生活にもマクロで見れば エネルギー 問題などにも大きな疑義を呈される去年2011年3月11日の東日本大震災は またミクロには常日頃その対策を考慮しておく重要性も人々に考慮を迫ったように思います。
太陽光発電を始めとする自然エネルギー、 または原子力に変わる代替エネルギーについては 多くの企業が馳せ参じ、研究や実践を持って取り組んでいるのはかたむき通信にも エネルギー をカテゴライズして伝える処ですが、 勿論、生活に密着した部分でも企業が取り組みを始めています。
その一つに挙げても好いでしょう、 株式会社ロッテ が2012年は今月7月24日に発売を予定している コアラのマーチ の ビスケット保存缶 は名前の通りお菓子でもありますが、賞味期限が5年の非常食商品でもあるのです。
ロッテのWebサイトには関連ニュースリリースが ~ いつものお菓子が、もしものお菓子。 ~ 『コアラのマーチビスケット〈保存缶〉』 2012年7月24日(火)より、防災の日に向けて全国で発売 (2019年6月24日現在、2017年以前のニュースリリースは削除されていますので、新たに「コアラのマーチビスケット<保存缶>」情報を扱う ビスケットとのお付き合い にリンクを貼り置きます。)として用意されています。
リリースに依れば値段はオープン価格ですが想定小売価格は398円前後(税込)とされ 全国で発売される予定で、その商品特徴は以下とされます。
- 災害時に分けやすい3袋入りのプレーンタイプのビスケットです(チョコレートは入っていません)。 可愛いコアラのプリント絵柄が、災害時に元気を与えてくれます。
- 賞味期限は5年(60ヶ月)。防災用の保存食としてご提案します。
- 災害が起こった時に役に立つ情報として災害用伝言ダイヤルの利用方法を缶に記載しています。
- ターゲットは、小さい子供を持つ両親を想定しています。
この商品は実際に東日本大震災でも被災地への救援物資として提供した経験から企画されたようで、 缶のパッケージ側面に災害用伝言ダイヤルの手引書をプリントするなど 災害時の防災グッズとして役立つ配慮もなされています。
言われて見れば成る程、 ビスケットは保存食としては持って来いでしょう。 そう考えれば他にも捜せば類似の商品が出て来る筈です。
そして矢張り、有りました。 大手お菓子メーカーの 江崎グリコ株式会社 が販売している商品に ビスコ保存缶 が有りました。 此方もコアラのマーチ保存缶と同じく缶詰として提供、 賞味期限は製造後5年間とされ長期保存の可能な防災対策用食品として扱えます。
グリコのホームページ内を捜してみると2007年7月12日には ロングセラー商品が防災対策用の保存食になりました 『グリコ保存缶』『ビスコ保存缶』新発売 (2019年6月24日現在、2014年以前のニュースリリースは削除されていますので、新たにグリコが企業、団体用に用意する防災備蓄食品の情報を扱う 防災備蓄食品TOP にリンクを貼り置きます。)なるプレスリリースも発行されていました。 ロッテに先駆けてビスコの保存缶は発売されていたんですね。 それと共に グリコ 保存缶 も発売されているではないですか。 グリコは1922年創業時と言いますから大正は11年から販売、親しまれている お菓子中でも最も歴史のあるお菓子と言って良いでしょう。 此方は3年間の保存が可能とされています。 災害時にも若しかしたらお馴染みのキャッチフレーズ ひとつぶ300メートル の元気が得られるかも知れませんね。
こうなるとまだまだ捜せばお菓子の保存食は出て来そうです。 もう一度ビスケットに絞って捜してみましょう。 すると矢張り出て来ました、 ヤマザキナビスコ株式会社[追] の リッツ保存缶 で、此方は5年の長期保存が可能となっています。 容量で L缶(425g) と S缶(44g×3P) の2種類が用意されています。 ヤマザキナビスコのWebサイト[追] には余り情報が無いのが残念ですが、 リッツは同社の主力商品の一つです。
リッツはビスケットではなく クラッカー と明記されますがWikipediaの クラッカー ページに依ればクラッカーはビスケットの一種であるようです。 クラッカーはアメリカ英語では塩味の強いビスケットの総称として用いられ、 甘みの強いビスケットであるクッキーに対するものとしての扱いであるようです。 またWikipediaにはクラッカーの歴史として ナビスコと強い関係が記されていますので以下引用します。
1792年、マサチューセッツ州のジョン・ピアスン (John Pearson) がクラッカーの原型を発明した。 これが乾パンで、軍隊の糧食などに使われた。 初めてクラッカーと呼ばれるものを作ったのは、1801年、 やはりマサチューセッツ州のパン職人ジョシア・ベント (Josiah Bent) である。 焼いている途中の音から、クラッカーと名づけられた。 後に、ベントはクラッカー事業をナビスコに売却した。
こうして見るとビスケットの一種クラッカーも面白い歴史を持っているものだと思います。 ヤマザキナビスコのリッツは本家本元のクラッカーである自負として 敢えてビスケットを名乗るよりはクラッカーを強く打ち出しているのかも知れません。
お菓子メーカーはこうして見ると保存食メーカーとしても頑張ってくれているようです。 捜せばまだまだお菓子の保存食は出て来ます。 また機会が有ればかたむき通信にも紹介してみたいと思います。
追記(2019年6月25日)
ヤマザキナビスコ株式会社
は
ナビスコ
ブランドのライセンス契約終了[※1]
に伴いは2016年9月1日付で同社商号を
ヤマザキビスケット株式会社
に改称しました。
ヤマザキナビスコ株式会社は
山崎製パン株式会社
及び現在は
- ヤマザキナビスコ「リッツ」「オレオ」など販売終了へ 日本に根づかせた46年の努力は並大抵でなかった。(ハフポスト:2016年2月12日)
- ナビスコ『リッツ』が新しくなったけど、後継は『ルヴァン』で間違いないのか、あらためて検証!(おためし新商品ナビ:2016年9月29日)