消せるボールペン フリクションボールは過去の失敗を踏まえたPILOTの大ヒット商品

最初に名前を聞いた時は健康器具の一種かと思いました、 バランスボールか何かみたいな。 処が良く聞いてみるとそれは新種のボールペンだったのです。 株式会社パイロットコーポレーション から発売される フリクションボール です。

処が逆にその機能を聞いてがっかりしたのも事実です。 それは 消せるボールペン と言うものでした。 過去にこの手の商品は随分聞いた気がしますし、 何回か使った記憶では余り好い印象が有りませんでしたから。

処がそれが今大人気だと言うのです。 2006年にフランスで発売以来、今や世界100カ国以上で販売され 約6年間で実に累計4億本超を売り上げているのだとか、 その人気の秘密を追った記事が PRESIDENT 2012年6月18日号 から転載の プレジデントオンラインの2012年7月9日の記事 販売総数4億本!「消せるボールペン」大成功の法則 です。

ボールペンと言えばかたむき通信には三菱鉛筆の ジェットストリーム を2012年6月22日の記事 好調三菱鉛筆がジェットストリーム、クルトガなど着実にヒットを飛ばす理由 に扱いました。 プレジデントは結構な頻度で筆記具を取り上げますね。

閑話休題、 やはり消せるボールペンではパイロットでも失敗はあったことがPRESIDENT記事にも触れられており、 それはかなり逆ブランディングを世の中に齎したものだと思います。 その失敗の原因は消せるけれど直ぐ消えてしまうからストレスが溜まると言うものでした。 これを踏まえて開発されたフリクションボールのコンセプトは しっかり書けて、しっかり綺麗に消せる でした。

このコンセプトを実現する新兵器こそ メタモインク 、温度に依って現れたり消えたりするインクで改良に改良を重ね、 60度以上の温度で無色になりマイナス20度以下で文字が現れるという、 日常生活では普通のインクとして扱える調整が可能になったのだと言います。

フリクションボールでは通常は普通にボールペンとして使い、 書き損じをして消したくなったら鉛筆の消しゴムのように ペンのお尻につけられたラバーでインクを擦ると見事に消えてくれます。 ラバーで擦った摩擦熱で温度が60℃以上になりインキが消えるのです。

これに飛びついたのがフランスの小学生と言うのが意外ですが、 あちらでは学校の授業ノートを万年筆で取る習慣があるのだそうです。 書き損じは薬液を使い消す必要があるので大変だったそうですから フリクションボールが彼らを惹き付けて已まないのには大いに肯けます。

それがフランスの小学生ならぬ世界中で受けている実績について パイロット側はデジタル時代に上手く乗れたからでは、と分析します。 またマーケティング的な配慮が2点挙げられます。

  • 若者向けの単なる面白グッズと言う印象を避けるため、 低温による発色復活現象売り文句ではなく逆に注意事項と位置づけ、 実用的な筆記具として大人向けに真面目なアプローチを試みた
  • 綺麗に消せるという優れた技術に裏打ちされた独自の付加価値を実現したものとして その価値を理解してくれた人に購入してもらいたいという強い意志の表れでもある 1本210円という強気のハイプライスをつけている

このフリクションボールは物欲有名人の スタバ斉藤 さんも興味を惹かれたらしくインプレスTVでは2008年6月24日とかなり早い時期に スタパビジョン:そしな:フリクションボール で取り上げています。 動画コンテンツですから実際に書いて消すアクションも見られます。 やはり以前消せるボールペンにトラウマがあるのか、 みのり先生指で擦っても消せず、ラバーで擦ると消えるインキに大いにはしゃいでます。

スタパさんは スタパブログ2012年6月号 の29日の記事、 3色バージョンのフリクションボール で新製品の 3色ボールペン、フリクションボール3 も扱っていますね。

そしてスタパさんの記事には思わぬ裏技も、 フリクションボールでネームを描く漫画家さんの開発した手法なのだそうですが、 フリクションボールで漫画のネーム(ラフ描き、下書き)を描いて、 ペン入れしたらそのネームを消す必要があるんですが、 一気にドライヤーで 消すんだそうです。 なる程~、生活の知恵ですね。

マイナス20℃でインキが復活出来ますからいざとなれば 消したインクをまた元に戻せますが、 家庭用の冷蔵庫は凡その設定がマイナス18℃だそうで、 となるとちょっと復活は微妙な線になり、 こちらは注意事項宜しく、少し手間が掛かる様に設定されているのかも知れません。

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