コーティング剤ナノグラスコート対塗料染めQ~極小世界のほこ×たて対決

ナノとは英語でnanoと記し単位の接頭辞として その単位の10億分の1であることを示します。 1nmナノメートルであればそれは詰まり10億分の1mであることを示し、 10億nmは1mであることを示している、 極々微小な世界を表す際に屡登場するものです。

昨日2013年2月19日にかたむき通信に伝えたのは人気テレビ番組 ほこ×たて[追] の2013年2月17日放映分では5番勝負のトリを取った 最強オセロプログラム対決[K1] でしたが、その5番勝負にはこのナノレベルの戦いも繰り広げられていたのでした。 絶対に落とすコーティング剤 VS 絶対に落ちない塗料 です。

どんな落書きも寄せ付けないと豪語するのは社名にも商品名にもナノを冠する千葉県は ナノグラスコートジャパン株式会社 の代表氏であり、同社の開発した ナノグラスコートSV9000 です。 一度この黄色い特殊な液体を塗ったものは 例えそれが油性マジックであろうがクレヨンであろうが 拭き取れば忽ちの内に落書きはものの見事に綺麗さっぱり落されてしまうのでした。 使い方はただ壁や机に塗るだけと、とても簡単です。 デモンストレーションに幼稚園児の落書きと相対すれば 不安げな先生も吃驚の性能で綺麗に壁や机の上のクレヨンは元通りに拭き取られたしまいました。

同社は元々は自動車などを汚れから守るコーティング剤の開発、製造を主業務としていたのですが、 これが建物にも応用出来るのを見定め、 愛車のメンテナンスから商店街のシャッター迄と広い範囲にコーティング剤を扱うようになりました。 ノウハウは漸次蓄積されなお5年の歳月を掛けて開発されたのが絶対の自信を誇る最強コーティング剤 ナノグラスコートSV9000であったのであり、 どんな塗料で落書きされようとも簡単に落ちるコーティング剤として コーティング業界に君臨しているのでした。

これに対するのは茨城県に本拠地を置く 株式会社染めQテクノロジィ であり、塗料業界の重鎮たる代表氏が 塗ったら絶対に落ちない塗料であると豪語するのが社名でもある 染めQ です。 創業以来塗料の開発、製造を行い塗料開発で培った技術を応用して今や 消臭剤に除菌剤、防カビ剤などの様々な製品を製造する同社の主力商品として 絶対に落ちない塗料染めQはあるのでした。 その威力は例え一般的なスプレーを塗った鉄板の塗料を僅か5分で簡単に落とす超強力洗浄機でも 長至近距離から10分間洗浄されてもびくともしないもので革命的塗料と実しやかに言われるものです。

塗料に大事なのは乾燥後に色移りしないこと、 なんとなればそれが身近のものであれば触れた手も服も汚してしまうからに他なりません。 また同社の染めQはビニールのような柔らかくて塗料の付着の難しそうな素材に迄 塗られて一度乾燥すれば揉みくちゃに揉まれようとも落ちることはありません。 同社の絶対に落ちない塗料染めQは、従って人が触れる衣類などにも使える道理で これを見込まれて東京は文京区の高級ホテルとして名高い 椿山荘ちんざんそう に於いてさえ家具などの補修の為にも利用されている実績を有しています。

実は塗料は接着剤である、とは良く言われる処です。 考えてみれば塗料は塗られる物体に確りくっ付かなければならないのですから 接着剤的性能は必須のものなのでした。 その意味では塗料ならぬコーティング剤であっても塗布体について離れないよう求められるのは同じであって 両社は似たもの同士と言うことも出来る訳です。 その証拠には両者が誇る処は塗布する粒子が極小と主張するに有ります。

ナノグラスコート側の主張には塗れば塗られたものの表面は ツルツルのガラスのようになるとのことで これは極小の粒子が表面を覆い極小故に互いの接近度が高く 合間に他粒子の入り込むべき余地がないことを意味しています。 対する染めQも商品名にも社名にもナノは謳わないもののその粒子はナノサイズであるとはっきりと言明しました。 これが何を意味するかと言えば従来の塗料が入り込まない隙間にまで入り込む、と言うことですから ナノグラスコートと主張は等しく機能は正面からぶつかることとなり、 どうやら粒子の細かさが勝負を分ける仕儀と相成りそうです。

対決場所はナノグラスコートジャパン本社屋内にて 建物にナノグラスコートを以てコーティングしたシャッターに染めQを以て塗り、 乾いた処で粘着テープで剥がした時、染めQが落ちや否やで勝負判定と決められました。 ナノグラスコートがデモンストレーションで見せた塗られた壁に落書きされたスプレーを 粘着テープでものの見事に皮がめくれるように簡単に剥がした性能を再現出来るか否かが判定材料に選ばれたのです。

ナノグラスコート側は既にシャッターにコーティングして染めQを待っていました。 対決シーンの開始は現地に到着した染めQ側が用意されたシャッターの縦1.5m、横3mのスペースを 染めQスプレーで塗り潰すものとなります。 此処で染めQ側が見る者を楽しませてくれます。 赤で上から塗り潰し始めたそれは下に移るに連れオレンジから黄色緑、青と七色に変化し 見事に虹を演出してみせたのです。

鮮やかに虹色に染め上げられたナノグラスコート社シャッターが乾くまで 2時間を待った後、粘着テープが貼られました。

勝負ありました。 染めQは粘着テープが剥がされると共に綺麗に剥がされて行ったのです。

対決はナノグラスコートの勝利に終わりましたが、 染めQもテレビならではのエンターテインメント性を発揮してくれました。 上記したように今回の対決はその用途は異なるものの本質的には似た特性を有する者同士の間に繰り広げられましたから 此の塗布順序を逆にした対決の結果が見たいような気がしないでもありません。

追記(2019年8月14日)

2013年10月20日放映分の やらせ 問題で「ほこ×たて」が打ち切りとなってしまった旨、本ブログの2012年11月6日の記事 酸素アーク工業シャープランス対ムアン株式会社コールドファイヤー に追記しました。

かたむき通信参照記事(K)
  1. ハヤブサVS織田信長~オセロ最強プログラムほこ×たて対決(2013年2月19日)
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