地方競馬、改正競馬法可決するも懸念される3つの問題点

現在開催されている国会には様々な法案が審議されますが かたむき通信に関心を持って取り上げている 著作権法改正案 もその一つで大いに話題となっている処です。 そしてまた昨日2012年6月20日には一つの法案が可決成立しました。 改正競馬法 です。

1906年(明治39年)開始の公認競馬には当初法的根拠がありませんでした。 これより紆余曲折を経て1923年(大正12年)に旧競馬法が施行され、 終戦直後の1946年(昭和21年)には地方競馬法が制定、 更には1948年(昭和23年)に地方競馬法も取り込む形で 競馬法は制定されました。

今回この競馬法に於いて2007年に続き改正がなされました。 その要諦は 地方競馬の活性化 にあります。 地方競馬は現在、主に指定市区町村の財政の為に実施されています。 しかし経営状態が思わしくないのでは財政補助になりません。 この梃入れのため改正競馬法は可決されました。

今回の改正の要点は2点です。 以下に列挙します。

  • 従来75%に固定されていた当たり馬券の払戻率の70%から80%の間を目安とした自由化(施行日は公布から3年以内の政令で定める日)
  • 2012年度中に期限を迎える財政面の支援措置(日本中央競馬会、地方競馬全国協会などによる地方競馬への資金支援)の5年間延長

これを受けた関係地方自治体などは諸手を挙げての歓迎の意を示していますが 今回は法改正であって、これに基く経営改善にはなお3つの問題点があるように思います。 以下、列挙してみましょう。

  • 競合ギャンブルとの競争
  • 競馬を含むギャンブル離れ
  • 払戻率の効果的に運用

1点目は他ギャンブル及びギャンブルに類するものとの競争に勝てるか否かです。 他公営ギャンブルやパチンコや麻雀など、 または射幸心を煽ると規制が掛けられたオンラインゲームなども その競合として挙げられるかも知れません。 更には中央競馬も若しかしたらこの競合に挙げられるのかも知れません。 これら競合以上の魅力を出していく必要があるでしょう。

2点目は現代若者に巷間言われるギャンブル離れです。 車離れなどもしばしば言われる処で自動車メーカーは 若者に車の魅力を感じて貰えるように四苦八苦していますが、 同様の努力が必要になるのかも知れません。

最後に払戻率の運用です。 法改正の見込みでは払戻率を下げる方向では単純に収益は増える筈ですし、 引き上げれば集客が向上する筈であると見ていますが、 この逆方向の矛盾する払戻率を状況によって 上手くコントロールする必要が出て来るでしょう。 単純に下げた、上げたでは効果は一時的に留まり、 長期的な経営改善は望めないでしょう。

なお、関連ホームページとしてとして地方競馬情報サイト KEIBA.GO.JP が用意されています。

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