B-CAS社のSoftCAS、書換え問題、BLACKCASへの対応は如何に?

デジタル放送受信に於いて暗号化解読の鍵として機能して来た B-CAS方式が地デジ放送開始からほどなく多くの問題を抱えるに至ってしまいました。 かたむき通信には B-CAS としてカテゴライズする記事連に取り扱っただけで 以下3問題が列挙できます。

矢継ぎ早に出現するこれら問題に 提供側からの対応の様子はどうなっているのでしょうか?

これを面白い切り口から2012年5月21日の段階で記事にしているページがありました。 ニュース2CHの 総務省「B-CASカード不正の対応はB-CAS社(従業員14人・平均年齢57歳)に任せた」 スカパー「任せた」 wowow「任せた」 → B-CAS社「」 です。

先ずは所轄官庁の 総務省 です。

これは毎日jpの2012年5月19日の B−CAS:有料テレビを不正視聴 ネットに書き換え方法 (2019年3月12日現在記事削除確認) にリンクが貼られています。 記事に依れば総務省のコメントは以下引用する処とされています。

正規カードは現在約1億5000万枚発行されている。 今月中旬、各放送事業者やカード発行会社に断固とした対応を取るよう求めた。 情報通信作品振興課は「不正カードで視聴することは放送法違反であり、 損害賠償の対象になる」と注意を呼びかけている。

また B-CAS(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ) 社のコメントも以下のように掲載されています。

カード改造行為自体が損害賠償の対象になる。 早急に技術的対応策を行い、不正行為の関係者を可能な限り特定の上、 あらゆる法的措置を講じて厳正に対処したい

有料放送を提供するWOWOW社については読売オンラインのリリースコーナーの 2012年5月21日の B-CASカードに関わる一部報道について (2019年3月12日現在記事削除確認) にリンクされ、そこにはWOWOW社の見解が、以下引用するように記載されています。

現在、インターネット投稿サイトにおいて、 有料放送の不正視聴につながる、 B-CASカードの改ざん方法及び改ざん行為の報告が継続的に投稿されている事実は認識しています。
 本件については、カードの所有権者である 株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズより報告を受けており、 同社にも対応を要請しています。 また、当社の有料放送サービスの不正視聴行為については、 損害賠償請求を含めた法的措置を検討しています。

また同様に有料放送を提供するスカパー社については 2012年5月21日付けの同社のPDFファイルのリリース B-CAS カードに関わる一部報道等に関して (2019年3月12日現在ファイル削除確認) にリンクし、そこには以下、列挙する処の見解が記されています。

  1. 現在、インターネット上の掲示板型サイト等において、有料放送の不正視聴につながる、B-CASカードの改ざん方法及び改ざん行為の報告が継続的に投稿されていることは認識している。
  2. 当該一連の行為は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に大きな悪影響を与えかねず、看過できない。
  3. 本件については、カードの所有権者である株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS 社)より報告を受けており、同社にも厳正な対応を要請している。
  4. 当社の有料放送サービス「スカパー!e2」の不正視聴行為については、損害賠償請求を含めた法的措置を検討している。
  5. 技術的対応については、B-CAS 社に検討を依頼している。

これらを以てして記事タイトルの痛烈な皮肉が利いた 総務省「B-CASカード不正の対応はB-CAS社(従業員14人・平均年齢57歳)に任せた」 スカパー「任せた」 wowow「任せた」 → B-CAS社「」 となっているのですね。 どうにも概観するに丸投げ感が否めないのは確かでしょう。

更に突っ込んでいるのはB-CAS社の体制です。 リンクが同社の 第12期 事業報告・計算書類・監査報告書 2010年度 (PDFファイル:597KB ※今日現在ファイルは削除されており、当該社の 企業情報 業績・財務情報 に提示されているデータは第15期、2014年3月期以降に限られています。) に貼られそこには事業報告の第7項として 従業員の状況 が以下表のように記載されています。

区分従業員数平均年齢
男性12名57.1歳
女性2名
合計14名57.1歳

従業員数の内訳は出向者1名、社員1名及び嘱託社員10名、契約社員2名です。

この社員構成を見れば些か技術的問題への小回りの利く対応に不安を覚えるのも確かでしょう。 そうなると全ての関連組織が共通に主張する処の 損害請求を含む厳正な法的措置 に頼らざるを得ない感があります、 此方は然るべき法曹機関に任せれば好い訳ですから。 果たしてその厳正に処理されるべき対象は潜在顧客たる利用者でしょうか?

かたむき通信では折りしも本日2012年5月31日に 全国初マジコン販売業者を改正不正競争防止法で摘発~任天堂30年戦争 を記事にしました。 30年戦争を題目に含めたように任天堂社の長きに渡るゲームコピー器 マジコン との闘争を取り扱ったものです。

著作権とそれを脅かす手法はいたちごっこです。 この問題に正面にから向き合って対処するには大変な労苦が伴う筈です。 何故なら潜在顧客ともなろう利用者を犯罪者扱いしてしまうことも考えられるからです。 そしてゲリラ戦を余儀なくもされるからです。 真摯に問題と向き合い長きに渡る辛抱の末、 任天堂は今回マジコン販売業者摘発の結果を得ました。

さて、総務省、WOWOW社、スカパー社などから、 技術的に一任されたB-CAS社がどのような対処を見せるか、 注目して見たいと思います。

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