音楽ジャンルがライフスタイルと密接に結び付くのは良くある処にて、
それはHIPHOPなる音楽ジャンルに於いても例外では有りません。
この分野には独特のスラングがあり
元の意味は自らの着用する衣服を自慢げに踏ん反り返る様を
SWAG
と言うのだそうで従って着熟しを誇らし気に振舞う人物を
この SWAGGER を其の儘ブランド名に戴き スワッガー を社名とした 有限会社スワッガー が倒産[※2] の仕儀となりました。 2013年2月4日現在、自己破産申請の準備中とされます。
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では
SWAGGER
のブランド説明を
井口秀浩(IGNITION MAN)
氏、
オオスミタケシ(BIG-O)
氏両名がディレクションを務める1999年に開始されたブランド[※3]
とし、また後者はパーソナル性を強めたブランド
かたむき通信にはアパレル系の倒産についてトレンチコートの老舗
アクアスキュータム[K1]
、ジーンズの
ボブソン[K2]
、テキスタイル製品を扱う
五十嵐貿易株式会社[K3]
と扱って来ましたが、勿論日本国内に長引く不況はあれども構造的な不況を業界で共有する出版業界や音楽業界と異なり、
アパレル業界には今回のスワッガー社を含めた4社を見るだけでも其々に異なる事情が垣間見えます。
そしてスワッガーの場合はアパレル業界よりは構造的不況に悩む音楽業界との関連性が強いものです。
それと言うのもこのブランドはHIPHOPグループ
これを証明するデータがヒップホップとは文化的に対極に位置するような 経済産業省から2009年5月に配信[※6] されています。 この中にヒップホップ音楽は音楽業界最後のメガトレンドとして扱われ、 その終焉と共に後支えするトレンドの出現を見ずして業界全体の沈下が齎されていると言うものです。 従ってヒップホップ文化をファッションに反映するスワッガーの販売不振も無理からぬ処でした。
更に今回の倒産劇については以前の3社とは異なる事情が覗えるそのキーワードは
裏原系
でした。
裏原とは
裏原宿
の略称で原宿のメインストリートならぬ裏道沿いに出店されたブランドショップが若者の御眼鏡に適い
一大潮流を巻き起こしたファッションムーブメントでしたが、
これも購買者の高齢化と共に衰退が言われている[※6]
ものです。
裏原系の代表たる、屡
嘗ての人気からそのブランドを惜しまれ継続される旨の情報も伝えられますが、 上記の理由から鑑みればなかなか難易度の高い事業となるのではないかと予想されます。
使用写真- Ain't Nobody Got Swagga Like Us( photo credit: swanksalot via Flickr cc)
- トレンチコートの老舗アクアスキュータム倒産、1世紀半の歴史に一旦終止符(2012年4月18日)
- ジーンズメーカー株式会社ボブソン(BOBSON)無念の破産、ファストファッション勢に破れ消滅へ(2012年6月11日)
- 五十嵐貿易自己破産~激変する衣料品関連業界を垣間見る (2012年8月16日)
- swagger HIPHOP関連に出てくるスラングですが、意味をどう捉えればいいですか? 色ん...(Yahoo!知恵袋:2010年6月9日)
- 裏原系ファッション「SWAGGER」の企画販売 有限会社スワッガー 自己破産申請へ 負債5億4700万円(帝国データバンク:2013年2月4日)
- スワッガー:SWAGGER(ファッションプレス)
- フェノメノン:PHENOMENON(ファッションプレス)
- SHAKKAZOMBIE(Wikipedia)
- 音楽産業のビジネスモデル研究会報告書(経済産業省:2009年5月:2019年1月30日現在ファイル削除確認)
- ストリート系ブランドの終焉(洋服バカ佐々木与次郎のファッションBLOG:2011年2月10日:2019年1月30日現在ブログ削除確認)
- A BATHING APE®(Wikipedia)