人類に最も馴染み深い素材、物質でありながら
今や最先端の素材としても注目されるものに炭素、
即ち
そんな同素体の一つが
ベアリングとあれば回転運動の支持体となる機能を有する部品として 通常は自転車の車輪の軸受けであったり自動車では勿論車輪からエンジンの軸受けを想起するでしょう。 回転体には凡そ其れを支える軸受けが必要であり 昔ながらの風景には水車なども近代的なボールベアリングとは異なるものの原始的な軸受けが用意され、 それは現代の水力発電などに用いられるものへと進化発展して来たものです。
カーボンナノチューブベアリングは勿論軸受けに相違はありませんが それが極小である処に限りない価値が産まれるのでした。 これ迄は構造として持ち得なかったミクロの世界にも 回転体を構成要素とした構築物が可能となる理屈です。
上記の如き極小の世界に於ける回転体の存在で実現が期待出来るものに言及するのが 東北大学大学院理学研究科化学専攻 磯部寛之 教授です。 磯部教授の率いる研究グループこそ世界最小のカーボンナノチューブを作成した当事者なのでした。 東北大学が昨日2013年1月9日付けのプレスリリース[※1] に配信する処です。
このカーボンナノチューブベアリングの構造としては
炭素同素体の一つカーボンナノチューブにこれも炭素同素体の一つでサッカーボールに似た
今回の東北大学の磯部研究グループの画期的なのはこのCNTベアリングが 研究室内の観察レベルに留まらぬ、量産化も視野に入れられた開発に成功していることです。 分子レベルとは言え多くのフラーレンがCNT内で独楽の如くクルクルと回る様は スペクトル分析を通してもさぞかし壮観であったでしょう。 プレスリリースに依ればこの際の回転速度は温度で制御可能なのだそうですから 上に記した磯部教授が言及した応用以外にも様々に適用が期待されます。
実はカーボンナノチューブとは門外漢には目新しくあるも
研究者には米国の物理学者
追記(2018年3月8日)
2012年10月30日配信の記事 カーボンナノチューブ~近未来の半導体素材の代表 にカーボンナノチューブを使用した不揮発性メモリであるNRAMの商品化について追記しました。
使用図写真- ABEC-3 bearings from my inline skates.( photo credit: joelogon via Flickr cc)
- 世界最小・量産型カーボンナノチューブベアリング「ナノサイズのコマ」回る!
- 炭素(C)同素体新材料が活躍する近未来(2012年9月1日)
- カーボンナノチューブ~近未来の半導体素材の代表(2012年10月30日)
- 「世界最小」量産型カーボンナノチューブベアリング(東北大学プレスリリース:2013年1月9日)
- 世界最小・量産型カーボンナノチューブベアリング 「ナノサイズのコマ」回る!(東北大学プレスリリース詳細:2013年1月9日:PDFファイル)