バイきんぐ御用達オーデマピゲ・ロイヤルオークのデザイナーのジェラルド・ジェンタ氏

なんて日だ!! この絶叫フレーズで以てすっかりお茶の間にお馴染みになったのはコントコンビの バイきんぐ 、その片割れ小峠さんの2013年年初辺りの月収はどうやら約60万円ほどであったようで、 サラリーマンの平均月収約31万円の約倍と 其れ迄白蟻駆除のバイトをしていた売れない芸人生活から愈々脱出しつつある様を示しています。

Audemars Piguet Royal Oak Offshore - Montauk Highway

収入と言うクリティカルな個人情報が共有されたのは TBSテレビに今年2013年4月30日に開始された新番組 有田とヤラシイ人々 に於いてでした。 プライベートもネタの一つであれば切り売りは芸人の常、 7人のゲストの一人として雛壇の後ろ側に坐った小峠さん、 困った様子を演じながらも受けを取ればなかなか美味しくはあった感があります。 新番組のコンセプトとしてヤラシイとタイトルにも冠される関西での嫌悪感を示す言葉の通り、 この番組は芸能人が一般人に対する優越性を自慢気に語る様子を面白可笑しく語るトークバラエティで 一流の芸能人はお金持ちの筈、として有田さんが用意したフリップには 何故かしら秘密の筈の小峠さんの月収があからさまにフリップになっているのでした。 困惑して疑義を発する小峠さんに関わらず番組は進行して盛り上がります。

小峠さんが忙しくなって稼ぐようになったのは、ご存知の方も多いでしょう キング・オブ・コントで優勝してから、 其の優勝賞金は何と1,000万円で、 正しくキング・オブ・イヤラシイ使い道を番組で披露したのでしたが、 それこそがかたむき通信に取り上げたい高級腕時計 オーデマピゲ・ロイヤルオーク・39mmモデルAUDEMARS PIGUET
ROYAL OAK 39mm
) でした。 折角苦労して手に入れた記念の大金に、 これは、何か形のあるものを買っておこうと思って買ったのだと心情を吐露した、 其の日も左腕に燦然と輝いていたロイヤルオークです。 因みにバイきんぐ相方の髪のある方の西村さんは此方も高級機械式腕時計 ブライトリングBREITLING) の クロノマット44GMTCHRONOMAT 44 GMT) を購入したそうで公式ホームページに依れば其のお値段はベルト、ブレスレットの選択で 多少変わるものの90万円から100万円余りと、コンビ揃ってなかなか豪儀なものです。

オーデマピゲ・ロイヤルオークの方は其のお値段は 小峠さんが130万くらいと発言したのにかぶされる番組のテロップに126万円也 と多少の誤差はあれど100万円越え、廉いお値段では決してありませんが、 しかし元々は小峠さんは其れ程時計に興味がある訳ではない、と言い放ちます。 屡かたむき通信にも記す処ですが、 クォーツショック以降の機械式高級腕時計の嗜好品的在り様を如実に示すが如き ステータスシンボルとしての購入なのだったのです。

其れ以降は全く買う気も無い癖に高級腕時計店にロイヤルオークを嵌めたまま出向き、 店内にある30万円、50万円の高級腕時計は、言っても手元の時計より廉いのを見ては自尊心を刺激され、 優越感に浸ると言う悪趣味な行動をしているヤラシサを赤裸々に白状しては笑いを取ります。 50万円の時計が高いとは分かってはいるが其の倍以上の値段の時計を自らはしている、 自分は此れを嵌めている人間です…と、買える人間です…と(笑) 見えないかも知れませんけどお金は持ってます、とアピールするそうです。 そして居酒屋では右利きですから当然以前は右手で握ったジョッキも 今では確りと左手で持ち上げて胃の中にビールを流し込み すっかり左手しか使わなくなったそうです。 すると右腕で呑む酒と左腕で呑む酒の味が全然違うそうで これも偏頗で奇天烈奇妙ですが高級腕時計の楽しみ方の一つかも知れません、 人其々、其の人ならではの腕時計の楽しみ方です。

さて其のオーデマピゲ・ロイヤルオークの商品写真を2点程右に並べて見ましたが かたむき通信読者には何某かにお気づきになられるでしょう。 過去記事に実に此れに良く似たシェイプ、 特に文字盤を囲むベゼルを持つ高級機械式腕時計をご覧になった筈です。 其の記事こそ2013年3月5日の〔K1〕 記す処の職人が職人としての機械式腕時計を嗜好した上で 其のデザインに一目惚れして即刻購入を決めたと言うモデル パテック・フィリップPatek PhilippeノーチラスNautilus) でした。

ロイヤルオークに於いては其のベゼルが8角形を為しているのが特徴の一つといえるでしょう。 そしてまた円形に近付き明確に多角形を為しているとは言えないものの、 見ようによっては12角形とも取れるフォルムをベゼルに纏わせているのが痛くない注射針〔K2〕 でお馴染みの岡野氏ご愛好のパテック・フィリップ・ノーチラスであり、 氏の技術屋の心を擽ったのが潜水艦のハッチをイメージしたダイヤルケースだと言いますから 正に此のベゼルデザインが魅力の源泉であり、デザインを特徴付けるものであり、 そして其のデザイン・テイストをスタイルとして有しているのが腕時計デザイナーの チャールズ・ジェラルド・ジェンタCharles Gérald Genta) 氏であり、即ちロイヤルオーク、ノーチラスは共に ジェンタ氏の手になるデザインであったのはノーチラスの記事〔K1〕 にも記しました。

ジェンタ氏は未だ10代に宝飾デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、 23歳の時に宝飾商に関係深い腕時計デザイナーに転進、 其の後数々のヒットを世に送り出し成功しましたが、 其の代表作の2作がかたむき通信に取り上げる処となった オーデマピゲ・ロイヤルオークであり、 パテック・フィリップ・ノーチラスであったのです。

オーデマピゲ・ロイヤルオークが誕生したのは1972年〔※1〕 またパテック・フィリップ・ノーチラスの発表は1976年〔K1〕 ですから、岡野氏お好みの米国の原子力潜水艦ノーチラスが意匠の発端ではないのではないかと推測されます。 先ずはジェンタ氏の培った独自スタイルとしての多角形意匠があって、 パテック・フィリップの依頼内容に其のジェンタ氏一流のスタイルを上手く適合させた形状がノーチラスであったのでしょう。

ジェンタ氏の創造したデザインを見れば多角形ばかりには有らずして、 丸型ダイアルのものは勿論、トノー(樽)型やディズニーキャラクターをあしらったもの迄見られるようですが、 矢張り重要な柱として多角形は有る様です。 其れと言うのも本邦の誇る腕時計メーカー セイコーウオッチ株式会社 の高級ブランド、其の名も CRETE D'OR 、英語に直せば GOLDEN PEAK 、即ち黄金の頂より由来せし CREDORクレドール) のファーストモデルはジェンタ氏その人のデザインであり、 機械式にはあらぬクォーツ時計にしてまたセンターラグと言う見た目も露わな特徴を有しながらも 矢張り6角形と言う多角形スタイルの継承が見られるのです。 〔※2〕

惜しむらくはセイコーのクレドール公式歴史ページ〔※3〕 にも其の記載も写真も無く、実はセイコーの歴代モデルを収納した THE SEIKO MUSEUM(セイコーミュージアム) にも展示が無いと言います。〔※2〕 此れを知らせてくれ、同時に写真を掲載するサイトにはクレドールブランドは1979年に開始されるとありますが、 公式には其の歴史は1974年に開始される、とありますから此処は公式に従いましょう、 クレドール・ファースト・ジェラルド・ジェンタ・モデルは オーデマピゲ・ロイヤルオークとパテック・フィリップ・ノーチラスのちょうど2年間を置いて中間に位置することとなります。 すると8角形から6角形、12角形へと遷移した訳で 角数が減る方向でも増える方向でも統一されているのではなく、 多角形意匠の可能性を探っているかにも見えるのでした。

最近些か納税的に不名誉な話題の上った岡野氏や、 儲け一方ならぬバイきんぐ小峠氏ならぬ一般の方がジェンタ氏の コンセプトも明確な多角形意匠のデザイナーズウォッチを手に入れたいとあらば 多少のプレミアムは付くものの此の記事の前者2モデル程の高値にはならないだろう筈として クレドール・ファースト・ジェラルド・ジェンタ・モデルを求めようと思えども、 現在セイコー公式にも其のシルエットも見掛けられぬレアモデルとなれば 中古として出回るのを見付ければお宝であるのは間違いなく、 滅多に無い機会は活かすべくお薦めもし、 しかし其の機会は機械式腕時計の復権より凋落せしクォーツ腕時計の価値もあれば 世に欠落する可能性も高く益々存在の可能性は比例して減じるものにて 孰れ現行生産されるオーデマピゲ・ロイヤルオークやパテック・フィリップ・ノーチラスよりも貴重なモデルとなるのかも知れません。

使用写真
  1. Audemars Piguet Royal Oak Offshore - Montauk Highway( photo credit: Manuel Rebic via Flickr cc
かたむき通信参照記事(K)
  1. 岡野式腕時計愛好の一つの形~パテックフィリップ・ノーチラス(2013年3月5日)
  2. 画期的!痛くない注射針は岡野式、青柳式のどちらもが日本発で蚊がモデル(2012年6月24日)
参考URL(※)
  1. オーデマ ピゲ ロイヤルオーク(webChronos)
  2. セイコー クレドール ファーストモデル ジェラルド・ジェンタデザイン クオーツ・J-5213(時計の委託・アンティーウオッチマン)
  3. クレドールの歴史(CREDOR)
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