上方朝日放送の人気テレビ番組 探偵!ナイトスクープ は視聴者からの素朴な依頼からしばしば驚くような結果を残してくれます。 以前には人を罵倒するのに代表的な言葉として関西のアホと関東のバカと言う この用法の地域的な境目は那辺にあるのか? と言う疑問は大きな展開を示し遂には 日本全国のアホ・バカ分布が考証され番組プロデューサーに依る著書 全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 に迄結実し世に一大センセーションを巻き起こしたりもしたのでした。 これは大変面白い書籍ですのでご味読をお薦めします。
そして今年2012年9月14日放映の三本立ての2本目は長原成樹探偵担当の
スマハマは
依頼者は
サーフィンUSA
で有名な元祖ウエストコーストロックバンドの大物
ことの真相をビーチボーイズのメンバーに確かめて貰うべくこの依頼は 実は以前から幾度も当番組に寄せていた処、 総て不採用であったのを海外ロケなど費用の問題であろうと踏んだ依頼者は依頼に当たって 当のビーチボーイズが今年8月に30年振りの来日を果たすため 費用の面での不安は不要の旨述べ、 重ねてこれが最後の機会とプレゼンする当たりもなかなか依頼者もちゃっかりしています。
依頼を受けて担当に指名されたのは長原探偵、 依頼者とその仲間達の最初のミーティングに当たって 砂浜(Sandy Beach)を間違ってスマハマと言ったのではないかと、 一文字違いで訛ったのではないかと主張します。 勿論考えられ得る処です。 しかし依頼者はこの考えを一蹴、翌日探偵と連れ立って ビーチボーイズの来日記者会見へと上京するのでした。
さて、当然記者会見に部外者が駆け付けたって相手にされる訳ゃありません。 適当にあしらわれた長原探偵と依頼者はその足で ビーチボーイズの契約するレコード会社の担当者にテレビでの販促とのバーターで頼み込み やっとの思いで、何とか余所のインタビューのスキマ時間に1つだけ質問をすることを許されます。 この右にもかたむき通信として記事にした見返りに僅かながら販促の一端を担うべく ビーチボーイズの新アルバム ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ を紹介しておきましょう。
そしてとうとう辿り着いたビーチボーイズの面々が居並ぶ中、
当のスマハマを拵えたヴォーカル担当の
マイク・ラブ(
この質問にマイク・ラブさんははっきりと That's right と、そして YES と繰り返し答えたのです。 喜びメンバーと握手して早々に退散した長原探偵と依頼者が廊下で喜び合っていると それを追い掛けるようにわざわざマイクさんが出て来てくれて再び TRUE STORY と請合ってみせたのでした。
映像こそ放映されませんでしたがオマケにマイク・ラブさんはこの曲について 好きだった女の子が5歳まで須磨海岸の傍に住んでいて、 その彼女が聞かせてくれた須磨海岸の美しい情景を歌に織り込んだのだ、 と発想の源泉のエピソード迄、教えたくれたのだそうです。 これは正しく新発見ではないでしょうか? どんな評者も当該事は知らず恐らくライナーノーツにも 書かれてはいないんじゃないかと思われます。 全く以てマイクさんの対応も含め感動的なお話ですが、 隙間時間を主張するレコード会社担当者に関わらず 態々時間を取って説明してくれるマイク・ラブさんにも 実に感慨迫るものが有ったのではないでしょうか。
この事実を受けて依頼者は神戸市須磨区長さんに須磨海岸をこれからは 須磨浜 と呼ぼうと、仲間達の共に掛け合うのだそうです。 この決意を聞いたマイク・ラブさんも嬉しそうでした。 全く音楽の影響力は凄まじいばかりであることに思い致せられるお話しです。
それにしてもビーチボーイズが日本でも絶大な人気を誇るのは ここら辺にも隠れた秘密が有ったのかも知れないと思わせるエピソードですね。 ただ、となると依頼者ならぬ身にも疑問が生じます。 地元でも須磨海岸、須磨ビーチとは読んでも須磨ハマとは呼ばれないこの須磨の浜を 何故マイク・ラブさんは浜と呼んだのでしょうか?
とまれ、須磨海岸が今後どう呼ばれるのか、 区長さんと掛け合うと言うのですから行政との関連もあるでしょう、 また勿論昔からの馴染みのある呼び名に拘る方も居るでしょうし、 どう様々な思いと折り合いを付けていくのか、 ちょっとこれからの経過が気になるお話しではあります。