マイクロソフト社が広告事業に足を取られまさかの赤字転落

財務的な基盤は絶対的と思われていた Microsoftマイクロソフト 社のまさか、まさかの赤字を各メディアが挙って伝える状況となっています。

赤字と言っても4月~6月の四半期に限ってのことなのですが、 これが1986年上場以来初の最終赤字と言うのですからにメディアに 転落 の二文字が大きく踊るのも致し方ないでしょう。

ただこの赤字の原因ははっきりしており、 主要業務は従来通り堅調な業績を上げていますから、 足を引っ張る不良事業を不採算部門と自らはっきり認めたことで 市場からはかえって好評を得ているようです。

ロイターや読売新聞、東京新聞など多くのメディアが赤字を伝える中、 その原因を特定して伝えるのがNHKと日経新聞で、それ等に依れば 2007年にマイクロソフト社が買収した アクアンティブ 社ののれん代62億米ドル、2012年7月現在日本円換算で4,876億円ほどを減損処理し、 これが赤字となった四半期の利益を相殺してしまったとのことで、 最終損益が約5億米ドル、日本円換算で約390億円に落ち着いたという事情です。

実はこのアクアンティブ社とはインターネット広告企業であるのでした。 IT業界の覇者として長く君臨したマイクロソフト社の地位を 2000年代中盤から脅かし始めたのが進境著しいGoogle社であり、 同社は検索エンジンをコアコンピタンスとするインターネット出自の企業で その収益の大部分をインターネット広告に負っていました。

如何どう見てもGoogle社に対抗すべくマイクロソフト社は インターネット広告事業に進出したとしか思えません。 しかし残念ながら同社がインターネットの普及に大きく貢献したのは確かながら、 それ故にインターネット出自とはなり得ず上手く適応出来ずにいたのは周知の事実です。 様々なインターネットに関する施策は悉く上手く運んでいません。 その一つがインターネット広告であったのでした。

マイクロソフト社へのインターネットへの執着は些か 周囲の熱狂に己を見失っていた感もあり、常軌を逸していた感があります。 IT企業としてインターネットに関わらざるを得ないのは前提として勿論ですが その関わり方としての広告事業は決して同社の本分ではなく、 今回その事実を突きつけられ、自ら認める潔さを示したと言う訳です。

さて本社の確固たる主業務のOS事業に於いて新OS、 Windows8 が近く正式に世に送り出される予定でいます。 同社の影響力からシェアの過半数を約束された商品と言えるでしょう。 これを武器にスマートフォン事業、タブレット事業と、 ゲーム機に続いてのハードウェア事業に軸足を乗せんとする マイクロソフト社の方針は吉とでるでしょうか、 今回の広告事業のように凶と出るでしょうか?

スポンサー
スポンサー

この記事をシェアする