FacebookがGoogle超え上場、時価総額9.1兆円~問われる市場調達資金の使い道

お待たせしました! と言った感のあるSNS世界最大手のFacebookの上場です。 随分長い間騒がれていた印象がありましたがそれらは常に予想にしか過ぎず、 遂に米国時間で昨日2012年5月18日付けで米ナスダック市場に株式が上場され、 その初値は42.05ドルと現実の価格が付き、 それを元に単純計算すればFacebook社の時価総額は約1,150億ドル、 2012年5月時点の相場で日本円にして9兆円超えとなります。

この上場はFacebookが本拠を置く地元ではお祭り騒ぎのようになっており、 日経新聞の2012年5月19日の記事 フェイスブック上場、その時本社は? 興奮の「長い一日」をルポ (2019年3月8日現在記事削除確認) にその様子が詳細に伝えられています。 サン・マイクロシステムズの本社後に移転したFacebookを地元企業として有することになった メンロパーク市は市長を始めその期待を顕わにします。 各種メディアも勿論Facebookの周りを取り囲みそのレポートに余念がありません。 反してFacebook内部ではパーティは兎も角ハッカソンという プログラミングイベントが催されているなど企業風土をよく表す ちょっと微笑ましい様子も伝えられます。

今回Facebook社に於ける上場での市場調達額は約184億ドル、 現時点で日本円換算では約1兆4,500億円と予想されています。 この金額は2004年に株式上場のGoogle社の凡そ19億ドルであった調達額を軽く上回る 世界のIT企業として最大規模のものとなりました。

問題とされるのは調達した資金の使い道で これは勿論株主の納得のいくものでなければなりません。 現在その使い道として最も考えられるのが企業買収、M&Aです。 M&Aにより人材、技術、特許、市場を自社に取り込むことで企業価値を更に上げられる訳です。

この件に関してはSBIホールディングス株式会社CEOの北尾吉孝氏が自身のブログに2012年5月18日 フェイスブック上場とこれから と言う参考に供されるべき考察を配信しています。 Google社やアップル社といった蓋然性の高い仮想敵国を相手に勝利し得る戦略と、 戦略達成の為の今回の調達資金の戦術面への適切な展開が重要となる、 と言ったことなのだと思います。

北尾氏記事に紹介される。 ウォールストリートジャーナルの2012年5月14日の記事 シリコンバレー起業家に一獲千金への期待 相次ぐ巨額のM&A受け (2019年3月8日現在記事削除確認) に見られる起業家がM&Aをゴールに想定するケースが多発しているとされますが、 逆に資金を調達した際に安易にその投資先としてM&Aが安易に選択される向きもあるように見えます。 それ以外の選択肢を持てていない、とも言えるのかも知れません。

ウォールストリートジャーナル記事にはFacebookのCEOザッカーバーグ氏の インスタグラムの買収を発表したブログ記事を取り上げ、 今後この種の買収が行われるとしても、そうめったにない、 との言を記した上でなお、 依然として起業家連のM&Aゴールへの自信を伺わせる事例を挙げています。 即ち、機動性を失い新たな価値想像を出来ない大手にはM&Aしか選択肢はないだろう、 との主張にも取れます。

今回途方も無い巨額の資金を得たFacebook、 明確な方針があればその施策が実際に裏付けとして顕れて来るでしょう。 M&Aをわざわざ除外するではありません。 北尾氏が銀行に寝かせる愚を述べられているように有り得ない施策もあるでしょう。 Facebookの将来を決める施策が見られるのはごくごく近い未来です。

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