和牛預託商法 なるは二た昔以前に耳にした 貴方も和牛の一口オーナーになって設けよう、 と言う売り口上で世に広まった詐欺商法にて、 それが20年程経って漸く収束へ向け動き出した感があります。
和牛預託商法は 現物まがい商法 の一種で オーナー商法 と呼ばれもし、 またもう一つの異称 ペーパー商法 と言えば読者の年代に依っては例の悲惨な結末を迎えた 豊田商事 を思い出される方も居られるのではないでしょうか。
この和牛商法の最大手であった 株式会社 安愚楽牧場 (2019年2月23日現在アクセス不能確認) が経営破綻、東京地裁に民事再生法の適用を申請したのは去年2011年8月9日のことでしたから、 此方は未だ記憶に新しい方も居られるでしょう。 安愚楽牧場の詐欺商法の明らかになるに連れ被害規模が奇しくも 豊田商事と比較され戦後最大の消費者被害額となるのではないかと、話題になりもしました。
同社サイトの ニュース一覧 (2019年2月23日現在アクセス不能確認) には生々しくも粛々と進められる破産手続きが2012年5月の今もなお見て取れます。
一時は大いに羽振りも良く、 多くの牧場を運営し傘下に子会社を抱えたりもしました。 その一つである 安愚楽の里 が今年2012年の5月2日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けていたことが明らかになりました。
事実上の連鎖倒産とも言え、 負債総額は約33億800万円と伝えられますが何分2009年2月時点の数字であり、 今後の詳細な調査により変動する可能性も大きいようです。 帝国データバンクが2012年5月9日に大型倒産速報の一つとして配信した ホテル運営 有限会社安愚楽の里 破産手続き開始決定受ける (2019年2月23日現在記事削除確認) には詳細が記されています。
速報には同社は1987年(昭和62年)4月にレストラン事業を目的に設立、 1998年8月にホテル事業に進出したとされています。 当初は牧場の預託オーナー向けにホテル事業に進出したものの、 此処数年は一般観光客中心の営業となっていたとのこと、 背に腹は替えられぬとは言え、 何とも言いようのない感覚に囚われます。
冒頭には収束に向けと記しましたが、 件の件に関してはまだまだ遺恨の残る方もあるでしょう。 速報に依ればホテルは事業譲渡で現在別法人が営業を継続するなど、 此方も粛々と処理が進みそうな情勢の中、 和牛オーナー商法被害者の方々は今、何を思われるでしょうか。
追記(2012年10月25日)
本記事に伝えた 安愚楽の里 に続き同じく 安愚楽牧場 の子会社で同社熊本支店の牧場を運営していた 有限会社 安愚楽西日本 が10月3日に東京地裁から破産開始の決定を受けていたことが明らかになりました。 負債総額は約11億5千万円とされます。 東京商工リサーチの2012年10月25日の記事 (有)安愚楽西日本/[熊本] 和牛繁殖飼育/破産開始決定 に詳細が伝えられるものです。