重要文化財弘前東照宮本殿が100万円、重文の売買方法の穴

東照宮が破産と言う驚くべき事態をかたむき通信に伝えたのは2012年4月21日、 破産のため国重文本殿売却せざるを得ない弘前東照宮と日光東照宮と神社本廳 に於いてでした。

破産したのは全国に数ある東照宮の中の一つ 青森県弘前市の宗教法人の 東照宮 であり、東照宮と言っても伊勢神宮を本宗と仰ぎ全国8万社の神社を包括する組織 神社本庁 の傘下の 青森県神社庁 に属する 弘前東照宮 であって、これは単立宗教法人として運営される 日光東照宮 とは組織的な関係がないのが興味深いとした処でした。

その際同時に伝えたのが負債総額2億円以上で破産した同社が 所有していた国の重要文化財 東照宮本殿 は競売により売却される見通しである、としましたが、 これが何と東京都港区の不動産会社に約100万円で売却する方針であるのを 破産管財人が明らかにしたことを毎日jpが2012年7月9日の記事 弘前東照宮:重要文化財100万円で売却へ 経営破綻 に伝えています。

記事に依れば破産管財人は保存・修復などの観点から 自治体などの引き取りを希望したそうですが、 弘前市は憲法で定める政教分離原則から購入に難色を示していたのだとか、 已む無しにこの約100万円と言う金額を提示していたこの業者に落札となったようです。

重要文化財については指定は 国宝及び重要文化財指定基準 基いて行われるもので正しく国民共通の財産として所有者には多くの義務が発生します。 それはWikipediaの 重要文化財所有者の義務等 に依れば例えば以下に挙げるようなものです。

  • 管理する義務
  • 所有者、所在変更の際には文化庁長官へ届け出る義務
  • 修理及び公開は基本的に所有者が行うものとされる
  • 日本国外への輸出禁止
  • 譲渡についても一定の制限がある

この最後の譲渡について一定の制限があるとしながらもWikipediaには以下のように記されます。

競売による所有権移転については、想定外のこととして、規制の対象になっていない。 例として、2009年5月に円満院(滋賀県大津市)の重文指定の建物が競売にかけられる事態が起こっている。この件について、文化庁は「重文が競売で所有権が移転するのは好ましくない」とのコメントを出しており、何らかの規制が必要と考えられる。

今回の弘前東照宮本殿についてもこの事例と類似のものとなるのかも知れません。

破産管財人に依れば弘前東照宮本殿を落札した不動産業者は 2008年の競売で本殿の敷地や拝殿などを所有しており、 本殿購入後は境内を駐車場として活用しながら買い手や借り手が現れるのを待つということです。

勿論この不動産業者が不適当と決め付ける訳ではありません。 所有する弘前東照宮本殿を管理し切れる間は所有者として然るべき管理を、 そうでなくなった際には然るべき落ち処に落ち着く迄は、 確り国民の大切な重要文化財を守って欲しいとお願いするものです。

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