二つの堀越学園

全く同名の学校法人が東京と群馬に存在します。 東京は一般との時間の共有が難しい生徒向けのカリキュラムが用意されるため 芸能人やスポーツ選手などが在籍して有名な 堀越高等学校 を運営する学校法人堀越学園、 群馬は酒井法子さんの入学と広報への起用で一時話題を集めた 創造学園大学[追2] などを運営する学校法人堀越学園です。 酒井法子さんは東京の堀越高等学校を昭和63年度に卒業してもいますので 更に混乱し易い状態となっている様です。

そして今回群馬の学校法人堀越学園に対し所轄官庁の 文部科学省が解散命令を出す[※1] とされると、東京新聞に伝えられています。 私学法に因って解散命令後には学校法人は清算されますが、 更には債務超過であった場合には規定では 裁判所が債権者らの申し立て及び職権で破産手続きの開始決定が義務付けられており、 理事長の負債などから債務超過が確定的で破産手続きに移行するものと見られています。

文科省は今回想定される解散命令に至る迄には、 幾度もの群馬学校法人に対する指導は行って来ました。 つい先々月2012年7月にも19日付けで私立学校法に基づいた 経営状況や再建計画に関する異例とも言える報告書の提出を要求しています。

当該学校法人の理事長人事など内部的ごたごたは絶えず、 民事訴訟に迄発展して公となる処ですし、 となれば子息を預ける側としては不安にもなるでしょう、 同法人の運営する子供の国幼稚園々児保護者ら972名が 署名付きの嘆願書を理事長宛に提出する事態ともなりました。

また財務的にもかなり杜撰な運営であったようで、 運営学校教職員に対する給与の遅配は去年2011年9月からずっと 一年間改善されもせず続いていました。 結局、契約金額が満額支払われることの無い教職員が多かったとされます。 経営も極めて不適切であった訳です。

更には創造学園大学構内でのモラル的な問題も多く漏れ伝わる処でもあり、 運営する群馬堀越学園は学校運営に駄目出しをされるのも 全く以て致し方の無い処です。

孰れにせよ同名ながら全く関係の無い東京の堀越学園はとんだ風評被害を受けかねず、 実際去年2011年12月5日には堀越高等学校が群馬の堀越学園の運営する大学の付属校などであると騙り 学校債を勧誘するなどの詐欺行為から文部科学省の立ち入り調査を受けていました。 この学校債も満期となっても換金は不能であり、 損害を被った人々も実在しどんなとばっちりを受けるかも分かりませんが、 群馬の学校法人が消滅するとなれば後に禍根を残すとは言え、 取敢えずは一安心と胸を撫で下ろせる処でしょう。

追記1(2012年10月29日)

文部科学省の大学設置学校法人審議会は10月25日に(学)堀越学園に対し 4年生大学運営の学校法人としては初となる解散命令を発令するよう答申した旨、 東京商工リサーチ(2012年10月29日) に伝えられました。 法令違反が発覚すること相次ぎ財務状態も悪化の一途を辿り 学校法人としての運営適性が無いものと判断されました。 負債総額は約50億円とされています。 解散命令の実施時期は現在校生に鑑み来年2013年3月を目処とするものとされます。

追記2(2019年10月14日)

学校法人堀越学園は2013年3月28日に文部科学大臣からの解散命令で廃止されています。 此れに因って創造学園大学も同日、在校生が存在するにも関わらず、解散を余儀なくされています。 加えて2箇月後の6月4日には学校法人堀越学園は、東京地方裁判所より負債総額約45億円にて破産手続開始決定を受けました。 従って本記事のタイトルである二つの堀越学園も解消された訳です。

参考URL(※)
  1. 堀越学園 破産手続きへ 文科省の解散命令後(東京新聞:2012年9月21日:2019年10月14日現在記事削除確認)
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