証券最大手 野村證券株式会社 が迷走を続けるように見えるのは強気ゆえでしょうか、 若しくは組織的問題を内包しているのでしょうか。
先月末には 証券取引等監視委員会 により、 増資インサイダー の嫌疑で金融庁に行政処分を勧告される事態となりました。 MSN産経ニュースの2012年5月29日のニュース 野村証券を処分勧告へ 増資インサイダー問題で証券監視委 (2019年8月2日現在MSN産経ニュースのサービス停止及び当該記事削除確認しましたので、当時2012年7月23日にロイターから配信された類似記事の 特別リポート:野村「増資インサイダー」の行方、当局との攻防90日 に新たにリンクを貼り置きます。)などに伝えられる処です。
この処分勧告に対する野村証券の反発は 情報通にも解せない処のもののようで 野村證券ヲチャーとも言える元切込隊長が自身のブログで2012年5月30日に 私たちの野村證券はいったいどうなってしまうの? を配信、証取監視委と野村證券の不可思議な対立の構図を 訝しむような内容となっています。
さてこの野村證券がお上に対するのみでなく 顧客に対しても怪訝に思われる対応を示しています。 その顧客たるのは本邦航空業界に冠たる JAL (日本航空株式会社)と ANA (全日本空輸株式会社)の2社です。 この激しく競合する2社に二股を掛けたと言う塩梅で これが恋愛でしたらちょぃと許されやしません。
この情報を伝えるのは週刊ダイヤモンドの2012年7月23日の記事 驚愕の証券モラルハザードにJALが野村の地位を格下げ にて、如何見ても商売倫理として非は野村證券側に有るように見えます。 しかし同じく須賀彩子氏の文責になる記事 JALが野村を主幹事トップから格下げも販売力には頼りたい苦しい事情 を6日前にも配信しており、JALの遣る瀬無い心情が伝えられます。
野村證券は己の優位な立場を盾に強気でJALに対しているようにも見えます。 JALはかたむき通信2012年7月4日の記事 稲盛和夫氏主導JALの奇跡のV字回復再上場とLCCスカイマークの挑発的サービスコンセプト にも記したようにV字回復をなしたとは言え、 主にコストカットに依って達成されたもので 未だ業績を向上させるコアコンピタンスは確立されてはいません。 それでも再上場で得た資金で国への借金返済を図ろうと言うのですから この弱みに付け込むのは些か同義に悖る感があります。
JALに対する姿勢を見れば証取委に対するそれも強気の表れと見れないでもありません。 お上に対してであっても己に理が存する以上、 何と言っても言論の自由が保証されている国であればそれは大いに主張されるべきです。 しかしただ己の利益を図る為だとすればそれは子供染みた我が儘に過ぎません。
この野村證券の姿勢に対しては出身者でもある SBIホールディングス株式会社CEOの北尾吉孝氏が自身のブログに2012年7月6日 資本主義と自由競争を守ろう と題した記事を配信しています。 この記事の中に現在の野村證券の状態に遺憾の意を示し、 警鐘を鳴らしてさえいます。 中にも情報化社会自体に移行した氏が旧体制とも言える野村證券に異を唱え、 ネット証券会社を称揚する様は時代の反映とも言え興味深いものと思います。