バイナリーオプションとは~合法的ネット賭博の危険性

馬鹿じゃ出来ない、利口はやらない とは良く言ったものです。

丁半博打で賭けるのは、理屈は様々捏ねられるでしょうが、 如何捏ねてみても結果は丁か半かだけですから どんな素人にも参加出来る簡単なものです。 しかしこれを受けて賽を振る方は 丁半コマを揃えなくっちゃなりません。 馬鹿じゃ出来ない所以です。

頃日流行のネット上の取引商品に バイナリーオプション があります。 FX(margin Foreign eXchange trading)、 即ち為替レートの差益を狙って外国通貨の売買をする取引を 思いっ切り約めたような商品ですが、 約めすぎて原型をなしていない感があります。 それは最早、丁半博打の様相を呈しているのでした。

その名前に0か1を表す意のバイナリーが含まれるように 硬貨の裏か表かを当てるような、 最早取引という語彙が当て嵌まるのか如何か疑問の感も残る形態が バイナリーオプションの特徴です。 裏か表かの基準が為替レートであり、 表か裏かを売りか買いで表現することにより 辛うじて為替取引のニュアンスを残しています。

バイナリーオプションとはこの基準値の上か下かを当てる謂わばゲームで 当たれば取引契約時のレートで払い戻しが行われるのですが、 外れれば払い戻しは一切ないのは正しく丁半博打のシステムを思わせます。

バイナリーオプションのもう一つの特徴が 短時間で決済されるという処でしょう。 胴元業者に依っても異なりますが 勝負は数分で決まり、大抵はその日限りで決済されることになっています。 この短時間で勝負が決まるのも賽を振って壷を上げるだけの 丁半博打を連想させます。

表か裏かの基準となればいいだけですので それは為替レートでも構わないし株価でも構いません。 即ち予測不可能で短時間で変動するものであれば良い訳で これは正しく賽に相当するでしょう。

賭場に相当する業者も多く用意されており ネット上では比較サイトなども盛況です。 胴元となるバイナリーオプション提供業者は基本的に証券業務を取り扱うことになります。 勿論違法ではありませんから、 丁半博打を合法的に楽しむには持って来いのサービスとなるでしょう。

未だ細かい規制が働いていない新商品ですので それぞれ業者毎にレートなど細かいシステムが異なりますから パチンコなどと同じく先ず店を選ぶのが重要となるようです。

以上見てきたように合法とは言え かなりの部分で丁半博打に類似している面が見られ、 更には一般的なサービスとなるに連れ 射幸心を煽る面も明らかになりつつあり、 更にはサービス提供業者の恣意的なレート操作も噂され、 となれば孰れ危険性も取り沙汰され兼ねませんから、 業界では何某かの自主規制を考えているようです。

処でこれが合法的にせよ博打の様相を呈しているのであれば 馬鹿じゃ出来ませんが利口はやらないのが道理の気がします。

追記(2019年12月22日)

本日2019年12月22日付けで毎日新聞が報じたのが 「USB購入が悪夢の始まり…"1年で200%の利益"マルチ商法、大学生被害続出」 なる題目の記事でした。 21歳になる東京都内私立大学男子学生に毎日新聞が取材して実態を伝えた形式の記事となっており、 ネズミ講になくマルチ商法とされているからには商品流通が有り、其の商品がUSBメモリーに記憶された情報商材であるとすれば先ずは微妙な感も受けますが、 其の情報商材こそが本記事に紹介したバイナリーオプションの攻略法でした。

一体、相場に於ける投資でさえ なぜ投資のプロはサルに負けるのか? なる書籍が上梓されるくらいですから、合法とは言えバイナリーオプション、即ち大略丁半博打に於ける必勝法など胴元である以外ないでしょうのは一般に周知されてはいると思うのですが、 好意的に言えば、まだまだ学生の身分にて世間知に長ける訳でもなく、お小遣いも不足し勝ちな処に、三、四年ほどでタワーマンションに住める、などと言う惹句でしつこく口説かれたら判断能力も曇るのかも知れません。 其れにしても、毎日新聞記事では男子学生は博打をせずにはいられないギャンブル依存症でもないようなのですから、 高額の情報商材の購入契約をする以前に、せめて既に7年も以前に配信した本記事でも検索して目に留めていてくれればと思わないでもありません。

更にはUSBメモリーに記憶された情報商材をマルチ商法に扱う事案は此れだけではあらずして、 今年2019年の4月の時点で既に PRESIDENTプレジデント Onlineオンライン に扱われる処[※1] となっていますので、 とても大学生に成り立ての先ずはスマホで検索するデジタルネイティブ世代とも思えず、 年金暮らしの高齢者の被害的な感さえ受けます。 併せて此処に興味を惹かれるのは、今回の事案ではUSBメモリーの価格が 53万7000円 であるのに対し、8ヶ月前の事案では価格が 49万円 と 4万7000円 も廉価な値付けにあれば、此の間、10月1日に施行された消費税値上げの所為でもないでしょう、 情報商材自体は4月の事案ではバイナリーオプションになく、 日経225先物取引 攻略法とされていますが、商材自体の有って無きが如き原価などの差でもないでしょう、 マルチ商法連中の時系列に於ける値頃感の推移が窺い知れる様です。

大体が4月の記事ではオプション付きの可能性が深く疑われますが、 恐らくは記者の巧まざる商材自体の本筋では無い程の軽い扱いに、 被害者が商品に魅力を感じた契約でないのも粗方知れます。 顧みれば、毎日新聞の記事を見ても PRESIDENTプレジデント の記事を見ても、儲けに関して誇大表現を用い、一度断ってもしつこく強引な勧誘を重ねている様子が伺えますので、 マルチ商法自体は取り敢えず合法とは言え、 特定商取引法 などに違反している[※2] のは明らかで被害者は救済されるべきだとは考えます。 ともあれ、先ずは些少ではありますがバイナリーオプションに関しての知見を本記事から得て欲しく、 知れば攻略法が意味を為さないのが脳裏に判然されて、従って商材の怪しさも自ずから明らかにて、 オプション取引から更に敷衍すれば同様にて、 国債先物取引や金利先物取引、株価指数先物取引に外国為替証拠金取引などの目先を変えた攻略法を保存したUSBメモリー新手が現れましても、 以て再被害に合われない様、祈ります。

参考URL(※)
  1. "USB1本"を49万円で買った大学生の後悔 20歳以上の大学生が狙われるワケPRESIDENTプレジデント Onlineオンライン:2019年4月22日)
  2. 【弁護士監修】ネズミ講とマルチ商法の違いとは?(あなたの弁護士:2017年3月1日)
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