日の丸半導体を失うことはならじと かたむき通信にも幾度か伝えた危機的状況にある ルネサスエレクトロニクス株式会社 を救済する動きが、同社の前身3母体である 三菱、日立、NEC、以外から官民一体で起こって来ています。 なんとなれば肝胆相照らす仲には矢張り味噌汁の冷めない距離が必要なのでしょう、 遠い外国の地に産業の米である半導体産業の生殺与奪を握られては困ると言う訳です。
その中には産業革新機構にトヨタ自動車、パナソニックなどの頼もしい名が挙がっており、 出資額が2,000億円以上となるのではないかともされています。 これは米投資ファンドの コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR) の提案である1,000億円に対抗するためのもので、 むざむざと他国に売り渡してなるものか、という気概の感じられる額面[※1] となっています。 即ちルネサスには各方面よりそれだけの価値が認められているのです。
本来ルネサスを救うべき立場の3社の内にも、 出来得るならば関わりたくないとでも言う態度を取っていたNEC、 日本電気株式会社 は、その様な姿勢を示すのは相当内情が苦しいのではないかと かたむき通信にも穿鑿する処[K1] となりました が、本日2012年9月28日に当該社の苦しい内情を露わにする情報が 各報道機関の挙って伝える処[※2~5] となりました。 まるでルネサス社を救う処の話しではないのでした。
その情報というのはNECは以下、 に於いて上場を廃止すると言うものです。 正しく蟻地獄が如き状況に嵌り、形振り構っていられないと言う状況が示されたのです。
上場廃止の理由と言うのは経費削減とされるのですが金額は年額200万円程度とされています。 この金額を見て些か首を捻らざるを得ないのはNECの企業規模故です。 万が一、経費削減を称揚する議論がないこともないでしょうが、 それは恐らく調子の好いときに実施されてこそ意味のあるもので、 今となっては返ってネガティブキャンペーンとしての影響の方が 大きいのではないかと容易に考えられる中での決定であればこそ、 その内情が凄まじい状態ではないかと思い遣られるのです。
同社に於けるそれぞれの証券取引所上場は上のリストに添えた通りで、 西暦年を見るに短いものでも半世紀以上の長きに渡り継続してきた その前例を廃しての敢えての停止には愈々重みが感じられます。 これ等取引所での扱いが僅かであれば確かに株主及び投資家へ与える影響は 直接的にはそれほど大きくはないかも知れませんが、 残る東京証券取引所に於ける投資行動へ与える影響は決して軽いものとはならない筈です。
更には社内へのアナウンス効果もあり 従って奮起せよ、との思惑があるのかも知れませんが、 反面、従業員の動揺も予想されるでしょう。
かたむき通信にはNECの株価が100円割れを起こした際に記事[K1] をものしました。 充分衝撃的な事実であったのでしたが、 それより2箇月経た現時点でも多少持ち直したとは言え 120円から130円で推移している程度です。
同社は各証券取引所に10月1日を以て上場廃止申請書類提出を行う予定であり、 受理後の手続きから整理銘柄に指定され、 その1箇月後に上場廃止となるとされています。 従って以降はNECの株式は東証でのみ取引可能となります。
此処に於いて国内から救いの手が差し伸べられそうなルネサス社に比して 若しNECがルネサス社の立場であれば斯様に他社から救済が得られるだろうかとの思いが沸き起こります。 その思いも何処へやらの復活がなされるべく 此処迄形振り構わぬ行為に及んだ以上、再起へ向けての邁進を願うものです。
追記(2018年6月1日)
NECが通信機器事業からも撤退及び、追加リストラ3,000人敢行との情報を得て本ブログ2012年7月21日の記事 株価初の100円割れNEC危機的評価~LaVie Zは復活の尖兵となり得るか に追記し配信しました。
かたむき通信参照記事(K)- ルネサスがNECを道連れにしかねない模様(2012年7月17日)
- 株価初の100円割れNEC危機的評価~LaVie Zは復活の尖兵となり得るか(2012年7月21日)
- 業績不振ルネサスに2000億円出資検討(日刊スポーツ:2012年9月27日:2019年10月21日現在記事削除確認)
- NEC、4取引所で上場廃止へ(時事ドットコム:2012年9月28日:2019年10月21日現在記事削除確認)
- NEC、大阪証券取引所など4つの証券取引所において上場廃止を申請(RBB Today:2012年9月28日)
- NEC、大阪など4取引所で上場廃止へ(Sankei Biz:2012年9月28日:2019年10月21日現在記事削除確認)
- NEC、4つの証券取引所で上場廃止を申請--東証は上場を維持(CNET Japan:2012年9月28日)