閏(うるう)秒はやはり数々の問題を引き起こしていた

1秒くらいだったら昔ならなんてことなかったものが 今の時代、原子時計を基準にするような、 また情報化の進んだコンピュータが広く普及した社会となっては うるう の挿入が思いも掛けないトラブルを招く、 としたのがかたむき通信は昨日2012年7月1日の記事 7月1日うるう秒挿入の本日2012年後半の開始日はレバ刺し禁止、固定価格買取制度、コンプガチャ規制などの施行日 でした。

Leap Second
Leap Second photo credit by Marek Isalski

その懸念が昨日2012年7月1日8時59分60秒、 どうやら実際のものとなってしまったようなのは以下、本日2012年7月2日の記事、

などに報じられていますが Wired Japanese Editionの同日の記事 「うるう秒」障害がネットで頻発 に依っているようです。

これらに伝えられる障害が発生したとされるサービスを以下に列挙します。

  • Reddit(リンク共有サイト)
    Javaで構築されたオープンソースデータベースApache Cassandraに問題が発生
  • Mozilla(ウェブブラウザのirefox開発)
    HadoopやElasticSearchのようなJavaアプリを実行するサーバとJavaが正常に機能していない
  • Gawker Media
  • StumbleUpon
  • Yelp
  • foursquare
  • LinkedIn

なかなか錚々たるサービス群ですが、 このうるう秒問題については回避方法もWired記事内に紹介されています。

その一つはOperaブラウザーを開発する Opera Software 社のシニア・システム管理者であるマルコ・マロンギュ氏がブログに6月1日に投稿した For those who don't know what to expect during the leap second... (2019年6月15日現在記事削除確認)です。

また一つはGoogle社が公式ブログに2011年9月16日に投稿していた Time, technology and leaping seconds です。 ここに紹介される leap smear なるテクニックは、うるう秒の正式な到来に先立って、 システムの時計にミリ秒を徐々に追加するというものだそうですが、 それはかたむき通信7月1日の記事に紹介したInternet Watchの2012年6月29日の記事 7月1日は「うるう秒」実施、「午前8時59分60秒」を挿入して1秒長い1日に にGoogleの記載こそありませんが正しく内容は紹介されていたものでした。

閏秒は1972年に導入され、今現在迄に至り25回実施されているのは かたむき通信7月1日の記事にも伝えましたが マルコ・マロンギュ氏はそれを以て新しい問題ではないと指摘します。 これについてWired記事は今回の閏秒問題は インターネットの1%ほどを動かしている Amazon Web Services が、落雷で大規模な機能停止に陥り、そこからウェブが回復している最中で生じた、 と実に示唆的な発言をしています。

このアマゾンクラウドの停電はかたむき通信にも2012年6月30日に 落雷でアマゾンクラウドダウン~Instagram、Pinterest、Netflix、Herokuなどに影響 として扱いましたがかなり大規模なものでしたから 若しかしたら今回の閏秒問題に何某かの影響を齎した可能性がないとは言えないようです。

またLinuxカーネルにも不具合があることが判明したようです。 この閏秒不具合により比較的新しいカーネルを搭載したLinuxでは MySQLやJavaなどのCPU使用率が高騰する事象の報告の存在を SH2の日記さんの2012年7月2日の記事 うるう秒のあとにMySQLなどのCPU使用率が高騰する件について が伝えてくれます。 この記事を受けてCubicLouveさんでは事後のための備忘録的性格を持つ記事 うるう秒でいろいろ朝から面倒だった件 を配信しています。 技術的なものですが参考になる方も多いでしょう。

追記(2015年1月9日)

本記事に紹介した前回の閏秒2012年7月1日8時59分60秒の設定に引き続き、 国際地球回転・基準系事業International Earth Rotation and Reference Systems Service[※1] が2015年6月30日の23時59分59秒の後に23時59分60秒を挿入される決定が広報されました。 日本時間では前回と同じく UTC (協定世界時:Coordinated Universal Time) との時差により2015年7月1日8時59分60秒が設定されることになります。 当該情報は2015年1月9日現在、 IERS公式サイト の告知一覧ページ[※2] の告知3から Announcement of leap seconds in UTC and information on UTC-TAI.[※3] を辿られ 現時点での正式告知最新版 (2019年6月15日現在記事削除確認)も閲覧可能となっています。 此の告知を受け前回の閏秒挿入で惹起された問題を今又紹介する記事[※4] も有り中には本記事で紹介した回避法 leap smear も紹介され、また現在インターネットに大きな影響力のある基本ソフトウェアであるLinux OSでは 大凡対応の進んだものの引き起こされ兼ねない問題への対応 法を考察した記事[※5] なども配信されています。

使用写真
  1. Leap Second( photo credit: Marek Isalski via Flickr cc
参考URL(※)
  1. 国際地球回転・基準系事業 - Wikipedia
  2. IERS Bulletins
  3. BULLETIN C - Product metadata(2019年6月15日現在記事削除確認)
  4. 1日が1秒増える「うるう秒」を2015年に追加決定、うるう秒バグを回避できるのか?(GIGAZINE:2015年1月8日)
  5. 7/1の閏秒を迎えるにあたってLinuxでは何をすべきか?(Act as Professional:2015年1月9日)
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