Windows8が全世界に向けた発売だったのに対し ポストPC自体に向けたマイクロソフト社の提案としてのタブレット型端末 Surface はその発売は限られた国に於いて[K1] でした。 しかし愈々日本発売に向けて動き出した感が有るのが幾つかの方面から情報として寄せられます。
日本マイクロソフトが本日2013年2月25日に都内数カ所でティザー広告を掲示し始めたのが先ずは状況証拠として堅い[※1] ものでしょう。 ティザー広告とは英語の tease 、即ち焦らす意が語源となっており情報を小出し、出し惜しみして顧客を焦らせることで 話題に上らせ広告効果を上げようというもので、 この手法をマイクロソフト社は本日日付の変わった零時過ぎより 銀座の松屋銀座、渋谷のQFRONTなど都内の幾箇所で開始したと言うのです。
日本ではマイクロソフト社と近いPCメーカーがWindows8機を 世界でも筆頭に挙げられる程の多くの機種を販売しており、 これを慮ってSurfaceの発売を遅らせている旨、聞こえて来もします。 本日現段階ではWindows 8機とWindows RT機とラインナップするSurfaceのどちらが新発売の俎上に乗せられているのかは分かりませんが、 昨日24日にはWindows RTであろうとする情報[※2] も出ています。 この方面には幾分飛ばすことも多い日経新聞がソースとされていますので少し眉に唾をつけなければいけないかも知れませんが RTを先行させると言うのは日本メーカーの苦しい立場を思えば致し方ない処置と言えるかも知れません。 孰れにせよ日本登場は間違いないものと予想されたSurfaceの、 8機とRT機は前後したとしても近い内、それも来月年度以内の発売は堅いものとなって来ました。
嘗ては誰もが崩しえないと思われたマイクロソフト社の牙城はその時価総額に於いてはアップル社に凌駕され[K2] Googleにも抜かれ[K3] 更には期は限られるものの赤字の事態迄出来する始末[K4] でした。 ポストPC時代に主要な位置を占めるであろうタブレット端末に於いて失敗は許されません。 マイクロソフト社Surface販売担当者は是が非でもこの端末をヒットに結び付けようと 粉骨砕身しているのが髣髴とされます。
実の処、日本ではSurfaceに先駆けて発売されたOSであるWindows8を搭載したPCは余り評判が芳しくありません。 その販売も思ったほどの伸びを見せていない旨も随時伝わり聞こえて来るものです。 Windows8は元来、ポストPC時代を睨んで開発されたOSだけに ポストPC時代に主役となるであろうタブレット端末Surfaceに搭載されれば この端末の発売は正に其のOSとしての真価が問われる場面となり マイクロソフト社の行く末を決め兼ねない事態ともなる筈です。
追記
(2013年3月1日)
日本マイクロソフト社が正式に3月15日発売をアナウンスしました。
値段は32GBモデルが4万9,800円、64GBモデルが5万7,800円と発表されています。
追記
(2015年2月5日)
モバイル事業の見誤りから凋落を招いたマイクロソフト社が生き残りを賭け懸命且つ
期待の端末Surface RTでしたが本記事に危ぶんだ通り遂に失敗の憂き目を見ることとなりました。
世は愈々モバイル環境に比重を移す中デスクトップ時代に覇を唱えた同社は
正しくイノベーションのジレンマを地で行くが如き基本ソフトウェアWindowsに頼り、拘る余り
モバイル基本ソフトウェアに出遅れ市場に存在感を失いました。
失地回復の為に9インチ以下の端末であればWindowsの価格を不問に処す施策は其の焦りを示すものですが
収益形態の全く異なるGoogle社と低価格競争を余儀なく[※3]
されます。
Surface RTと並行するSurface PROの系譜は或る程度の成功を収めたものと喧伝されますが其の基本ソフトウェア足る
Windows 8に於いては自ら紛う方なき失敗の烙印を捺した上でWindows 10の早期の発表を強いられてもいます。
然るに去年2014年々末には大盤振る舞いのキャンペーンが張られている[※4]
のは明から様となっている同社の形振り構わない姿勢が見て取れるでしょう。
そして遂に昨日2015年2月5日、オンラインメディア
The Verge
がWindows RT及び其の搭載端末の終焉の報[※4]
を齎したのでした。
モバイル環境に主軸を移す市場にアップル社が構築した自社製品に依る生態系が利用ユーザーに利便を齎す事実を明白にしました。
其の如く在らねばならないWindows生態系に於いてはモバイル環境の核ともなる
Windowsフォンの其の影すら見えねば幾らタブレット市場から一時的に或る程度の収益を得られたとしても
致命的な欠陥を孕みながらの行進であるのは間違いなく、いつ前のめりに倒れても可笑しくはないでしょう。
追記
(2018年7月12日)
Microsoft社からSurfaceの新機種
Surface Go
が発表された旨を2012年8月19日の記事
マイクロソフトSurface値付け199ドル予想に日本電機メーカー蚊帳の外
に追記しました。
- Surface RT on Boeing 733-800 (Virgin Australia)( photo credit: John Bristowe via Flickr cc)
- Microsoft Surface RT Launch Party( photo credit: Vernon Chan via Flickr cc)
- Windows8が全世界でSurfaceが8ヶ国で本日発売(2012年10月26日)
- アップル社によるマイクロソフト社時価総額世界一記録の更新を見る(2012年8月21日)
- Google時価総額Microsoft超え~ポストPC時代対応で差の付くIT上位3社(2012年10月2日)
- マイクロソフト社が広告事業に足を取られまさかの赤字転落(2012年7月20日)
- いよいよ日本でSurfaceを発売か? ~日本マイクロソフトがティザー広告を都内で開始(PC Watch:2013年2月25日)
- 速報:Surface日本発売決定 ―3月にも(ガジェット速報:2013年2月24日)
- Parsing Free Windows(TechCrunch:2014年4月2日)
- 年内にSurface Pro 3を買うと実売1万4000円の専用キーボードがもらえるよ(週アスPLUS:2014年11月27日)
- 「Windows RT」は公式に終了がほぼ確定(GIGAZINE:2015年2月4日)