KDDIが2012年5月15日発表した新型スマホ夏モデルの中でも、 最強の性能と評判を取っているのが富士通の ARROWS Z ISW13F です。
その性能は機能を列挙するに以下の如くなるでしょう。
以上、他にもおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信など枚挙に暇なく、 要するに全部入りな訳ですが中にも最も売りとしているのは クアッドコアCPU搭載 の一項でしょう。
スマートフォンは小さなコンピュータですから CPUがその中心となります。 CPUはCentral Processing Unitを略したもので正しく中央処理装置、 車で言えばエンジンに相当するコンピュータの心臓部分です。 今回発表されたau夏モデル富士通製スマホ ARROWS Z ISW13F にはこれに クアッドコア なるCPUが採用されているのですね。
ではクアッドコアとはなんでしょうか? クアッドとはquadrupletの略系でquad、4つを表します。 コアが4つあることになります。 コアとはcore、核ですがこれはコンピュータ業界では演算処理装置を指します。 コンピュータのコンピュータたる計算機の中心部分ですね。 詰まりクアッドコアを搭載していると言うことは従来一つでもその役目を果たしていた コンピュータの中心機能を4つも持つことになります。
一昔前は一つのコアを内包したCPUの処理能力を上げていくのが開発の主流でしたが 近年コアを複数内包させて性能を上げる手法が主流となって来ました。 デュアルコア、即ち2つ計算機を積んだCPUはかなり普及していましたが、 クアッドコアは一部の高性能パソコンやサーバーに使われるものでした。 今回、携帯電話と言う極々小さな筐体に遂に4つの計算機を内包する とんでもないエンジンを積んだスーパーカーのようなスマホが誕生したことになります。
その ARROWS Z ISW13F に搭載された注目のクアッドコアCPUが NVIDIA (エヌヴィディア)と名乗る半導体メーカーの作り上げた NVIDIA Tegra 3 です。
NVIDIA社は元はグラフィックス処理、演算処理高速化を主目的とするGPUという コンピュータチップを設計し開発し名を挙げた企業でしたが 近年ではCPUの開発製造にも進出しています。 そんな同社がスマホやタブレット向けに開発したのが Tegra(テグラ) と呼ぶブランドのCPUです。
元々がグラフィックス処理に強い企業ですから このTegraにもそのノウハウが充分活かされています。 最近ではスマホで動画を閲覧したり3Dのアプリを動かすのも珍しいことではありません、 と言うより最早使用法としては一般的で動画を主に見る方なども多い状況です。 Tegraを採用すると言うことは即ち動画性能で優位に立つことになります。 見る人がコマ落ちやギクシャクした動きでストレスが溜まることが減ると言う寸法です。
このグラフィックには強いCPUは既に強力なラインナップとしてデュアルコアの NVIDIA Tegra 2 が有りました。 今回au夏モデル最強を謳われるスマホに搭載されたのはそのクアッドコア版です。
2つのものが4つになるだけで凄さが分かろうというものですが、 更にこのTegra 3には実はもう一つ処理装置が付加されています。 NVIDIA社の 4-PLUS-1™ なる呼称がその特徴を言い表しています。 その5つ目のコアは バッテリーセイバー と言う機能を担当するコアで、 これは省電力及びバッテリーの持続時間を延ばすためにCPUに追加されたものです。
従来スマホはその高機能の余り電池が持たないことが弱点でしたが、 ARROWS Z ISW13F はこのバッテリーセイバー付きクアッドコア NVIDIA Tegra 3 を搭載し、1800mAに拡大されたバッテリー容量と相俟って 高性能ながら長時間使えるスマホとして活躍してくれることになるのかも知れません。
富士通製au夏モデルスマホ ARROWS Z ISW13F の市販予定日は7月上旬以降とされています。 あと数ヶ月、期待して待ちたいですね。