ドイツの森に20km以上と言う長大なコースレイアウトを有する
内燃機関を有する自動車はドイツに最初に実用化されると共に 人々はその自動車の速さを競い合いました。 モータスポーツの始まりです。 無鉄砲な男達がスピードを争うのに辺り構わないのは余りにも危険だったでしょう、 現在でもマン島やモナコでは公道を閉鎖してレースが催されますが、 その危険性は度々俎上に上る処でもあります。 こうして完全な閉じた競争空間、レース専用のクローズドサーキットとして誕生したのが ニュルブルクリンクであり、1927年のことでした。
それでも公道レースとクローズドサーキットの端境期に産まれただけあってか 直ぐにも有料道路として一般にも開放されたようです。 その伝統は今に至るも生きており、 世界中のあらゆるメーカーはニュルブルクリンクで新型車のテストを行いますし 今も一般に開放されています。
一般にも開放されるコースであり更にはその長大さから なかなか全てに手入れが行き届かないとなればサーキットとしては厳しい条件のものになりますが、 今以てニュルブルクリンク24時間レースと言う 世界の自動車メーカーが競う最高の場としても機能しています。 その安全面から近年ではコースの一部のみを用いる世界最速を競うF1レースも 以前は長大な全コースを使って争われていました。
破産の要因には複合観光施設として運営しようと言う経営方針や 支援期間との調整の難航なども伝えられますが、 矢張りそのコースの長大さも一つ問題となっているようです。 なんとなればその全面改修には凡そとんでもない金額が必要とされます。 これが多額の借入れを発生させる引き金の一つともなってしまったようです。
この歴史の生き証人とも言えるサーキットが今回破産の憂き目にあってしまったのは 返す返すも残念で、そう思う人々は多いのでしょう、 オートスポーツWebの2012年7月21日の記事[※2] には何とか救いの手を差し伸べようとの呼び掛けがされているのを見て取れます。
その維持は困難を伴うとは言え純粋なクローズドサーキットとして設計されたコースが 大変な距離を有するのは実に魅力有る事象でしょう。 出来得ればそのサーキット然とした姿を長く留めて欲しいように思います。
因みに余談ですが上の動画に映されているこれ、 最新式のゲームマシン…と言うには高価なのでシミュレーターと呼んだ方が良いのでしょうが、 後半では森の中のドライブシーンが演出されていますね。 ニュルブルクリンクが意識されているような気もしました。
追記(2015年3月21日)
本日
追記(2019年6月26日)
前段、2015年3月21日の追記でエクレストン氏との交渉も不調に終わったのは、
傍点部にあるニュルブルクリンクサーキットの新オーナーが未だ経営権を得て期間を経ていなかっただからかも知れません。
経営難のニュルブルクリンクを1億ユーロ(2019年6月26日現在、日本円で約122億円)で買収支援したのは、
ドイツの自動車部品メーカー、
下の動画では華音さんが歩きながら見せてくれる画面にはジェットコースターも映し出され、 車に興味がない人でも楽しめる施設の用意があるのも伝えられ、 当日はツーリストライドに当たり、誰でも自分の車で好きに走ることが出来る日とて、 マクラーレン540C のハンドルを自ら握っているのでした。 但し、いくら運転が好きでも一般ドライバーに留まれば、 ナビシートにはコースを教えてくれたりする専門家たるお兄さんも同乗しています。 聞けばお兄さんは2017年のニュルブルクリンク24時間耐久レースにBMWを駆ったチャンピオンとやら、 働き始めて三年のお兄さんのお仕事は此のように同乗したり、勿論自ら運転したり、 たまには修理もするのだそうです。
誰でも走れるニュルブルクリンクは平日は一周25ユーロ(約3千円ちょい)で、
金、土、日曜日には30ユーロ(約4千円)で走れるのだと、
華音さんは一般走行メニューも紹介してくれています。
走れる車の制限はないそうで、中には観光バスや何故か荷物運搬用のバンなどもスポーツ走行を楽しんでいるのだと伝えてくれます。
また、ニュルブルクリンクはレースだけでなく、音楽のフェスティバルや自転車走行のスポーツイベントの会場としても使われているのだそうで、
新オーナーの元、逞しく稼いでいる様子も伺えるのでした。
ツーリストライドならぬ日にはプロドライバーに運転を任せ、
レーシングスピードを体感も出来るとあって、
下の動画では華音さんはプロドライバーのおじさんの操る
ポルシェ911GT3RS
のナビシートに身を沈めます。
ニュルのコースの説明付きでコースを猛スピードで走行する中、
何故かうら若き華音さんが一番好きなレーサーと言う頃日亡くなった
今度は車を マクラーレン720S に変えたのが下の動画です。 ヘルメット装着ですから凡そ異次元のレーシングスピードでニュルブルクリンクを駆け巡るのですが、 最も速度の乗る直線ではスピードメーターが 273km を超えて遂には計測不能の 0 表示を示すのは驚きです。
ドライバーのお話ではニュルブルクリンクでは日本人が日本からマイカーを持ち込んでのイベント開催もあったらしく、 此れなど歴史あるブランドを活かした商魂逞しさの発揮の一面とも取れるのではないでしょうか。 ところが華音さんが欧州仕様の電源で日本での使用には難の有るも面白がって購入したのはでっかいトースターで、 何でこんなアイテムを売ってるのか買った当人の華音さんも不思議がるくらいなので、 嘗ての苦い経験を再び招かぬようお土産コーナーは手直しした方が良いのかも知れません。
他にも
- Nürburgring, Germany 1960( photo credit: ╚ SεΣ ╤hi∩Gs DiƒFerεNT└y ╗ via Flickr cc)
- ニュルブルクリンク、破産(AUTOCAR Japan:2012年7月21日)
- 「ニュルブルクリンクを救おう」署名活動展開中(オートスポーツWeb:2012年7月21日)
- ドイツGP中止が発表。2015年F1は全19戦に(AUTOSPORT web:2015年3月21日)
- F1ドイツGP、2015年の中止が決定(F1-Gate.com:2015年3月21日)
- 破産のニュルブルクリンク・サーキット、独部品メーカーが1億ユーロで買収(レスポンス:2014年3月13日)
- 元F1世界チャンピオンのニキ・ラウダが急死(AUTO SPORTS WEB:2019年5月21日)