上場からCEOの結婚、そして訴訟と、 短い期間にも話題に欠かないFacebookですが、 若しかしたらまた大きな話題を提供してくれるかも知れません。 それはノルウェーのソフトウェア会社買収の話です。 企業買収は良くある話、それが何故大きな話題となるのかと言えば ブラウザ Opera を保有するノルウェーのソフトウェア企業 Opera Software ASA であるからです。
今は噂の段階に過ぎないとされますが、 Opera関係筋から得た情報としてTNW Insiderが2012年5月25日に伝える記事 Facebook to acquire browser maker Opera? Maybe. Here’s what we know. に現時点で彼等の知り得る処が伝えられます。
記事にポイントとして挙げられるのは以下の2点です。
- オペラ経営陣が水面下にバイヤーと交渉している
- オペラ社が新規雇用を凍結している
ここで確証を以て買い手のFacebookの名を挙げるものではありませんが、 状況証拠から見て蓋然性が高いと言うことでしょう。 以下にそれが挙げられ、以下のようにまとめることが出来るでしょうか。
- Facebookは利用者へのリーチにモバイル環境が必須の状況にあり、 オペラはモバイル用の優秀なブラウザ技術を有すること
- オペラ買収金額が高額となることは間違いないが、 Facebookは先頃の上場に依り充分な資金を得ていること
- Facebookはブラウジング環境を自社で一から構築するより、 社外リソースを利用した方が理に適っていること
勿論確定事項ではありませんからTNW Insiderは他の買い手の可能性も挙げます。 一つはロシアの検索大手 Yandex であり、そしてもう一つは Google です。
ブラウザはインターネットに於いて主要技術の一つです。 これに於いて主導権を握ることがインターネットビジネスにどれだけ有利に働くか分かりません。 インターネットを主戦場とするGoogleが自社ブラウザー Chrome (クローム)に注力するのも宜成る哉です。
そして遂に最近Chromeのシェアが一昔前に独占状態にあった マイクロソフト社のIEから趣意を奪還したとのニュースが2012年5月22日のCNET Japanの グーグル「Chrome」、IEを抜きブラウザシェアで首位に--StatCounter調査 などにより伝えられたばかりでした。 これには2012年5月25日財経新聞に記事 Microsoft、「Chromeが世界シェア1位」のニュースに異議 が伝えられますが、近年開発を怠る若しくは唯我独尊的開発を継続したことにより、 大いなる逆ブランディングを成し遂げてしまったIEの凋落傾向は疑うべくもありません。 しかしこの寡占状況を崩すにGoogle社が尽力したことも確かでした。
FacebookがOperaブラウザを入手するとなれば それはGoogleには看過出来ない事態でしょうし、 両社の相克は近年激しさを増すばかりです。 この事案がIT業界に大きな波紋を呼ぶことは間違いないでしょう。