南鳥島周辺排他的経済水域にレアアース大鉱床の可能性~日本近海に資源発見の相次ぐ理由

日本海域での資源の話しが頃日騒がしく思うのは気の所為でしょうか? かたむき通信に伝えたのは、以下の2件の記事でした。

両者共に従来の資源に乏しい日本にしてみれば夢の様なお話しで 此処に更にもう一つ景気の良い話しが加わるとなれば 些か眉に唾つけて見てしまいそうなくらいです。

その新しい景気の良い話しとはMSN産経ニュース2012年6月28日伝えられる 南鳥島周辺でレアアースの泥 EEZ内で初 (2019年6月3日現在、MSN産経ニュースはサービスを停止しています。)に詳細があります。 即ち、日本国が権利を主張できる海域に於いて ハイテク製品に欠かせない レアアース の大鉱床が見付かったと言うのです。 レアアースについてはYouTubeの名も広く一般に知らしめた 尖閣諸島中国漁船衝突事件 に於いてハイテク国家として欠かせないながら資源に乏しい弱みを 中国に突かれたのも記憶に新しい処です。

この外交の切り札にも使われたレアアースが 日本国内の年間消費量の200年分超の埋蔵量で見付かったというのですから それこそ無尽蔵と考えても差し支えない状況に とても日本の話しとは思えず、思わず耳を疑います。発見者は東大大学院教授の加藤泰浩さん等で、 昨日2012年6月28日、資源地質学会で発表したとのことです。

大鉱床の場所は日本の最東端の南鳥島(東京都小笠原村)周辺の 排他的経済水域(EEZ)内の海底凡そ水深5,600メートルで、 その推定埋蔵量は約680万トン、 更にはその北約180キロの地点も大鉱床である可能性があるそうで 周辺には何千年かかっても使い切れないレアアースが眠っているかも知れない、と言うのです。

但しレアアースの埋蔵されるのは5,000メートル超の深海であって 矢張り採掘は難易度が高いのだそうです。 しかしかたむき通信5月21日記事のメタンハイドレートも 今急ピッチで開発が進められるように レアアースについてもその必要性と政治状況から考えて喫緊の課題として扱われ、 採掘研究が迅速に推し進められることになるのかも知れません。

それにしても何故こうも急に日本近海に資源の発見が相次ぐのか、 それは若しかしたら日本の海洋国家としての新たなる自覚なのかも知れません。 今年2012年春、4月27日、47NEWSの伝える 【大陸棚拡大を初認定】国土面積の82%相当 日本に資源開発権 国連、沖ノ鳥島も基点 (2019年6月3日現在記事削除確認)に依れば日本の国土面積の約82%にも相当する巨大な海域が新たに 海底資源の開発権を主張出来ると国連に認められたのです。 同時にこの海域の認定基点として日本最南端の東京都沖ノ鳥島も承認されましたから 国連から日本国領有の島としてお墨付きを得た格好になりました。

国家が開発の権利を主張出来る海域と言うのは 国連海洋法条約 と呼ばれる謂わば、世界の海の憲法の如き条約に拠って決定されます。 これは国連総会で採択された条約で全世界160超の国家が批准しています。 海の憲法に拠り以下列挙する処などが規定されているのですね。

東京都小笠原村南鳥島
  • 領海
  • 接続水域
  • 国際海峡
  • 排他的経済水域(EEZ)
  • 大陸棚
  • 公海

47NEWSはこの排他的経済水域外でも海底資源の開発権を主張できる大陸棚について 拡大が認められた点を伝えているのでした。

大陸棚拡大認定の発表が外務省からなされたのは記事と同日の27日、 記事には拡大が認められた大陸棚の地図も掲載され 視覚的に捉えることが出来ますので是非ご参照下さい。

この拡大大陸棚に開発権を主張するには国内手続きの完了後の 国連への連絡を以て効力が生じるため 新たな大陸棚を設定するための手続きが急務となったのですが、 同時にレアメタルを多く含む海底熱水鉱床や、 電子部品に使用されるコバルトを豊富に含む コバルトリッチクラスト発見の可能性が指摘されてもいたのでした。

このような政治的状況も 今回のレアアース大鉱床発見に至る研究への弾みを付けたのだと思います。 また資源埋蔵の可能性の研究が進んだことが政治を動かしたのかも知れません。 恐らくは両者が好適なタイミングで絡み合って状況が進展したのでしょう。 実に政治と学問が上手く結び付いた好例と言えるのではないでしょうか? その機運が高まるに合わせてこそ、 発見が相次いでなされるのも自然の成り行きである気がします。 これを以て 新たな海洋国家としての自覚 とかたむき通信の考える処です。

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