原発是非の鍵を握るLNG(液化天然ガス)利用の日本に於ける動向

原子力発電に関して日本としてのコンセンサスを得るにも重大な岐路に立っています。 今その内容に重大な影響を与えると思われるのが LNGLiquefied Natural Gas) 、即ち液化天然ガスです。 なんとなればこれは発電に於いて代替となる火力の今や 主力エネルギーであるからです。

ヤフーに2012年7月16日配信されるプレジデントの記事 【上級編2】日本の貿易赤字が急拡大している理由は何か。今後どうなるか (2019年1月29日現在記事削除確認しましたので雑誌 プレジデントの2012年6月18日号 から転載されたプレジデントオンラインの2013年11月1日の同名記事 日本の貿易赤字が急拡大している理由は何か に新たにリンクを貼り置きます。) を見れば、現在日本の火力発電を支えるLNGは割高な中東産です。 かたむき通信には2012年5月25日に 米国先行のシェールガスのエネルギー資源開発へのインパクト と題して米国でのシェールガス実用化を知らせました。 米国に於いては頁岩層(シェール)に含まれる石油や天然ガスの開発の成功で エネルギー価格が世界最低の水準となっているのです。 そして残念ながら現在日本はこの低コストのエネルギーの入手が適わない政治的状況にあります。 従って割高な中東産を使用せざるを得なくコストは1桁撥ね上がっているのです。

またLNGを大規模に扱うためのインフラが整備されていないのは NHK解説アーカイブスに2012年7月13日配信される時論公論の 天然ガスシフトへの課題 (2019年1月29日現在記事削除確認) に知らされます。

日本は今、政治的状況に於いても、コストの問題に於いても、 そして例え利用可能な次元にこれ等問題が落ち着いたとしても、 今度はインフラに於いて利用が不自由となっている状態にあります。

代替エネルギーに於いてこれ等重層的な問題に阻まれるとき 何某か穿った見方をしてしまうのも人情でしょう、 原子力が維持される方向へとベクトルは向いています。

勿論このベクトルは福島での原発の失敗が発生する以前に形成されたものでした。 ここではその是非は問いません。 しかし今新たな国民間のコンセンサスを得ようという時に、 従前の条件を前提に議論をすれば誤らざるを得ないでしょう。 その際にベクトル修正のコストを含めたとしてもです。

今又日本は急ピッチで メタンハイドレート の商業利用についての開発も進めているのはかたむき通信2012年5月21日の記事 メタンハイドレート開発急ピッチ~日本がエネルギー資源大国に変貌する可能性 に伝えました。 天然ガスエネルギーの利用に於いてはメタンハイドレートへの シームレスな連携による将来性をも考慮に入れる必要があります。

以上を踏まえ国民のエネルギー政策に関する 新コンセンサスのまとめ議論はなされるべきだと考えます。

追記(2012年10月3日)

日本で初めてシェールオイルが採掘されたのを受け JAPEX日本初シェールオイル採掘~新資源の課題はノウハウ蓄積と採算性 を配信しました。

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