについてはかたむき通信にも2012年6月2日の記事 シャープ新IGZOにiPhone5新Retinaディスプレイの可能性 に伝えた処ですが、画面が精細になると単に綺麗に見えるに留まらない効果があるとする感想がネット上には飛び交っています。

もう一つ発表されたのが MacBook Air でした。 此方は大きなインパクトのある改変はなくとも着実な進歩を遂げたように思います。

さてこの新2機種に加えられた新仕様にはある共通点があります。 それが Ivy Bridge の搭載です。 2機種とも旧モデルには Sandy Bridge が搭載されていました。 それが置換されたわけです。

ではIvy Bridgeとは何なのでしょうか? これはパーソナルコンピュータの心臓部とも言えるCPUのことです。 CPUメーカーで有名なインテル社ではその主力製品に core(コア) ブランドを冠していますが、この第2世代がSandy Bridgeであり、 最新の第3世代こそがIvy Bridgeと呼ばれるものです。 アップル社のノートPCの心臓部は共に新世代に切り替えられた訳ですね。

半導体メーカーインテル社の新しい主力製品となるべき運命を担ったIvy Bridgeには 以下の2つの特徴が有ります。

  1. 従来より微細な22nmの製造プロセスでの生産
  2. 立体的集積技術トライゲートの導入

前者では製造プロセスが微細化することで集積度が上がります。 すると同面積に於ける搭載トランジスタ数は増え、 取り扱うビット量も取り扱えるデータ量も増大し、 一括処理時間効率化が上がり、 更には高度な処理を可能とするアーキテクチャが採用出来ます。 高性能化には欠かせない技術が採用されていることになる訳です。

また微細化に依って動作周波数の向上が見込めます。 これも高性能化に寄与しますが同時に微細化では消費電力及び発熱の低減も見込めます。 これは現在のCPUには欠かせない要素です。 これ等微細化による様々なメリットで 新モデルの高性能でありながら省電力と言う魅力的な仕様が満たされています。

後者の立体的集積技術は前者の特徴をより広げてくれる技術となっています。 この技術に関してはインテル社のIvy Bridge発表時2011年5月5日のプレスリリース インテル コーポレーション、3 次元構造を採用した新型トランジスターを実用化へ に詳細があります。

ここには当該技術は物理的な限界を懸念されるムーアの法則も これを以て払拭せんとするインテル社の意気込みが見えるものとなっています。 3次元トライゲート・トランジスターを以てしてトランジスターの再発明とまで主張しています。 この技術を例えて都市設計に於ける高層ビルとしているのが分かり易いですね。

更にPC Watchではインテル社のプレスリリースと同日 Intel、3次元トライゲートトランジスタ製造技術を確立 ~22nm世代のIvy Bridgeで採用 を配信して図入りで解説しています。 多少敷居は高いですが興味のある方はインテル社のリリースともどもご参照下さい。

そして遂にこの画期的なCPUが量産品として、 それもアップル社の魅力的なノートPCとして、 吾人の手元に届くことになったことが 今日本日のWWDC 2012で明らかになったのです。

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