ペット産業に最適化されるウェアラブル端末

Apple Watch[K1] の市場投入時期も職権を利用し既に利用中とのアップル社代表自らの口から4月と発表され[※1] スマートウォッチ台頭が愈々顕現せし昨今既に其のアップル社の主軸の iOS 機器には最新バージョン8より ヘルスキット が搭載されフィットネス情報分野への参入が実際のものとなるに連れ、 本邦にもスマートウォッチ及びウェアラブルコンピューティングと密接に結び付く当該分野への関心が高まりつつありますが、 海外、特に米国では其の気運は盛り上がると言うより周知のもの程の状況が出来していました。

関連機器を提供する代表的企業にワイヤレス活動量計の製造販売を営む Fitbit Inc があり従来下の青色やチャコールのガジェットの写真 Fitbit zip の如き持ち運びの容易な計測端末を世に送り出して来ており多くの人に利活用されてもいる中、 斯うした気運を受けウェアラブルコンピュータ、スマートウォッチとしてパッケージした製品をも発表、発売する処となりました。

当該社サイトには以下の如き製品が並べられており、 zip、one及びWi-Fi多機能体重計を除いてはスマートウォッチの体裁が取られています。

  • スタンダードフィットネス
    • zip
    • one
    • flex
    • charge
  • アクティブフィットネス
    • charge HR
  • パフォーマンスフィットネス
    • surge
  • Wi-Fi多機能体重計
    • aria

昨今の状況を鑑みてメディアの取り上げもどうしてもスマートウォッチ型端末への傾注は致し方なく 昨年2014年末には Fitbit charge のレビュー記事[※2] や新製品たる Fitbit charge HR 及び Fitbit surge の情報記事[※3・4] が配信されたりしており、本邦にも当該社の Chief Revenue Officer (最高収益責任者)なる役職の御仁が来日し日本での2015年の発売を発表した紹介記事[※5] など配信されています。

世に普及するに連れ良いことばかりでないのは世の常にて光の部分も有れば影の部分も生ずるもの 実はFitbitに於いては米国でリコール問題も発生しています。 アメリカ合衆国消費者製品安全委員会(the U.S. Consumer Product Safety Commission:CPSC公式サイト には Fitbit force リコール案件ページ[※6] が用意されストラップやケースの素材に接触した利用者の肌にアレルギー反応が発生する可能性を指摘し 併せてFitbit社の無料電話相談番号も案内されています。 リコール問題の惹起と言う不名誉な事態は一面裏返せば其れ程普及している証でもあるでしょう、 となればフィットネス・トラッカーとしての代名詞ともなり、 此の状況を見て商品紹介をものする記事[※7] も配信されます。 Whistleホイッスル なるメーカーが犬のFitbitを提供していると言うものです。

Fitbit Zip con funda photo credit by eVidaSana.com
Fitbit Zip con funda photo credit by eVidaSana.com
Fitbit Zip

Whistle は犬のためのヘルストラッカー、 正しく犬のFitbitと称しても宜しかろう商品を世に提供すべく2013年に設立された新興企業でした。 競合も有るものの数年前には馬鹿げているとさえ言われた犬のFitbitはしかし今や競合の一つ Tagg を買収し事業の拡張に努めているのです。 ホイッスル傘下としてのGPS機能をも備えたペットトラッカーは公式サイト Tagg the Pet Tracker (2020年4月28日現在 Whistle にリダイレクト処理されるのを確認)も用意されています。

米国に於いては the American Pet Products Association (APPA) の示す統計[※8] を見ればペット市場は伸びる一方で此処数年は50億米ドルを凌駕するものとなっており、 去年2014年は58.51億米ドル本日2015年1月末の相場で約6,897億円と見積もられています。 翻って本邦にてもペット市場はマーケティングリサーチの 総合プランニング の提供データに依れば2011年度において3,660億8,000万円の規模であったものが 2014年度には3,869億円に拡大する見通しであるとされる記事[※9] も配信されており米国には及ばぬものの匹敵し得る規模であるのが分かります。 ペットロス なる言葉の一般に周知されペットフーズからペットの服飾品、果ては葬送に至るまで 身近を鑑みても其の市場の大きさは誰もが首肯出来るものでしょう。

Fitbit Recalls Force Activity-Tracking Wristband photo credit by US CPSC
Fitbit Recalls Force Activity-Tracking Wristband photo credit by US CPSC
Tagg - The Pet Tracker (Unboxing) photo credit by tales of a wandering youkai
Tagg - The Pet Tracker (Unboxing) photo credit by tales of a wandering youkai

日本ではApple Watchを筆頭に人のフィットネストラッカーばかりに耳目が集まりますが 市場規模や米国での状況を鑑みれば日本にペット用ヘルストラッカー市場、 ペット版ウェアラブルコンピューティング産業の立ち上がり成長されることが容易に予想されます。 此れを大きな商売の機会に捉える向きも恐らくは多く在り今現在準備に怠りないのではないかと思われます。

追記(2020年4月18日)

Fitbitフィットビット 社の Pebbleペブル の買収と、Google社からの売価2,300億円と言われる買収話に付いて、2014年9月5日の記事 国際コンシューマエレクトロニクス展(IFA)開催期間中新スマートウォッチ続々登場 に追記しました。

使用写真
  1. Fitbit Zip con funda( photo credit: eVidaSana.com via Flickr cc
  2. Fitbit Recalls Force Activity-Tracking Wristband( photo credit: US CPSC via Flickr cc
  3. Tagg - The Pet Tracker (Unboxing)( photo credit: tales of a wandering youkai via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. Apple Watch正式発表~iWatch関連記事インデックス(2014年9月28日)
参考URL(※)
  1. Apple Watchの発売は4月──ティム・クックCEO(ITmediaニュース:2015年1月28日)
  2. Fitbit Charge review(CNET:2014年11月20日)
  3. Fitbit's Upcoming Smartwatch Basically Confirmed In Pre-Order Page(Gizmodo:2014年10月25日)
  4. Fitbit announces three new activity trackers, including a GPS watch(engadget:2014年10月27日)
  5. 心拍計付きで連続7日間駆動 腕時計型デバイス「Fitbit Surge」日本上陸へ(ITmediaニュース:2014年10月31日)
  6. Fitbit Recalls Force Activity-Tracking Wristband Due to Risk of Skin Irritation(CPSC.gov:2014年3月12日)
  7. ‘Fitbit For Dogs’ Maker Whistle Acquires Tagg Pet Tracker And Raises $15M(TechCrunch:2015年1月29日)
  8. Pet Industry Market Size & Ownership Statistics(APPA)
  9. 市場は、2014年に3,869億円規模へ拡大 -ペットビジネス市場調査を実施(マイナビニュース:2012年7月31日)
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