継続的にブログを運営していれば 記事の一つ一つの構成には頭を悩ませるものです。 そんなとき 縁(よすが) となるような記事が配信されて人気を集めています。 バズ部ブログさんの2012年6月20日の記事 ピクサーに学ぶ!人を魅了するストーリーライティングの22のルール がそれで、これはTHE PIXAR TOUCHブログの2011年5月15日の記事 Pixar story rules (one version) を日本語に紹介したものだそうです。
考えて見ればストーリーライティングとはブログだけでなく広く役立つでしょうし これからの情報化社会には必須のスキルとなるのでしょう。
PIXAR(ピクサー) とはここに紹介するまでもないでしょう、 世界屈指のアニメーションスタジオです。 出すアニメ出すアニメが軒並みの大ヒットで それは窮地の故スティーブ・ジョブス氏、それは即ちアップル社であり、 そしてまたディズニーのアニメーションを救ったのは有名です。 世界に冠たる米国の2大企業を救い得るべき大きな影響力を持つと言っても良いでしょう。 それもこれも世界の未来を担う子供達の力と考えれば面白いものだと思います。
故スティーブ・ジョブス氏の評伝の下巻 スティーブ・ジョブズ II にはピクサー社が重要な役割を以て登場し メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々 と合わせ読みば実に興味深い数々の事柄が浮かび上がることは Acenumber Technical Issues ブログの2012年4月30日の記事 ジョブズ評伝を補完して倍楽しめる~メイキングオブピクサー に記載されます。
此処に紹介される22のルールはピクサーでストーリーを担当する エマ・コーツ(Emma Coats)さんが記事の配信された日より過ぐること1ヵ月半の間、 Twitterにストーリの基本としてつぶやいたものを集めたもののようで、 エマさんはこのノウハウはピクサーの先輩より得たもののようですね。 以下バグ部ブログさんの訳と共に自身の為の備忘録としての感想を添えシェアします。
- You admire a character for trying more than for their successes.
主人公の成功という部分ではなく、諦めずに挑戦し続けるという部分を賞賛すること
いきなりですがこれはブログの書き方と言うよりは一つの成功記事よりは 継続して多くの記事を配信するブログに対する取り組み方や姿勢を言われたような気がします。 ブログ記事に於いては人物や商品を取り上げるときのスポットの当て方に役立つかも知れません。 - You gotta keep in mind what’s interesting to you as an audience, not what’s fun to do as a writer. They can be v. different.
ライターとしての自分が書いていて楽しいものではなく、読者にとって面白いものを書くこと。この2つには、非常に大きな違いがある。
ブログでも常に気をつけなければいけないものだと思っています。 - Trying for theme is important, but you won’t see what the story is actually about til you’re at the end of it. Now rewrite.
テーマ探しは非常に重要だ。しかし、ストーリーの本質は書き終えてみるまでは、ライターにも分からない。だから、書き終えたらリライト(書き直し)しよう。
…ブログの書き直しは辛い処…ですねぇ…。 - Once upon a time there was ___. Every day, ___. One day ___. Because of that, ___. Because of that, ___. Until finally ___.
むかしむかし、あるところに・・・。毎日・・・。そんなある日・・・。そして・・・。そして・・・。そしてついに・・・。
ストーリーテリングに於いては換骨奪胎と言うものでしょうか? テンプレートに堕さないように気をつけながら取り組みたいと思います。 - Simplify. Focus. Combine characters. Hop over detours. You’ll feel like you’re losing valuable stuff but it sets you free.
キャラクターをシンプルにして、キャラクターに焦点を合わせて、キャラクター同士の力や魅力を結合させよう。
ブログ記事に登場するアイテムをこのように扱いたいものです。 ブログ記事に依ってはこのキャラクターはテーマに置き換えられることもあるかも知れません。 - What is your character good at, comfortable with? Throw the polar opposite at them. Challenge them. How do they deal?
キャラクターは何が得意で何が好きなのだろうか?それと正反対の試練を与えて、キャラクターに挑戦させよう。キャラクターは、その試練にどのように立ち向かうだろうか?
ブログ記事に登場するアイテムを正反対の状況下に置く手法は 思わぬ視点が得られて効果的かも知れません。 - Come up with your ending before you figure out your middle. Seriously. Endings are hard, get yours working up front.
ストーリーの中盤部分を書く前に、エンディングを決めておこう。エンディングを考えるのは本当に骨が折れる仕事だ。だからこそ、前もってやっておこう。
しばしばブログにも結論を先に書け、と言うような主張がなされますが、 これは余り好ましいこととは思えません。 しかしエンディングを先に決めてから全体の構成に取り組むのは 分かり易いブログ記事を書くにも効果的な手法だと思います。 - Finish your story, let go even if it’s not perfect. In an ideal world you have both, but move on. Do better next time.
ストーリーを書き上げたら、それが完璧になっていなくても公開しよう。そして、また書き続けて、次はもっと良いものを作ろう。
これはブログに於いては完璧な一つの長い記事を書くために更新の頻度を落とすよりも それを幾つかに分割して更新頻度を上げろと言うのに似ていると思いますし、 賛同できる意見です。 但しそれはリピーターをがっかりさせないためとは思いません。 - When you’re stuck, make a list of what WOULDN’T happen next. Lots of times the material to get you unstuck will show up.
アイデアに詰まったら、“書くべきではない展開”のリストを作ろう。多くの場合、材料を集めれば集めるほど、良いアイデアが湧いてくる。
ブログも材料は多く集めた方が良い記事に繋がる気がします。 しばしばブラウザに開かれたタブの数に圧倒されて意気消沈すること無きにしもあらず…ですが。 - Pull apart the stories you like. What you like in them is a part of you; you’ve got to recognize it before you can use it.
好きなストーリーから離れよう。あなたのアイデアは、それらのストーリーから大きな影響を受けている。自分のストーリーを書き始める前に、その事実を把握しておこう。
受けた影響は無意識下にありますから実行が難しい指摘ではあると思います。 しかしそれを意識上に浮き上がらせられればそれだけで何某かの変化は得られるでしょう。 - Putting it on paper lets you start fixing it. If it stays in your head, a perfect idea, you’ll never share it with anyone.
アイデアを紙に書き起こすと頭の中が整理される。そして、そのアイデアが、あなたの頭から離れなければ、それは素晴らしいアイデアだ。そして、そのアイデアを他人に話しては行けない。
これはブログとは全く関係有りませんがPIXARの御大将 ジョン・ラセター(John Lasseter) さんはこの件で手酷い失敗をしたエピソードが評伝 スティーブ・ジョブズ II に記されています。 ワクワクしながらこの部分を読みました。 - Discount the 1st thing that comes to mind. And the 2nd, 3rd, 4th, 5th – get the obvious out of the way. Surprise yourself.
一番最初に浮かんでくるアイデアは無視しよう。二番目に浮かんでくるものも、三番目に浮かんでくるものも・・・。すると、明確な良いアイデアが浮かんでくる。そして、そうやって最終的に出て来たアイデアに、あなた自身が驚くはずだ。
これはつねづね一番目のアイデアばかりの輩が自称アイデアマンを気取るのに辟易していますから、 至極尤もと首肯するものです。 殆んどが一番目のアイデアとやらは思い付きに過ぎません。 かたむき通信にも人の振り見てなんとやら、 自戒の念を込めて一番最初のアイデアは無視したいと思います。 - Give your characters opinions. Passive/malleable might seem likable to you as you write, but it’s poison to the audience.
キャラクターにはハッキリとした意見を持たせよう。もしかしたら、あなたは受動的で順応的なキャラクターが好きかもしれない。しかし、そのようなキャラクターは読者にとっては退屈だ。
これはブログ記事には明快なテーマを持たせるべきだと、解釈したいと思います。 - Why must you tell THIS story? What’s the belief burning within you that your story feeds off of? That’s the heart of it.
なぜ、あなたは、そのストーリーを伝えなければいけないのだろうか?あなたが、心から伝えたいとおもっている信念はなんだろうか?あなたの信念が、ストーリーの根幹となる。
ぅぅむ…難しいですね。 一つ一つのブログ記事に運営者の意思が反映されていれば 首尾一貫したブレのないブログになるでしょうね。 - If you were your character, in this situation, how would you feel? Honesty lends credibility to unbelievable situations.
もし、あなたがストーリーの中のキャラクターだとしたら、どう感じるだろうか?そうした感情描写の正直さが、非日常的な状況に親近感を与える。
これはブログにも良く言われるものだと思います。 なんとなれば感情描写は多くの人々の心に引っ掛かり易い処のものとなるからです。 このテクニックをブログタイトルにも応用しろともしばしば言われる処ですね。 - What are the stakes? Give us reason to root for the character. What happens if they don’t succeed? Stack the odds against.
キャラクターが抱えているリスクや過去は何だろうか?そして、なぜ、そのキャラクターがそうなったのかという背景を作り込もう。もし、そのキャラクターが成功しなければ、どうなってしまうだろうか?キャラクターの挑戦に対して障害を用意しよう。
成る程、ブログ記事に登場する人物なりアイテムなりのバックグラウンドが垣間見えれば ストーリーは効果的に読む方に伝わるものなのだろうと容易に想像が付きます、 実行は難しいですが…。 - No work is ever wasted. If it’s not working, let go and move on - it’ll come back around to be useful later.
あなたの努力の全てはムダにはならない。もしうまくいっていなくても、気にせず進み続けよう。そうした経験は、結局あなたの糧となって戻ってくる。
全くアクセスの無い無駄な記事も気にしないように、 孰れ役立つものでしょう。 - the difference between doing your best & fussing. Story is testing, not refining.
自分自身を知ろう。自分のベストの力が出ている時と、ただ焦って何もできなくなっている時の違いを知ろう。ストーリーライティングは、あなたを磨くのではなく、あなたをテストする。
ブログを書く際も同様であるでしょうね。 - Coincidences to get characters into trouble are great; coincidences to get them out of it are cheating.
キャラクターに偶然、試練が重なることは素晴らしいことだ。しかし、その試練を克服する際には、偶然の要素があると興ざめしてしまう。
ストーリーの偶然と必然の使い処に目の鱗が落ちます。 受けるストーリーとはこのような計算も重要なのですね。 - take the building blocks of a movie you dislike. How d’you rearrange them into what you DO like?
エクササイズ:嫌いな映画を見て、その映画の構成要素を分析しよう。あなたは、その映画を良くするために、どのようにアレンジできるだろうか?
反面教師ですね。 かつてギターヒーロー ジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix) はどんな駄目バンドでも学べるものはあるもんだょ、と言う発言をしていました。 - You gotta identify with your situation/characters, can’t just write ‘cool’. What would make YOU act that way?
自分自身の様々な行動や、その行動を取るにいたった動機を知ろう。ストーリーは、ただかっこ良く書けば良いものではない。 体裁を気にするばかりのブログ記事も余り面白いものでないことは明白でしょうね。 どうしてそのブログ記事を書くに至ったかを意識することは必要だと思います。 - What’s the essence of your story? Most economical telling of it? If you know that, you can build out from there.
あなたのストーリーのエッセンス(肝)は何だろうか?それを短い言葉で伝えるなら?もし、あなたの中で、これらのことが明確なら、あなたはそこからキャリアを築くことができる。 短くまとまった記事の核とも言うべきものが用意されていれば そこに肉付けされて形をなしたブログ記事は読む人に意図の伝わる処となるでしょう。
22のPIXARストーリールールにブログ記事を牽強付会た為に 些か脱線気味になった感も無きにしも有らず、 中にはブログと全く関係の無い項目も出てしまいました。
このストーリールール22が情報化社会に広く役立つものだとすれば この如き具合にルールを一つ一つ、己の求めるものに当て嵌め 改めて考えて見るのも一興かと思います。