酸素アーク工業シャープランス対ムアン株式会社コールドファイヤー

日本民間放送連盟賞に於いて テレビエンターテインメント番組部門最優秀賞を受賞したのはかたむき通信にも伝えた 〔K1〕 フジテレビの人気番組 ほこ×たて は企画もどんどん新しいものを打ち出して来て見る側には楽しいばかりではなく、 最新の企業動静なども掴める副次効果さえあっては 視聴率の高さも受賞も宜成る哉と言うものです。

受賞後意気揚がる同番組が2012年11月4日放映分で見せた企画も 日用品 VS 業務用品 の対決でそのミスマッチながら息詰まる決闘はなかなかの好企画と言えるでしょう。 後半には布団干し用洗濯ばさみと業務用350馬力の扇風機ハリケーンとの布団飛ばし対決がありました。 そしてそれに先んじて催された対決が本記事表題ともした 酸素アーク工業シャープランス対ムアン株式会社コールドファイヤー であり、熱戦が展開される処となりました。

なお、VTR等でご覧になる予定の向きは ネタバレ有りますので本記事の閲覧にはご注意下さい。

絶対に火が消えない最強のバーナーを称して番組に乗り込んだのは福岡県福岡市を本拠とする 酸素アーク工業株式会社 で携え来たのは シャープランスSL3-18 なる製品です。 これは創業40年にして年間20万本のバーナーを製造する 業界のパイオニアの同社中にも最強のバーナーと謳われるもので、 その火の温度は6,000℃にも達します。

同社サイトには鉄鋼に限らず、ステンレス、真鍮などの合金や更には 非鉄金属、セラミックなどあらゆるものを溶断、穿孔出来、 その際にはガス切断や機械的切断では困難な無騒音、無振動を実現する旨も謳われています。 加えて装置に熱源を必要としないことから移動する作業にも適し、 驚くことに水中での熔断作業も可能と堂々と謳っていることでしょう。

実際にデモンストレーションでは海中で金属を切断して見せたのは勿論、 あろうことか水中でトウモロコシを焼き上げてしまいました。 水中焼きトウモロコシとして売り出せば売れるんじゃないでしょうか? 美味しいか如何かは保証し兼ねますが…。 こうなれば普通の消火器で消化をしようと噴射をバーナーに向け、 好い加減消火器が空になってもバーナーの火は決して消えはしません。 では水圧でバーナーの火を消そうとして高圧洗浄機を試みるも バーナーの燃焼限界の5分間の間、全く寄せ付けはしないのでした。

この火の消えない秘密はその構造に有ります。 シャープランスでは酸素ボンベから繋がるチューブの先に長さ3mの鉄製の棒、 これはパイプ状になっており、この内側から酸素を送り込み先端を溶かしながら燃焼しているのでした。 この形式を 消耗性バーナー と言うのだそうです。 その先端に火をつければまるで花火のように燃え上がり、 水中でも火が消えないはデモンストレーションに見た通りです。 但し棒そのものが燃えて短くなっていくため5分しか使えません。 しかしこの5分間は雨が降ろうが風が吹こうが何があろうが火は消えない 最強のバーナーと同社が誇示する所以です。 即ち此方が業務用品の代表たる製品なのです。

これに対するのは日用品の代表たる コールドファイヤー です。 この製品は千葉県柏市を本拠とし消化剤など様々な海外製品の輸入・販売を営む ムアン株式会社 がアメリカから輸入販売する自信の逸品、 どんな火も消せる最強の消化スプレー なのです。

この最強の消化スプレーは天麩羅油の火もカーペットの火も襖の火も瞬殺する 驚異の消化力から全米では人気も高く軍隊など国家機関にも導入されている製品だそうで、 海藻から作った液体が高性能の肝なのですがこれが企業秘密の液体とされています。 その消化力の秘密は燃焼物を包み込み酸素を遮断し熱を急速に奪う仕組みで、 スプレーから放たれた液体が僅かな隙間にも入り込み燃焼物を包み込んでしまいます。 オマケに液体を吹き付けたものをコーティングし熱を遮断して 熱から守ってくれると言う凄い特徴まで兼ね備えているのでした。 それを証明するためのパフォーマンスとしてムアン社担当者は 自らの手に吹きかけてからバーナーで炙って見せましたが、 これはいくら何でも真似しちゃいけませんね。 デモンストレーションでは鉄筋など軽がる切断する工業用の4,000℃を発するガスバーナーの火を 先端に吹き付けて見事消化して見せました。

デモンストレーションの部分では日用品と工業用品とのアンバランスな対決構図が ミスマッチな雰囲気を醸し出しており、日用品に過ぎない、 まるで殺虫剤に一種にも見え兼ねないスプレーに とても燃え盛る炎が消せるようには見えなかったのですが、 コールドファイヤーはその頼りない概観の印象を払拭して見せました。 酸素アーク工業のシャープランスとなればその不調和感は更に増すものですが、 期待は愈々高まるばかりでしょう。

対決場所は福岡の酸素アーク工業本社敷地内です。 ムアン社担当者が現れ、酸素アーク社担当者と名物名刺交換をして 矢庭に背広の裾を捲り上げた腰周りに予ねて用意のコールドファイヤーを取り出して見せました。 その見た目の貧弱さに一瞬我が目を疑う酸素アーク担当者は 100本持ってきても家のバーナーは消えない、と嘯きます。

ルールは

  • 消化ファイヤーは2本同時に何本使って宜しい
  • 消化ファイヤーをバーナーに吹き付けバーナーの火が消えたら消化ファイヤーの勝ち
  • 火が消えなければバーナーの勝ち
なるものとして愈々5分間の対決が開始されました。

シャープランスに着火され恐ろしげな火を吐き出す先端に ムアン社担当はコールドファイヤーを2本携え噴射を開始しました。 暫くしてバーナーを操る酸素アーク社担当者がヤバイ、と一声発します。 確かに一瞬火が弱くなったような気がします。 しかしその後ムアン社担当者がジリジリと後退、 遂にコールドファイヤーを持った両手で×印を作りました。 シャープランスの勝利です。

どうにもその対決構図は業務用の無骨ででっかい製品に 単なる缶スプレーである作りからして貧相に見劣りしてしまう日用品でしたが、 一瞬業務用の担当者に冷や汗を掻かせたのは特筆に価するでしょう。 実際が4,000℃のガスバーナーの発する火を消すだけでも凄い訳ですから、 その商品性能は全く証明されてもいるのでした。 業務用のバーナーは取り寄せたい向きには確実に届いたこの対決もその数は限られますが、 この対決にこの消化スプレーを入手したい向きが大いに増えたのも間違いないでしょう。

此の番組では名物として対決する企業の担当者同士の名刺交換があるのは上記した処、 このように意図せぬ名物が自然発生的に起こったのも番組発展の要因と言えるでしょう。 この名刺交換にも火花散らす心理戦も見物ですが、 その両社の紳士的な遣り取りに視聴者は安心しながら対決に熱中出来る構図ともなっています。 それが延いては同番組に於ける活躍が企業広報ともなり 就職活動中の学生にも企業人気が高まるなど効果覿面で 〔K2〕 また販売促進にも直結するものですが、 対決する当人達は勝利の喜びに満たされ、または敗北の悔しさに歯軋りし、 宣伝処ではない様子が伺えるのも人気が上がる要因となっているでしょう。 此処に於いては勝敗に関係なく恐らく販促は達成されるでしょう。 企業は下手に宣伝するくらいならば同番組の対決企画に手を挙げた方が効果的なのは間違いなく、 いやはや宣伝とは切り離せない民法から実に奇妙で注目に値する番組が生まれたものです。

かたむき通信参照記事(K)
  1. ほこ×たてが日本民間放送連盟賞最優秀賞受賞(2012年10月22日)
  2. ほこ×たて効果で就活生に大人気の日本タングステンの戦歴(2012年5月12日)
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