中期ビジョンをNTTドコモが公表したのは去年2011年11月2日のこと、 それはプレスリリース 中期ビジョン2015-スマートライフの実現に向けて- として配信されもしました。
そして本日2012年6月11日、 その中期ビジョンに従っての連携企業の子会社化が実施されたのが NTTドコモの2012年6月11日のプレスリリース タワーレコード株式会社の子会社化について に配信されています。
プレスリリースに依れば この子会社化は従来42.1%を保有していた株式に 既存株主から2012年7月中旬に掛けて ドコモの出資比率が過半数を超える50.3%になるよう実施されます。
子会社となるタワーレコード株式会社は資本金65億円、 2012年2月時点で従業員数が2,160名、売上高が558億円の堂々たる企業で 諸業務は音楽ソフト、映像ソフト、書籍などのメディアの販売です。
ドコモの中期ビジョンを今一度確認し 2015年度に向けた取組みの概要の項目をリストアップすれば以下となります。
- モバイルのサービスの進化に向けた取組み
- 産業・サービスの融合による新たな価値創造-モバイルを核とする総合サービス企業への挑戦-
- モバイルを核とする総合サービス企業(Integrated Service Company)
- アライアンス企業との協業による新たな価値を創造と新しい市場の創出
- 2011年度比で約2.5倍の約1兆円
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新たな事業領域
- メディア・コンテンツ事業
- 金融・決済事業
- コマース事業
- メディカル・ヘルスケア事業
- M2M事業
- アグリゲーション・プラットフォーム事業
- 環境・エコロジー事業
- 安心・安全事業
- クラウドの活用と安心・信頼に向けた取組み
タワーレコード子会社化にあたってのプレスリリースから下記の引用部分を見てみましょう。
スマートフォン等のモバイルとのシナジーを図ることで、 CD/DVDの店舗販売に加えて、 現在成長中のインターネットによるCD/DVDの販売(物販)等、 「コマース事業」への進出を加速してまいります。
然ずれば、上の2015年の中期ビジョンにリストされる項目の2番が該当するのは明らかであり、 また明確に2.4.3の コマース事業 を目的としていると言及されます。 即ちNTTドコモがアマゾンの領域に喰いこもうと画策しているのですね。
NTTドコモが携帯キャリアからの脱皮を図らんとするのは その意気や善し、とは思いたいのですが、 その方向性に些か首を傾げざるを得ません。 なんとなれば通信インフラは半公共的な性格を帯びるからで 出来得れば通信インフラに特化して本業に励み 利用者の利便を図るのに邁進して欲しいと思います。
処でドコモにネットショップを営んで欲しいと思う人はいるのでしょうか? 現ドコモユーザーは果たしてドコモのネットショップ運営に何を思うでしょうか?
追記(2012年7月13日)
NTTドコモ社長の通販事業本格進出についてのインタビュー記事が配信されたのを受け NTTドコモが通販事業本格進出で目指すアマゾンコムとの企業体質の比較 を配信しました。