巨人マイクロソフト社が既に様々な形で報道されていた 同社の次期基本ソフトウェアとそれを搭載するハードウェア端末の発売時期を 2012年10月26日と言明しました。 CNET Japanが2012年7月30日に配信のニュース 「Surface」タブレットを10月26日にWindows 8と同時発売--MSが明言 に伝えられる処です。 その情報ソースは同社が米証券取引委員会に提出した 年次レポート であるとされます。
この発表はマイクロソフト社に取って その方針の舵を大きく切ったものです。 同社の主要商品は言うもでもなくパーソナルコンピュータの基本ソフトウェア OS(Operating System) です。 CUI時代のMS-DOSからGUI時代のWindowsへと巧くシームレスにランディングしたことで IT業界に覇を唱えたのでした。
その方針は一重にソフトウェアへの注力にありました。 従ってハードウェアについてはコモディティ化し、 PCハード提供業者が薄い利益で競合する中、 良好な財務体質を築き得たとも言えます。 ハードウェアは例え同社が提供するにも マウスやキーボード、またゲーム機など、周辺機器に限られていました。
しかし今回の発表は従来のその方針とは明らかに異質です。 次世代OSと同時にそれを搭載した自社製ハードウェア Surface を世に送り出すと明言しているのです。
これは従来OSをOEMとして提供されていたハードウェアメーカーと明らかに競合するものです。 OSメーカーが自らそれを搭載したハードウェアの優位は免れ得ないでしょう。 下手をすればこの方針がマイクロソフト陣営からの離反を招き兼ねません。
総て承知でマイクロソフト社は敢えて新規方針を打ち出しました。 時代がそうせざるを得ないように動いているのは確かです。 マイクロソフトは已む無くこの方針を取ったのでしょうか。 果たして如何なる勝算を持ち得ているのでしょうか。 果たしてIT業界の巨人はこの施策を以てして巨人たるを維持出来るでしょうか。
追記
(2012年10月26日)
Windows8及びSurfaceの発売開始を受け
Windows8が全世界でSurfaceが8ヶ国で本日発売
を配信しました。
追記
(2013年2月25日)
Windows8の発売よりちょうど4箇月して漸くSurfaceの日本発売の話題が上って来たのを受け
Surface RT日本発売秒読み開始
を配信しました。
追記
(2018年7月12日)
Microsoft社からSurfaceの新機種
Surface Go
が発表された旨を2012年8月19日の記事
マイクロソフトSurface値付け199ドル予想に日本電機メーカー蚊帳の外
に追記しました。