米国先行のシェールガスのエネルギー資源開発へのインパクト

エネルギー資源開発が喫緊の課題であることは論を俟たず、 それは未曾有の大震災後の日本だけに限った話ではありません。 世界中で必死のエネルギー資源開発は続いています。

日本には近海に資源の豊富な メタンハイドレート に関して、かたむき通信2012年5月21日の記事 メタンハイドレート開発急ピッチ~日本がエネルギー資源大国に変貌する可能性 に言及しもしました。 そして米国では シェールガス が今実用化、採算化の向上で活気付いています。

かたむき通信のメタンハイドレート記事にも登場の 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) はまたシェールガスについても有用な情報を齎してくれます。 石油・天然ガス資源用語辞典 には シェールガス が用意され、それに依れば天然ガスの一種であることが分かります。 貯留層が砂岩でないことから在来型と区別、 非在来型天然ガス と分類されますが天然ガスとしてメタンガスを主成分とする 在来型との違いはないそうです。 多くシェールガスを含むのは泥岩で、 中にも固く、薄片状に剥がれやすい性質をもつシェール(頁岩)に含まれることから、 シェールガスと呼ばれるのだとか。 1970年代末から採掘の開発が進み現在では米国でのみ商業的生産が行われるとされています。

このシェールガスに関してロイターが2012年5月25日に配信したニュース 焦点:シェールガス開発に沸く米国、エネルギー純輸出国化の予測も は原子力の代替エネルギー資源開発に取ってインパクトの大きいものでしょう。 米国に於いて頁岩層(シェール)に含まれる石油や天然ガスの開発が勢いづき、 エネルギー価格が世界最低の水準となった というものです。

記事にエネルギーの純輸入国への後退は米国に取って国力の成長を損ない、 景気後退の大きな要因となったとされるのは 日本にとって実に耳の痛い分析ですが、 シェールガスのエネルギー価格が世界最低水準に下がるということは 即ちアメリカ合衆国の国力の向上を意味もします。 温暖化についてなど多少未知数の部分も抱えるため懸念の声も上がる中、 強いアメリカというコンセンサスも働き 投資家達のシェールガスへの投資意欲は全く削がれないと記事は伝えます。

シェールガスについての詳細及びその齎す経済効果へのインパクトなども含め ここもJOGMECの提供する 石油・天然ガスレビュー の2010.5 Vol.44 No.3 シェールガスのインパクト が理解に役立つでしょう。

シェールガスの埋蔵量は決して米国独占のものになく、 中国やアルゼンチンにも多く埋蔵されるとされますが、 その実用開発に長けるのは現在、唯一人米国のみです。 エネルギーを制すものが世界を制すとなれば 又もやパックスアメリカーナ宜しく アメリカ合衆国の時代は暫く続くことになるのかも知れません。

追記(2012年10月3日)

日本で初めてシェールオイルが採掘されたのを受け JAPEX日本初シェールオイル採掘~新資源の課題はノウハウ蓄積と採算性 を配信しました。

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